いつのまにか晴れ。1.5

「へぇ・・・ここが住処?」
「どうぞー。ほんとに寝るためだけの家だから、ごめん。適当に座って?」

雨のコスタ・デル・ソルからそのまま、行こうと思っていた自宅へサンクレッドを招待する事になった。
正直アレでソレな話をした直後に自分ちに?か、彼氏を呼ぶ??とかいうのは果たしていいのか悪いのか。
いや、でも。ね? 雨で濡れたままとか困るじゃん。
・・・と、いう言い訳を心のなかでぐるぐるしながら、家に戻ってきた。
ちなみに完全に例の天の果てへ行くだいぶ前から戻っていなかったので、家には「何も食べるものがない」ということは分かりきっていたので、途中リムサのビスマルクでテイクアウトの品々を調達してきている。
食べねば体力も戻らないし、ビスマルクのケーキは絶品ですし!

「コレ使ってくれる?サンクレッドも少し濡れたよね。」
「ああ、悪い。サンキュ」

荷物持ちをかって出てくれたサンクレッドから色々荷物を受け取りつつ、逆に上着を脱いでかけてもらうためのハンガーを差し出し、戸口へかけてもらってから大判のタオルを渡した。
此方も、上着をいつものハンガーへかけて少し濡れた髪をタオルで叩く。
ついでにお茶でもいれるかなーと小さなキッチンへ足を向けながら、「お茶でいいかな?大したのなくて」とお客様にお伺いした。
すると思いの外、近くから声がして。

「俺は別になんでもいい。お前より長く外にはいなかったからな。お前は暖かいもの飲まないと」
「あ、うん。そうだね」
「でも」
「?」
「こんな格好見せられると離したくなくなるな。」
「へぁ?!」

渡した大判のタオルで髪を乱雑に拭いたらしいサンクレッドはいつもと違って少し・・・色っぽく見えて、ふと顔に熱が集まるのがわかる。でもサンクレットはそんな私の腕を引き寄せ、腕の中に閉じ込めた。
頬に寄せられる口づけに、つい片目をつぶる。なに、影響されてるの私。

「サンクレッド!?」
「お前わかってないだろ。透けてるぞ」
「っ!!!」

忘れてた。すっかり忘れてた。
上着が薄手だったから下のシャツまで少しだけ水分がまとわりついていた。
シャツの色が白だったものだからー

「俺が脱がせていいのならいくらでもするけd」
「違います違いますゴメンナサイきがえてきますからああああああ!」

バタバタと着替えるために階段へ走った私に遠くからサンクレッドは笑いながら

「お茶、勝手に入れとくからな!」

とか申されていて、なんていうか超絶恥ずかしかった。
サンクレッドめ!!!

着替えた後でビスマルクのご飯とデザートは美味しくいただきましたけど。
暫く私の顔は赤いままでした。はい。
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