記憶を呼び戻して。
「ちょっとー!?どういうことーーーーーー?!」
「ま、まあまあアリゼー落ち着いて・・・」
「なんであんたはそんな落ち着いてられるのよ!!!」
コレが落ち着いてられる?!!
眼の前で烈火の如くお怒りなのは、アリゼーである。(そしてなだめているのはアルフィノ)
当然ながら理由は、無断でシャーレアンから自宅へ戻った私と、追いかけていった(とウリエンジェから聞いていた)はずのサンクレッドが即時連れ戻してこなかったからだ。
「ごめんなさい」
「すまん」
これはもう、怒りが収まるまではきっちり謝るしか無い。
という腹をくくって帰ってきたので、今回は素直にゴメンナサイを態度で示す。
「元気になったらビスマルクのご飯が久々に食べたくて・・・リムサまで行ってきちゃったの。」
「流石にまずいかと思ったけどまあ、飯くって帰るだけの1泊2日ならいいかなと俺も思っちまってな」
「だから、あの、お詫びも兼ねてビスマルクのケーキいくつかお土産に買ってきたから・・・!」
今回ばかりはサンクレッドも率先して反省の弁を申し出てくれた。また、「せめて手土産持って帰ったほうがいい」という意見も出してくれた。ので、ここは人生の先輩に従ってご用意した次第。
・・・いや、いつもならソレくらい思いつきそうなんだけど・・・私はなんだか気がついたらベッドで寝ていて、色々前日の記憶があやふや。そのあやふやな夜に色々サンクレッドにしてもらったアレでソレな感が残っており・・・
朝起きて、ものすごい慌ててしまったのだ。こんな手土産一つも思いつかない程度に。
というわけで、サンクレッド考案の手土産をご用意してバルデシオン分館まで戻ってきたという次第。
「申し訳有りませんでした!!」
「んもー。・・・・ビスマルクのケーキとか久々で凄いお土産じゃない・・・・」
怒り続けるのが苦しくなる!とプンスカ起こりつつも「次はこれじゃ懐柔されないんだから!!」
といいながらもケーキの箱を嬉しそうに抱えるアリゼーをみて
『『セーフ。』』
一瞬、サンクレッドと目があった。
心の声は聞こえなかったけれど、同じ単語を思い浮かべていたに違いない。
アリゼーからの雷を受け終えた後、「まだ病み上がりなのだから!」と部屋に追いやられた私は、家から持ってきた私服や雑多なもの、リムサで買った小物をカバンから取り出して、片付けた。
しかしあっさりソレも終わると、どうしようかなあ~と少し悩む。
いや考える事はあるのだ。
そう、昨日の夜のこと、とか。
・・・・ケーキからのお酒を接種してしまって、なんか色々凄い恥ずかしい事をサンクレッドにお願いして、なんか凄く嬉しい・・・いや、あの、えっと。
優しく、してもらった事をぼんやり覚えてるのだ。そう。忘れているわけではないのだ。
だから今朝とか顔合わせて一瞬どうしようかと慌てたし、でもサンクレッドが全然全くさっぱり「そんな事はなかった」風味に私に接するものだから。
『--------------------この記憶は、ただの妄想なの・・・?!』
いやソレはそれで、相当YABAI人じゃないですかね私?!となるんだが。
どうしたもんかな・・・・と。
何もしていないと、ソレを考えてしまって、一人部屋の中で顔が熱くなるのだ。
もうどうしよう。つい一日前までこの気持は、外に出しては駄目だと必死に押さえていたのに。
サンクレッドの腕の中で、伝えた気持ちは嘘ではないのだから。
「ぅー・・・・」
ほんとにこの記憶はどうしよう。ああ。恥ずかしい。
でも凄く・・・・素敵だったのだ。
あのサンクレッドが凄い優しく、ものすごく大切なものの様に(ry
「・・・・これ以上はだめ。」
両手を頬に当てる。完全に熱い。コレは人様に見せられない。
アーウーと言葉にもならないつぶやきをしつつ、ベッドの縁に腰掛けた。
と、その時。
「今いいか?」
「あ、うん。いいよ。開いてる」
ノックと共に外から聞こえる声は先程から頭の中を占める人、ご本人。
少し慌てながら答えると、フラリと部屋へやってきた。
・・・・あ、だめ。顔がまた熱くなってる。
「・・・どうした?熱でも上がってるのか?」
「いやえっと、違うの・・・あの」
「寝たほうがいいんじゃないか」
言いながら、腰掛ける私の目線に合わせるように屈んで、額をコツリと合わせた。
サンクレッドの端正な顔が目の前にあって、私は更に熱い頬がもっと上がるような気配がした。
「熱いぞ?」
「違うんだってば・・・!」
正直真っ直ぐなその目線はとても心配そうな・・・と同時にちょっとキラキラしている風味に見える。
貴方、楽しんでるでしょ?
