手折られぬ君を翻弄。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
アルコールの入った二人を、妙な甘さの漂う空気が包む。たまらないのは素面の帽子屋だろう。
苛立ちを露に一瞬殺気立ったブラッドだが、すぐさまいつもの余裕を取り戻した。
「居場所、か。面白い。〇〇が積極的にあのような陰気な場所を選ぶとは、私には到底思えないがね」
「なんだと?」
穏やかに喧嘩を売るブラッドに、ユリウスが眉を跳ね上げた。
「時計塔を滞在場所に選んだのには、なにか理由あってのことだろう。少なくとも、時計屋(君自身)を選んだわけではなさそうだ」
ユリウスを挑発すると、今度はその目を〇〇に向けた。
「余所者が滞在地を変更してはいけないルールがあるわけでもない。どうだ、今一度考え直してみては?」
「えーと……」
いつの間にこんな話題になったんだ。
会話についていけなくなる〇〇をよそに、ブラッドはさらに口説きを重ねる。
「私の屋敷なら、安い酒に悪酔いすることもないぞ?君のためにとびきりのヴィンテージを用意しよう」
「あの、」
「まずはその酔いを覚ますことが先決…いや、そのままでも構わない。ただし万が一にもその男と間違いがあっては困るからな、今から屋敷へおいで」
(……いつの間にかブラッドんちに行くことになってますけど)
ただでさえ弁の立つブラッドを前にして、こちらは人数では勝っても酒が入っている。
正直言って、〇〇に滞在地を移る意志はない。都合のいい中立地帯から引き離されては困るのだ。
どうやって話の流れを変えるか――と、鈍い頭の回転に鞭を打ったとき。
「黙って聞いていれば、好き勝手なことを…」
背後のユリウスがゆらりと揺れた。
〇〇は咄嗟に身体を反転させて、傾く長身を受け止めた。が、重い。重い重い重い!
「ユリ、ウス…!ちょっ、倒れ…」
もろともに倒れる、と思った〇〇の背は、忽然と現れた壁に当たった。しっかりと両肩を握り支えるのはブラッドだった。
「あ、ありが…」
「大胆なのは酒のせいなのか…それとも酒の“おかげ”か?」
〇〇の礼を遮って、またしてもユリウスに嫌みっぽく声を向ける。
肩の手を離すことなく、近すぎるほど〇〇に身を寄せるブラッド。対するユリウスは伏せていた顔を上げたが、その目は完全に据わっていた。
警笛、警鐘、この際なんでもいい。〇〇はあれと首を傾げた。
やばいんじゃないか、これ。どこかで見なかったか、この構図。
(いやいやいや、まさか。あれはあの、夢だし?そんなはずは――)
俄かに混乱する〇〇は、すでに恐るべき事態に見舞われていた。
もたれかかっていたはずのユリウスが、自力で身体を支え、かといって離れるでもなく。
両手で〇〇の顔を挟み込むと、熱っぽい眼差しを注いできた。
「大胆だの酒の力だの、どうでもいい。そうだろう、〇〇…?」
「ユ、ユリウス?」
「どういうわけか、気分がいい。今なら遊園地のジェットコースターにだって付き合ってやれそうだ」
微笑みさえ浮かべるユリウスに、〇〇のほうが青くなる。やめような、リバース確実だから。
ブラッドはするりと腰を抱き、襟足に吐息を落とす。〇〇の背に悪寒が突き抜けた。
「ひっ…」
「遊園地など色気がない。お嬢さんはもっと違った刺激がほしいだろう?」
ぴちゃ、とうなじで水音が跳ねる。双丘を目指して這いのぼる手のひらに、ぐわっと頬に熱が上がった。
(って、違うだろ!なんで赤くなるかなあたし!?)
