毒を発散する人、蓄積する人。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「――こんなところで焚き火をするなんて、いったいどこの馬鹿の仕業ですか」
テントの中は見かけによらず結構広い。寛ぎモードで足を伸ばし、だらだらと雑談していると、外で聞き覚えのある声がした。
コートを脱いで同じく寛いでいたエースが、テントの中から顔を覗かせる。
「あっ、ペーターさん」
「……ええ、そうでしょうとも。こんな馬鹿げたことをしようと思いつくのは君くらいのものでしょうね」
納得しつつ冷ややかに述べる声は、確かにペーター=ホワイトのそれだった。
〇〇は伸ばしていた足を畳むと、前方に手をつき、俯せに身体を伸ばした。ちょうどエースの隣、テントの入口に頭を出す形になる。
ひょっこりと顔を覗かせた〇〇は、そこに立つ城の宰相の姿を認めた。
「あれ。本当にペーターだ」
まさかもう一人現れるとは思っていなかったらしい。不意を突かれたように、ペーターは驚きの表情を露にした。
かと思うと、じろりと傍らの騎士に睨みを向ける。
「……何故それがそこにいるのか、説明してもらいましょうか」
「〇〇がどこにいようと、ペーターさんには関係ないことだと思うけどなー」
エースはにこにこと笑い、殊更〇〇に身体を寄せて見せつける。
「俺達の仲に口出しする謂れもないよね?」
「……」
いっそうきつくなった視線が突き刺さる。というか、どうしてあたしが睨まれなければならないんだ。
挑発なのか、からかいなのか。エースが面白がっているのは明白だった。
ペーターも相手にしなければいいのに、珍しく感情の揺れが筒抜けだ。
(そういえば、ペーターはなんでここにいるんだろう…?)
情報に従うなら、彼は自室でアリスと一緒にいるはずだ。ガセか、と〇〇は軽く舌打ちをしたい気分になった。
ゲームの世界とはいえ、不定期に発生するイベントが〇〇を待ってくれるなどという都合のよさはない。
自力で探し出して立ち会わなければならないのは不親切。まあ、同時に面白くもあるのだが。
役持ちが二人も揃っていながら、肝心のヒロインがいない。アリスの欠如、これは自ら動けという示唆なのではないか。
「だいたいこんな場所でキャンプをするなんて、気でも違ったんですか。ああ失礼、あなたの頭がおかしいのはいつものことでした」
「はははっ、愛を育むのに場所も時間帯も関係ないよ。我慢は身体に毒じゃないか。だから、俺は我慢しない」
噛み合わない言葉を投げ合う二人に、会話を成立させる意思はあるのだろうか。
蚊帳の外に放り出された感のある〇〇の髪に、エースは上体を屈めて口づけた。
落ちてきた感触に、なんだ、と視線を上げる。エースはいつもの笑顔だけを〇〇に返し、声をペーターへと送った。
「ペーターさんは我慢のしすぎで、そのうち全身に毒が回っちゃうんじゃないかなあ…かわいそうに」
そんな調子じゃいつかこの子に殺されちゃうぜ。その軽い口調に、白ウサギは盛大に顔を顰め、余所者は首を傾げた。
テントの中は見かけによらず結構広い。寛ぎモードで足を伸ばし、だらだらと雑談していると、外で聞き覚えのある声がした。
コートを脱いで同じく寛いでいたエースが、テントの中から顔を覗かせる。
「あっ、ペーターさん」
「……ええ、そうでしょうとも。こんな馬鹿げたことをしようと思いつくのは君くらいのものでしょうね」
納得しつつ冷ややかに述べる声は、確かにペーター=ホワイトのそれだった。
〇〇は伸ばしていた足を畳むと、前方に手をつき、俯せに身体を伸ばした。ちょうどエースの隣、テントの入口に頭を出す形になる。
ひょっこりと顔を覗かせた〇〇は、そこに立つ城の宰相の姿を認めた。
「あれ。本当にペーターだ」
まさかもう一人現れるとは思っていなかったらしい。不意を突かれたように、ペーターは驚きの表情を露にした。
かと思うと、じろりと傍らの騎士に睨みを向ける。
「……何故それがそこにいるのか、説明してもらいましょうか」
「〇〇がどこにいようと、ペーターさんには関係ないことだと思うけどなー」
エースはにこにこと笑い、殊更〇〇に身体を寄せて見せつける。
「俺達の仲に口出しする謂れもないよね?」
「……」
いっそうきつくなった視線が突き刺さる。というか、どうしてあたしが睨まれなければならないんだ。
挑発なのか、からかいなのか。エースが面白がっているのは明白だった。
ペーターも相手にしなければいいのに、珍しく感情の揺れが筒抜けだ。
(そういえば、ペーターはなんでここにいるんだろう…?)
情報に従うなら、彼は自室でアリスと一緒にいるはずだ。ガセか、と〇〇は軽く舌打ちをしたい気分になった。
ゲームの世界とはいえ、不定期に発生するイベントが〇〇を待ってくれるなどという都合のよさはない。
自力で探し出して立ち会わなければならないのは不親切。まあ、同時に面白くもあるのだが。
役持ちが二人も揃っていながら、肝心のヒロインがいない。アリスの欠如、これは自ら動けという示唆なのではないか。
「だいたいこんな場所でキャンプをするなんて、気でも違ったんですか。ああ失礼、あなたの頭がおかしいのはいつものことでした」
「はははっ、愛を育むのに場所も時間帯も関係ないよ。我慢は身体に毒じゃないか。だから、俺は我慢しない」
噛み合わない言葉を投げ合う二人に、会話を成立させる意思はあるのだろうか。
蚊帳の外に放り出された感のある〇〇の髪に、エースは上体を屈めて口づけた。
落ちてきた感触に、なんだ、と視線を上げる。エースはいつもの笑顔だけを〇〇に返し、声をペーターへと送った。
「ペーターさんは我慢のしすぎで、そのうち全身に毒が回っちゃうんじゃないかなあ…かわいそうに」
そんな調子じゃいつかこの子に殺されちゃうぜ。その軽い口調に、白ウサギは盛大に顔を顰め、余所者は首を傾げた。