好きになって欲しい
名前変換
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「あれ、名前まだ戻ってへんの?」
中庭で名前と別れ、時間ギリギリなって教室へと戻ってきた。しかし、そこに名前の姿はない。先に戻ってきていると思ったのだが、どこか用事でもあったのだろうか。
「見てへんで。まだとちゃう?」
名前の後ろの席の謙也が見ていないというのならば、やはりまだ戻ってきていないのだろう。
また改めて顔をあわせるとなると変に緊張してしまうが、俺がそんな風ではいけない。名前を困らせているのは間違いなく自分なのだから、俺の方が変な態度をとってしまっては余計に名前はどう接して良いかわからなくなるだろう。
名前とはこれまで通り接するつもりだ。もちろんそこに俺の気持ちが加わってしまった以上、完全に今まで通りとは行かないだろう。でも、変に態度を変えるつもりはない。今まで通り、名前のそばで、名前の返事を待つつもりだ。
そんな決意は無駄になった。名前が戻ってくるよりも先にチャイムがなってしまったのだ。さらには先生まで教室に入ってきてしまう。
おかしい。名前は授業をサボったりするような子ではないはずだ。何か理由があるのは間違いないだろう。ならばいったいどんな理由だろうか。
先ほどまで一緒にいたとき、それについて何か言ってはいなかった。ということは、教室に戻ってくるまでの間に何かに引き止められたのだろう。
何か、いや、誰かと言った方がいいだろうか。
なんの証拠もないが、頭の中には後輩の顔が思い浮かんでいた。まさかそんなタイミングよく……とは思うが、そのまさかだったら俺にとってはあまり喜ばしくはない。
もし財前が、途中で名前を捕まえて、今も一緒にいるのだとしたら……。2人っきりで授業をサボりいったい何をしているのか。ここは学校だ。そんなまさか、とは思うが想像は悪い方へと膨らんでいく。
財前は名前に思いを寄せているのだ。そんなライバルとも呼べる相手が、今名前と一緒にいるかもしれないのに平然でいられるはずがなかった。
「先生、すんませんけど体調悪いんで保健室で休んでます」
心配の声を聞き流して、教室を出る。扉を閉めたら足は勝手に先を急いで動き出す。
探してどうするのか、そんなことは考えていなかった。もし2人が一緒にいたら。そんなところを見てしまって自分は普通でいられるのか。そんな心配は気づかないふりをして頭から振り払う。
ただ名前を見つけなければ、という一心で、校内を探し回った。
とはいえ、今は授業中。生徒が校内を歩き回って良い時間ではない。足は授業中の教室を避け、特別教室の集まる校舎の方へと自然に向いていた。
見つかったら怒られる状況なのはきっと名前も一緒だ。ならばこちらに来て正解だろう。きっとどこか人目につきにくいところにいるはずだ。
いくつか思いつく空き教室や自習室に検討をつけて、中を確認してまわる。扉を開けるたびに、そこにいてほしいという思いと、財前と一緒だったら、という心配とで心臓が押しつぶされそうになる。
さっきまで一緒にいたのに、早く名前の顔が見たくて仕方がなかった。
中庭で名前と別れ、時間ギリギリなって教室へと戻ってきた。しかし、そこに名前の姿はない。先に戻ってきていると思ったのだが、どこか用事でもあったのだろうか。
「見てへんで。まだとちゃう?」
名前の後ろの席の謙也が見ていないというのならば、やはりまだ戻ってきていないのだろう。
また改めて顔をあわせるとなると変に緊張してしまうが、俺がそんな風ではいけない。名前を困らせているのは間違いなく自分なのだから、俺の方が変な態度をとってしまっては余計に名前はどう接して良いかわからなくなるだろう。
名前とはこれまで通り接するつもりだ。もちろんそこに俺の気持ちが加わってしまった以上、完全に今まで通りとは行かないだろう。でも、変に態度を変えるつもりはない。今まで通り、名前のそばで、名前の返事を待つつもりだ。
そんな決意は無駄になった。名前が戻ってくるよりも先にチャイムがなってしまったのだ。さらには先生まで教室に入ってきてしまう。
おかしい。名前は授業をサボったりするような子ではないはずだ。何か理由があるのは間違いないだろう。ならばいったいどんな理由だろうか。
先ほどまで一緒にいたとき、それについて何か言ってはいなかった。ということは、教室に戻ってくるまでの間に何かに引き止められたのだろう。
何か、いや、誰かと言った方がいいだろうか。
なんの証拠もないが、頭の中には後輩の顔が思い浮かんでいた。まさかそんなタイミングよく……とは思うが、そのまさかだったら俺にとってはあまり喜ばしくはない。
もし財前が、途中で名前を捕まえて、今も一緒にいるのだとしたら……。2人っきりで授業をサボりいったい何をしているのか。ここは学校だ。そんなまさか、とは思うが想像は悪い方へと膨らんでいく。
財前は名前に思いを寄せているのだ。そんなライバルとも呼べる相手が、今名前と一緒にいるかもしれないのに平然でいられるはずがなかった。
「先生、すんませんけど体調悪いんで保健室で休んでます」
心配の声を聞き流して、教室を出る。扉を閉めたら足は勝手に先を急いで動き出す。
探してどうするのか、そんなことは考えていなかった。もし2人が一緒にいたら。そんなところを見てしまって自分は普通でいられるのか。そんな心配は気づかないふりをして頭から振り払う。
ただ名前を見つけなければ、という一心で、校内を探し回った。
とはいえ、今は授業中。生徒が校内を歩き回って良い時間ではない。足は授業中の教室を避け、特別教室の集まる校舎の方へと自然に向いていた。
見つかったら怒られる状況なのはきっと名前も一緒だ。ならばこちらに来て正解だろう。きっとどこか人目につきにくいところにいるはずだ。
いくつか思いつく空き教室や自習室に検討をつけて、中を確認してまわる。扉を開けるたびに、そこにいてほしいという思いと、財前と一緒だったら、という心配とで心臓が押しつぶされそうになる。
さっきまで一緒にいたのに、早く名前の顔が見たくて仕方がなかった。