彼の隣は予約要らず。
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本来なら遊園地で仕事をしているはずの時間帯、〇〇は走っていた。
約束の時間はきちんと守る、それが一般常識でありマナーである。
自分が雇われる立場の労働者ならばなおさらのことで、さらに言えば、〇〇は余裕を持って行動するのが常であった。
ある役持ちのせいで予定が大幅に遅れてしまった。
息せき切って仕事場に到着したものの、過ぎた時間を取り戻せるはずもなく。
あの男を適当にかわせばよかった、と自責の念を胸に、〇〇は雇い主であるオーナーに頭を下げた。
「ごめん…ゴーランド」
「遅れたのはあんたのせいじゃない。ま、気にすんなって」
事情を聞いたゴーランドは、おおらかに笑って〇〇の肩を叩いた。この懐の広さ、足止めをした彼に見習わせたい。
「遅れた分はちゃんと働くから」
「少しくらい遅れたってどうってことねえよ」
「だったら、働かなかった分を給料から引いといて」
頑なに言う〇〇に、ゴーランドはしかたないとばかりに両手を上げた。
降参、とも取れるし、呆れにも見える仕草。その表情は柔らかく、苦笑じみた微笑を唇に乗せた。
「わかったわかった。…ったく、ラッキーだと思って頷いときゃいいのに。律儀だな、あんた」
「普段からよくしてもらってるのに、甘えてばっかりじゃ悪いだろ」
給料が減って生活に困るのなら、素直に好意を受け取ったかもしれないが。
ただでさえ好条件、好待遇で雇われているのだ。余所者の特典か、はたまた自分の人柄か。まあ前者である可能性が高い。
ともかく、人のいいオーナーに優待してもらうのは気が咎めた。
ゴーランドは顎に手を当て、なにかを考えているふうだった。
じっと見つめられ、こちらも視線を返す。と、彼はにやっと口の端を上げ、〇〇の頭にぽんと手のひらを置いた。
「よしっ、こうしようぜ!」
覗き込むように身を屈め、眼鏡越しの瞳が悪戯っぽく笑いかけた。
「減給も仕事の追加もなしにする。その代わり、俺と遊園地デートだ」
「……。なんでそうなる?」
約束の時間はきちんと守る、それが一般常識でありマナーである。
自分が雇われる立場の労働者ならばなおさらのことで、さらに言えば、〇〇は余裕を持って行動するのが常であった。
ある役持ちのせいで予定が大幅に遅れてしまった。
息せき切って仕事場に到着したものの、過ぎた時間を取り戻せるはずもなく。
あの男を適当にかわせばよかった、と自責の念を胸に、〇〇は雇い主であるオーナーに頭を下げた。
「ごめん…ゴーランド」
「遅れたのはあんたのせいじゃない。ま、気にすんなって」
事情を聞いたゴーランドは、おおらかに笑って〇〇の肩を叩いた。この懐の広さ、足止めをした彼に見習わせたい。
「遅れた分はちゃんと働くから」
「少しくらい遅れたってどうってことねえよ」
「だったら、働かなかった分を給料から引いといて」
頑なに言う〇〇に、ゴーランドはしかたないとばかりに両手を上げた。
降参、とも取れるし、呆れにも見える仕草。その表情は柔らかく、苦笑じみた微笑を唇に乗せた。
「わかったわかった。…ったく、ラッキーだと思って頷いときゃいいのに。律儀だな、あんた」
「普段からよくしてもらってるのに、甘えてばっかりじゃ悪いだろ」
給料が減って生活に困るのなら、素直に好意を受け取ったかもしれないが。
ただでさえ好条件、好待遇で雇われているのだ。余所者の特典か、はたまた自分の人柄か。まあ前者である可能性が高い。
ともかく、人のいいオーナーに優待してもらうのは気が咎めた。
ゴーランドは顎に手を当て、なにかを考えているふうだった。
じっと見つめられ、こちらも視線を返す。と、彼はにやっと口の端を上げ、〇〇の頭にぽんと手のひらを置いた。
「よしっ、こうしようぜ!」
覗き込むように身を屈め、眼鏡越しの瞳が悪戯っぽく笑いかけた。
「減給も仕事の追加もなしにする。その代わり、俺と遊園地デートだ」
「……。なんでそうなる?」