いつのまにか晴れ。1.75
私の家は、寝室とシャワールームとクローゼットは地下にある。
とくに寝室のベッドは天蓋付きで、お気に入りだ。
宿屋のベッドよりふかふかだし広いしー・・・
だからなるべく、なにもない時は家に帰って眠りたいと思ってた。
思ってたんだけど。
「ん・・・」
サンクレッドから寄せられる優しい口吻を確か、1Fのソファーで受けたと思うのだ。
・・・今はすでにベッドの上なのだが。
ビスマルクのご飯は大変美味しかった。
同じくデザートに買ったケーキも美味しかった。
問題はケーキに少しだけ酒の成分があった、ということ。
「コレハマズイカモシレナイ」
「おい、大丈夫か?!」
私は暫く療養のために酒類は一切禁止の生活をしてきた。いや普通の話なのだけれど。
なので元々そこまで強くなかったのが余計に酔いやすくなってしまったのか、なんなのか。
たかがケーキ、されどケーキ。
若干含まれていたソレのお陰で私はイイカンジの酔っぱらいになってしまった。
ただ、今までは酔っ払ったとしてもこれと言って問題は起こしたことがなかった。
気持ち悪くなるわけでもなく、泣き上戸になったこともない。
少し顔が赤くなって、少し陽気になる程度?と、自覚していたのだが、どうもソレだけではなかったらしい。
「サンクレッド」
「ん。何だ?」
「こっちきて」
「! どうした?」
「ん」
ローテーブルを挟んで座っていたサンクレッドを見て、私はふわりと笑いながらお願いを口にした。
こっちに来て。
そして座る位置を変えて、私を背後から抱きしめてくれたサンクレッドを振り返って
心に浮かんだ侭を言葉にした。
「キスして?」
腕の中の愛しい人がそんな殺し文句言うと思うか?普通。普段と違いすぎるだろお前・・・!
サンクレッドの心は吹きすさぶ嵐だった。まさかの酔っぱらいになった途端こんな。
可愛い具合が2000倍くらいになるとか想定外。
正直こんなん言われて何もしないなんてことは出来ない、それが男サンクレッドである。
とはいえ、今日(そうだよ今日なんだよ)気持ちを知って、やっと念願かなって「そういう関係」になれたというのに。ここで酒の力に屈していいのか?
いや良くない。
・・・・・・・・・・というわけで、妥協案。
「キスだけだぞ?」
「ん。」
触れるだけ。軽くちゅ、ちゅと音を立てて口吻る。
おでこに、瞼に、頬に、唇に。
慈しむ様に愛しい人へ、降り注ぐ。好きだ、という言葉を乗せて。
膝の上に抱き上げてそんな柔らかいキスを繰り返す。
すると嬉しそうに首へ腕を回して抱きついてくる。ああなんという可愛らしい痴態。
・・・・サンクレッドの理性はギリギリを保っている。
然しこれは流石にもうまずいかな、と既に眠そうな目をしている彼女に【ベッドはどこか】とお伺いをたてた。
けっして、アレしてソレするためではない。絶対に。
「階段の・・・下で・・・」
「ああ、分かった。」
そのまま抱き上げて、階下の目的地まで連れて行く。
大事な、大事なお姫様を。
・・・その大事なお姫様は移動中もキスをせがんでいるけれど。
そろりそろりと、ぼんやり灯るフットライトを目印に、目的のベッドまでたどり着く。
ゆっくり彼女にキスをしつつ、ベッドに降ろして。
先ほどと同じように優しい、触れるだけのキスを落として、から
「 ・・・お休み。」
「んー・・・」
流石にこれ以上はまずい。本気でまずい。
足元のベッドカバーを引き上げ、最後に額に小さくキスを落としてサンクレッドは来た道をそろりそろりと戻った。
階上にいる限りは問題ない・・・よな・・・?