身体が精神と逆行している。あれか、これが酒の威力か。
近づくユリウスの端整な顔を押しのける、こともなく、うっとりと眺めてしまうなんて。
優しい口づけが額に、目蓋に、鼻に落ちる。口に触れたかと思うと、熱いぬめりが上唇と下唇の境を彷徨った。
「ふ……っ」
「開けてくれ。もっと奥に触れたいんだ」
甘い囁きに身体の芯がふるりと震えた。誰だおまえと誰何するなら、自分自身にまず問うべきだった。
その間にもブラッドは首筋に顔を埋めて、肌を柔らかく食んでくる。
服の裾からまんまと侵入を果たした手は、届く限りの範囲を巧みに撫で摩った。
「ぁ、く……っ」
「正面に気を取られている暇はないぞ?こちらに集中してくれるよう、私も頑張らせてもらおうか」
頑張るな張り合うなブラを押し上げようとするな!――内なる〇〇の叫びは届かない。
〇〇は湿った息を零し、愛撫の舌を手を今にも受け入れようとしていた。
夜とはいえ、公共の道端で、二人の役持ちにサンドされて。
羞恥心すら気持ちよく感じているこの非常識に、目眩がして――。
不意に全身を掬い取られる心地がした後、〇〇を抱きしめる腕が現れた。
ふわりと浮く。現実が遠のいていく。
苛立ちを露に一瞬殺気立ったブラッドだが、すぐさまいつもの余裕を取り戻した。
「居場所、か。面白い。〇〇が積極的にあのような陰気な場所を選ぶとは、私には到底思えないがね」
「なんだと?」
穏やかに喧嘩を売るブラッドに、ユリウスが眉を跳ね上げた。
「時計塔を滞在場所に選んだのには、なにか理由あってのことだろう。少なくとも、時計屋(君自身)を選んだわけではなさそうだ」
ユリウスを挑発すると、今度はその目を〇〇に向けた。
「余所者が滞在地を変更してはいけないルールがあるわけでもない。どうだ、今一度考え直してみては?」
「えーと……」
いつの間にこんな話題になったんだ。
会話についていけなくなる〇〇をよそに、ブラッドはさらに口説きを重ねる。
「私の屋敷なら、安い酒に悪酔いすることもないぞ?君のためにとびきりのヴィンテージを用意しよう」
「あの、」
「まずはその酔いを覚ますことが先決…いや、そのままでも構わない。ただし万が一にもその男と間違いがあっては困るからな、今から屋敷へおいで」
(……いつの間にかブラッドんちに行くことになってますけど)
ただでさえ弁の立つブラッドを前にして、こちらは人数では勝っても酒が入っている。
正直言って、〇〇に滞在地を移る意志はない。都合のいい中立地帯から引き離されては困るのだ。
どうやって話の流れを変えるか――と、鈍い頭の回転に鞭を打ったとき。
「黙って聞いていれば、好き勝手なことを…」
背後のユリウスがゆらりと揺れた。
〇〇は咄嗟に身体を反転させて、傾く長身を受け止めた。が、重い。重い重い重い!
「ユリ、ウス…!ちょっ、倒れ…」
もろともに倒れる、と思った〇〇の背は、忽然と現れた壁に当たった。しっかりと両肩を握り支えるのはブラッドだった。
「あ、ありが…」
「大胆なのは酒のせいなのか…それとも酒の“おかげ”か?」
〇〇の礼を遮って、またしてもユリウスに嫌みっぽく声を向ける。
肩の手を離すことなく、近すぎるほど〇〇に身を寄せるブラッド。対するユリウスは伏せていた顔を上げたが、その目は完全に据わっていた。
警笛、警鐘、この際なんでもいい。〇〇はあれと首を傾げた。
やばいんじゃないか、これ。どこかで見なかったか、この構図。
(いやいやいや、まさか。あれはあの、夢だし?そんなはずは――)
俄かに混乱する〇〇は、すでに恐るべき事態に見舞われていた。
もたれかかっていたはずのユリウスが、自力で身体を支え、かといって離れるでもなく。
両手で〇〇の顔を挟み込むと、熱っぽい眼差しを注いできた。
「大胆だの酒の力だの、どうでもいい。そうだろう、〇〇…?」
「ユ、ユリウス?」
「どういうわけか、気分がいい。今なら遊園地のジェットコースターにだって付き合ってやれそうだ」
微笑みさえ浮かべるユリウスに、〇〇のほうが青くなる。やめような、リバース確実だから。
ブラッドはするりと腰を抱き、襟足に吐息を落とす。〇〇の背に悪寒が突き抜けた。
「ひっ…」
「遊園地など色気がない。お嬢さんはもっと違った刺激がほしいだろう?」
ぴちゃ、とうなじで水音が跳ねる。双丘を目指して這いのぼる手のひらに、ぐわっと頬に熱が上がった。
(って、違うだろ!なんで赤くなるかなあたし!?)
身体が精神と逆行している。あれか、これが酒の威力か。
近づくユリウスの端整な顔を押しのける、こともなく、うっとりと眺めてしまうなんて。
優しい口づけが額に、目蓋に、鼻に落ちる。口に触れたかと思うと、熱いぬめりが上唇と下唇の境を彷徨った。
「ふ……っ」
「開けてくれ。もっと奥に触れたいんだ」
甘い囁きに身体の芯がふるりと震えた。誰だおまえと誰何するなら、自分自身にまず問うべきだった。
その間にもブラッドは首筋に顔を埋めて、肌を柔らかく食んでくる。
服の裾からまんまと侵入を果たした手は、届く限りの範囲を巧みに撫で摩った。
「ぁ、く……っ」
「正面に気を取られている暇はないぞ?こちらに集中してくれるよう、私も頑張らせてもらおうか」
頑張るな張り合うなブラを押し上げようとするな!――内なる〇〇の叫びは届かない。
〇〇は湿った息を零し、愛撫の舌を手を今にも受け入れようとしていた。
夜とはいえ、公共の道端で、二人の役持ちにサンドされて。
羞恥心すら気持ちよく感じているこの非常識に、目眩がして――。
不意に全身を掬い取られる心地がした後、〇〇を抱きしめる腕が現れた。
ふわりと浮く。現実が遠のいていく。