熱の発露を誘うのは、いつも。
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ペーター=ホワイトは過去の自分を撃ち殺した。
何故こんなことになったのかと思うたび、何度も何度も――脳内で。
偶然通りかかったあのとき、そのまま通り過ぎてしまえばよかったのだ。なのに、どうして歩みを止めた。どうして目を留めてしまった。
気づかなければ、いや気づいても立ち止まらずに進めばよかったものを。
「ペーター、ちょっと待ってってば」
後ろについてくる声が、さらにペーターを苛立たせる。
足早に先を行く自分への抗議はこれで何度目か。いつになく“女”に聞こえるそれが、いい加減鬱陶しくなってきた。
ぴたりと足を止めたペーターの背に、後ろを歩いていたものが勢いよくぶつかった。
柔らかな衝撃は背筋に震えのような感覚をもたらしたが、ペーターはそれを嫌悪による悪寒だと判断した。
「っ……触らないでください。雑菌が移る!」
「あ、ごめん」
振り返りざま時計を銃に変えて突きつけると、余所者は謝って素早く距離をとった。
その慣れた動作を見て、さらに苛立ちが湧く。こんな余所者の一挙一動に振り回されているようで、そんな自分が煩わしい。
(だいたい、これにメイド服を着せて喜ぶなんて…酔狂だ)
ペーターはあらためて〇〇の全身を品定めし、きつく眉間に皺を寄せた。
確かに使用人程度の価値しかないこの余所者には、お誂え向きの服だろう。
だが、見慣れないはずの姿があまりにも違和感のない仕上がりになっている。かえって不愉快だ。
「……」
「ペーター?」
腰に手を当てて、首を傾げる〇〇。自分には似合わないと散々言いながらも、開き直って堂々としているではないか。
いまだかつて、スカートを着用しながらこんなにも両足を開いて立つメイドを、ペーターは見たことがない。
程よく肉のついた脚は日に焼けない白さを晒し、挑発的に男を招く。
役なしの兵士が息を呑んで目を向けていたことなど、この女が気づくはずもない。
(恥知らず。むやみに挑発して、そのくせ無自覚なんて本当に手に負えない…)
食めばきっと鮮やかに赤が咲く、その白い肌。
ペーターは無理矢理視線を引き上げ、のんきな顔をしている〇〇を睨みつけた。
「アリスを呼びに行くのは僕一人で十分です。あなたはとっとと好きなところに行けばいいでしょう」
さあ、今度は誰に媚びを売りに行くつもりだ――。ペーターは引き金を引きそうになる指を意志で制し、銃を時計に戻した。
アリスのためを思えば、この余所者を不用意に消すことはできない。
「えー…それは困る。あたしが手ぶらで帰ったら、ビバルディの機嫌が悪くなるって」
そんなこと、僕の知ったことか。
「それに、アリスを好きなのはアナタだけじゃないんだよ?」
ペーターは踵を返しかけた足を、止めた。ああ、まただ、と。
腹の底からぐらぐらと煮立つものが込み上げる。怒りか、憎しみか、焦燥か、嫉妬……か?
(好き、好き、好きと……そうも簡単に口にして……)
顔なしのメイドに女王陛下、極めつけはそうだ、僕のアリスには常に好意を惜しみなく与えて…!下品で尻軽の、なんて安い女。
自分とて簡単にアリスに愛を告げることを棚に上げ、ペーターは心の内で罵った。当然、〇〇に伝わるわけがない。
「あたしだってアリスのこと、好きなの。だから独り占めするなら、あたしの見てるところでさあ…」
好き、好き、好き。その対象はいつも、
「っ、僕にはそんなこと……!」
――自分以外の誰か、なんて吐き気がする。
何故こんなことになったのかと思うたび、何度も何度も――脳内で。
偶然通りかかったあのとき、そのまま通り過ぎてしまえばよかったのだ。なのに、どうして歩みを止めた。どうして目を留めてしまった。
気づかなければ、いや気づいても立ち止まらずに進めばよかったものを。
「ペーター、ちょっと待ってってば」
後ろについてくる声が、さらにペーターを苛立たせる。
足早に先を行く自分への抗議はこれで何度目か。いつになく“女”に聞こえるそれが、いい加減鬱陶しくなってきた。
ぴたりと足を止めたペーターの背に、後ろを歩いていたものが勢いよくぶつかった。
柔らかな衝撃は背筋に震えのような感覚をもたらしたが、ペーターはそれを嫌悪による悪寒だと判断した。
「っ……触らないでください。雑菌が移る!」
「あ、ごめん」
振り返りざま時計を銃に変えて突きつけると、余所者は謝って素早く距離をとった。
その慣れた動作を見て、さらに苛立ちが湧く。こんな余所者の一挙一動に振り回されているようで、そんな自分が煩わしい。
(だいたい、これにメイド服を着せて喜ぶなんて…酔狂だ)
ペーターはあらためて〇〇の全身を品定めし、きつく眉間に皺を寄せた。
確かに使用人程度の価値しかないこの余所者には、お誂え向きの服だろう。
だが、見慣れないはずの姿があまりにも違和感のない仕上がりになっている。かえって不愉快だ。
「……」
「ペーター?」
腰に手を当てて、首を傾げる〇〇。自分には似合わないと散々言いながらも、開き直って堂々としているではないか。
いまだかつて、スカートを着用しながらこんなにも両足を開いて立つメイドを、ペーターは見たことがない。
程よく肉のついた脚は日に焼けない白さを晒し、挑発的に男を招く。
役なしの兵士が息を呑んで目を向けていたことなど、この女が気づくはずもない。
(恥知らず。むやみに挑発して、そのくせ無自覚なんて本当に手に負えない…)
食めばきっと鮮やかに赤が咲く、その白い肌。
ペーターは無理矢理視線を引き上げ、のんきな顔をしている〇〇を睨みつけた。
「アリスを呼びに行くのは僕一人で十分です。あなたはとっとと好きなところに行けばいいでしょう」
さあ、今度は誰に媚びを売りに行くつもりだ――。ペーターは引き金を引きそうになる指を意志で制し、銃を時計に戻した。
アリスのためを思えば、この余所者を不用意に消すことはできない。
「えー…それは困る。あたしが手ぶらで帰ったら、ビバルディの機嫌が悪くなるって」
そんなこと、僕の知ったことか。
「それに、アリスを好きなのはアナタだけじゃないんだよ?」
ペーターは踵を返しかけた足を、止めた。ああ、まただ、と。
腹の底からぐらぐらと煮立つものが込み上げる。怒りか、憎しみか、焦燥か、嫉妬……か?
(好き、好き、好きと……そうも簡単に口にして……)
顔なしのメイドに女王陛下、極めつけはそうだ、僕のアリスには常に好意を惜しみなく与えて…!下品で尻軽の、なんて安い女。
自分とて簡単にアリスに愛を告げることを棚に上げ、ペーターは心の内で罵った。当然、〇〇に伝わるわけがない。
「あたしだってアリスのこと、好きなの。だから独り占めするなら、あたしの見てるところでさあ…」
好き、好き、好き。その対象はいつも、
「っ、僕にはそんなこと……!」
――自分以外の誰か、なんて吐き気がする。