とは言え今日は寝られないなあ、なんて自分の身体の熱さを持て余しながら
夜は更けていくのでした。
とくに寝室のベッドは天蓋付きで、お気に入りだ。
宿屋のベッドよりふかふかだし広いしー・・・
だからなるべく、なにもない時は家に帰って眠りたいと思ってた。
思ってたんだけど。
「ん・・・」
サンクレッドから寄せられる優しい口吻を確か、1Fのソファーで受けたと思うのだ。
・・・今はすでにベッドの上なのだが。
ビスマルクのご飯は大変美味しかった。
同じくデザートに買ったケーキも美味しかった。
問題はケーキに少しだけ酒の成分があった、ということ。
「コレハマズイカモシレナイ」
「おい、大丈夫か?!」
私は暫く療養のために酒類は一切禁止の生活をしてきた。いや普通の話なのだけれど。
なので元々そこまで強くなかったのが余計に酔いやすくなってしまったのか、なんなのか。
たかがケーキ、されどケーキ。
若干含まれていたソレのお陰で私はイイカンジの酔っぱらいになってしまった。
ただ、今までは酔っ払ったとしてもこれと言って問題は起こしたことがなかった。
気持ち悪くなるわけでもなく、泣き上戸になったこともない。
少し顔が赤くなって、少し陽気になる程度?と、自覚していたのだが、どうもソレだけではなかったらしい。
「サンクレッド」
「ん。何だ?」
「こっちきて」
「! どうした?」
「ん」
ローテーブルを挟んで座っていたサンクレッドを見て、私はふわりと笑いながらお願いを口にした。
こっちに来て。
そして座る位置を変えて、私を背後から抱きしめてくれたサンクレッドを振り返って
心に浮かんだ侭を言葉にした。
「キスして?」
腕の中の愛しい人がそんな殺し文句言うと思うか?普通。普段と違いすぎるだろお前・・・!
サンクレッドの心は吹きすさぶ嵐だった。まさかの酔っぱらいになった途端こんな。
可愛い具合が2000倍くらいになるとか想定外。
正直こんなん言われて何もしないなんてことは出来ない、それが男サンクレッドである。
とはいえ、今日(そうだよ今日なんだよ)気持ちを知って、やっと念願かなって「そういう関係」になれたというのに。ここで酒の力に屈していいのか?
いや良くない。
・・・・・・・・・・というわけで、妥協案。
「キスだけだぞ?」
「ん。」
触れるだけ。軽くちゅ、ちゅと音を立てて口吻る。
おでこに、瞼に、頬に、唇に。
慈しむ様に愛しい人へ、降り注ぐ。好きだ、という言葉を乗せて。
膝の上に抱き上げてそんな柔らかいキスを繰り返す。
すると嬉しそうに首へ腕を回して抱きついてくる。ああなんという可愛らしい痴態。
・・・・サンクレッドの理性はギリギリを保っている。
然しこれは流石にもうまずいかな、と既に眠そうな目をしている彼女に【ベッドはどこか】とお伺いをたてた。
けっして、アレしてソレするためではない。絶対に。
「階段の・・・下で・・・」
「ああ、分かった。」
そのまま抱き上げて、階下の目的地まで連れて行く。
大事な、大事なお姫様を。
・・・その大事なお姫様は移動中もキスをせがんでいるけれど。
そろりそろりと、ぼんやり灯るフットライトを目印に、目的のベッドまでたどり着く。
ゆっくり彼女にキスをしつつ、ベッドに降ろして。
先ほどと同じように優しい、触れるだけのキスを落として、から
「 ・・・お休み。」
「んー・・・」
流石にこれ以上はまずい。本気でまずい。
足元のベッドカバーを引き上げ、最後に額に小さくキスを落としてサンクレッドは来た道をそろりそろりと戻った。
階上にいる限りは問題ない・・・よな・・・?
とは言え今日は寝られないなあ、なんて自分の身体の熱さを持て余しながら
夜は更けていくのでした。
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