「…サンクレッドが楽しんでる。」
「そんなことはないが?」
「が?」
「いや。お前が可愛いから困る。」
「!!」
二の句も出せずに顔が真っ赤になるのが解る。ああもう、この人は・・・!
ふい、と横を向いて重ねた額を外そうとすると、強い手が頬に添えられた。
「からかって悪かった。」
けど、とその後に続いた言葉は更に私の心臓には悪かったんだけど。
「お詫びと言っては何だが・・・昨日の夜何をしたのか、もう一度してやろうか?」
「っそれ・・・」
「気になって仕方がないんだろ?」
「う、ん。」
「じゃあ教えてやらないとな。」
額から離れていく顔を仰ぎ見ている間に、私の身体は軽くサンクレッドに抱えられ彼の膝の上に横抱きにされたわけで--------------------
「サンクレッド?!」
「教えてやるって言っただろ?」
うろ覚えだった記憶の中身は鮮明に。色鮮やかに蘇ったのだった。
もう一度、サンクレッドの腕の中で。
「ま、まあまあアリゼー落ち着いて・・・」
「なんであんたはそんな落ち着いてられるのよ!!!」
コレが落ち着いてられる?!!
眼の前で烈火の如くお怒りなのは、アリゼーである。(そしてなだめているのはアルフィノ)
当然ながら理由は、無断でシャーレアンから自宅へ戻った私と、追いかけていった(とウリエンジェから聞いていた)はずのサンクレッドが即時連れ戻してこなかったからだ。
「ごめんなさい」
「すまん」
これはもう、怒りが収まるまではきっちり謝るしか無い。
という腹をくくって帰ってきたので、今回は素直にゴメンナサイを態度で示す。
「元気になったらビスマルクのご飯が久々に食べたくて・・・リムサまで行ってきちゃったの。」
「流石にまずいかと思ったけどまあ、飯くって帰るだけの1泊2日ならいいかなと俺も思っちまってな」
「だから、あの、お詫びも兼ねてビスマルクのケーキいくつかお土産に買ってきたから・・・!」
今回ばかりはサンクレッドも率先して反省の弁を申し出てくれた。また、「せめて手土産持って帰ったほうがいい」という意見も出してくれた。ので、ここは人生の先輩に従ってご用意した次第。
・・・いや、いつもならソレくらい思いつきそうなんだけど・・・私はなんだか気がついたらベッドで寝ていて、色々前日の記憶があやふや。そのあやふやな夜に色々サンクレッドにしてもらったアレでソレな感が残っており・・・
朝起きて、ものすごい慌ててしまったのだ。こんな手土産一つも思いつかない程度に。
というわけで、サンクレッド考案の手土産をご用意してバルデシオン分館まで戻ってきたという次第。
「申し訳有りませんでした!!」
「んもー。・・・・ビスマルクのケーキとか久々で凄いお土産じゃない・・・・」
怒り続けるのが苦しくなる!とプンスカ起こりつつも「次はこれじゃ懐柔されないんだから!!」
といいながらもケーキの箱を嬉しそうに抱えるアリゼーをみて
『『セーフ。』』
一瞬、サンクレッドと目があった。
心の声は聞こえなかったけれど、同じ単語を思い浮かべていたに違いない。
アリゼーからの雷を受け終えた後、「まだ病み上がりなのだから!」と部屋に追いやられた私は、家から持ってきた私服や雑多なもの、リムサで買った小物をカバンから取り出して、片付けた。
しかしあっさりソレも終わると、どうしようかなあ~と少し悩む。
いや考える事はあるのだ。
そう、昨日の夜のこと、とか。
・・・・ケーキからのお酒を接種してしまって、なんか色々凄い恥ずかしい事をサンクレッドにお願いして、なんか凄く嬉しい・・・いや、あの、えっと。
優しく、してもらった事をぼんやり覚えてるのだ。そう。忘れているわけではないのだ。
だから今朝とか顔合わせて一瞬どうしようかと慌てたし、でもサンクレッドが全然全くさっぱり「そんな事はなかった」風味に私に接するものだから。
『--------------------この記憶は、ただの妄想なの・・・?!』
いやソレはそれで、相当YABAI人じゃないですかね私?!となるんだが。
どうしたもんかな・・・・と。
何もしていないと、ソレを考えてしまって、一人部屋の中で顔が熱くなるのだ。
もうどうしよう。つい一日前までこの気持は、外に出しては駄目だと必死に押さえていたのに。
サンクレッドの腕の中で、伝えた気持ちは嘘ではないのだから。
「ぅー・・・・」
ほんとにこの記憶はどうしよう。ああ。恥ずかしい。
でも凄く・・・・素敵だったのだ。
あのサンクレッドが凄い優しく、ものすごく大切なものの様に(ry
「・・・・これ以上はだめ。」
両手を頬に当てる。完全に熱い。コレは人様に見せられない。
アーウーと言葉にもならないつぶやきをしつつ、ベッドの縁に腰掛けた。
と、その時。
「今いいか?」
「あ、うん。いいよ。開いてる」
ノックと共に外から聞こえる声は先程から頭の中を占める人、ご本人。
少し慌てながら答えると、フラリと部屋へやってきた。
・・・・あ、だめ。顔がまた熱くなってる。
「・・・どうした?熱でも上がってるのか?」
「いやえっと、違うの・・・あの」
「寝たほうがいいんじゃないか」
言いながら、腰掛ける私の目線に合わせるように屈んで、額をコツリと合わせた。
サンクレッドの端正な顔が目の前にあって、私は更に熱い頬がもっと上がるような気配がした。
「熱いぞ?」
「違うんだってば・・・!」
正直真っ直ぐなその目線はとても心配そうな・・・と同時にちょっとキラキラしている風味に見える。
貴方、楽しんでるでしょ?
「…サンクレッドが楽しんでる。」
「そんなことはないが?」
「が?」
「いや。お前が可愛いから困る。」
「!!」
二の句も出せずに顔が真っ赤になるのが解る。ああもう、この人は・・・!
ふい、と横を向いて重ねた額を外そうとすると、強い手が頬に添えられた。
「からかって悪かった。」
けど、とその後に続いた言葉は更に私の心臓には悪かったんだけど。
「お詫びと言っては何だが・・・昨日の夜何をしたのか、もう一度してやろうか?」
「っそれ・・・」
「気になって仕方がないんだろ?」
「う、ん。」
「じゃあ教えてやらないとな。」
額から離れていく顔を仰ぎ見ている間に、私の身体は軽くサンクレッドに抱えられ彼の膝の上に横抱きにされたわけで--------------------
「サンクレッド?!」
「教えてやるって言っただろ?」
うろ覚えだった記憶の中身は鮮明に。色鮮やかに蘇ったのだった。
もう一度、サンクレッドの腕の中で。
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