一途な恋の傍らで、愛撫。
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たどり着いた先は、ハートの城で〇〇に与えられた自室だった。
一度だってペーターの部屋で行われたことはない。行きたいだなんて望んでもいないから、それはいいのだが。
(そう…あたしはなにも望んじゃいないんだ)
〇〇が望むと望まざるとにかかわらず、自ずと迎えるだろうアリスのためのエンディング。アリスの幸福は、この世界のほぼ決定事項だ。
〇〇の望みは叶っていた。アリスを愛するペーターは依然として健在しているのだから。
自分に関してはなにひとつ、望んでなどいないというのに。
室内に入ったペーターが他に目もくれず向かうのは、寝台。真白の歪みないシーツを乱すために、〇〇の身体は放り出される。
組み敷いて素早く〇〇の身動きを封じると、ペーターは安堵するようにふっと息をついた。
これは合図だ。〇〇は幾度もその瞬間を目の当たりにしてきた、おそらく唯一の目撃者。
つまらないものを見下す冷めた眼差し。他者を容赦なく切り捨てる言葉を吐露する唇。
アリス以外には一貫してそんな態度を示す常が、変貌する時間。
「――〇〇……」
吐き出した息に全悪意を乗せて追い出したかのように、ペーターの纏う雰囲気が一変した。
甘く蕩けた表情を見せつけられるこの瞬間には、きっといつまで経っても慣れることはないだろう。
詰まった呼吸を取り戻し、〇〇は慎重にやや斜めの方向へと視線を逸らした。
自分にこんな顔を向けるペーターを、とても直視なんてできない。その隙をついて、ペーターは自身の首から解いたネクタイで〇〇の両手をきっちり束ねてしまった。
「ペーター、」
「さあ、こんな不要なもの、さっさと脱いでしまいましょうね」
早々に〇〇の肌を覆うものを剥いでいく指先。あまりに自然な動作に、例によって抵抗を忘れてしまう。
たいした時間もかけず外気に晒された素肌が心許ない。
ペーターは上からじっと〇〇に視線を注ぐと、熱の篭った吐息をついた。
「…あなたは、なんて汚いんでしょう。少し触れただけで、僕のほうが穢れに侵されてしまいそうだ…」
ペーターの言う“汚い”とは、一般にいうところのものではない。〇〇は人並みには身体を清潔に保っているのだから。
彼の目にだけ映るらしい、それ。抽象的で、〇〇には未だにその正体がわからない。
アリスにさえ徹底している、けれどアリスだけを許容する、ペーターの潔癖症。
ペーターはアリス以外の他人と同じように〇〇を汚いというくせに、他の誰とも同じようには扱わない。
うっとりと呟き降ってくる唇は、粘着質な口づけを繰り返す。舌は濡れた感触を皮膚に残しながら、あちこちを這い回る。
「ん…っ」
「ねえ、解っているんですか。こんなあなたがアリスに近づくなんて、本来なら決して認められないことなんですよ?」
ペーターは囁く。肌から離れようとしない口を動かして。
「でも事実、アリスは余所者であるあなたを気に入ってるんです。あなたを殺すなりなんなりして近づけさせないのは容易くても、いきなり音信不通になっては怪しまれますし…。今、模索中なんですよ、いろいろと。ですから、しばらくの打開策はこれくらいしかありません。納得いくまで――まあ、未来永劫そんな日は来そうにありませんが――僕が、あなたを清めるしかないんです」
隅から隅まで。隙間なく、口づけ、舌を這わせ、心尽くしの“清めの儀式”を施していく。
ペーター曰く、すべてはアリスのために。不浄のものを、自分の白さで少しでも綺麗にしようとする。
〇〇はただ、一刻でも早い終わりを待つだけだった。
一度だってペーターの部屋で行われたことはない。行きたいだなんて望んでもいないから、それはいいのだが。
(そう…あたしはなにも望んじゃいないんだ)
〇〇が望むと望まざるとにかかわらず、自ずと迎えるだろうアリスのためのエンディング。アリスの幸福は、この世界のほぼ決定事項だ。
〇〇の望みは叶っていた。アリスを愛するペーターは依然として健在しているのだから。
自分に関してはなにひとつ、望んでなどいないというのに。
室内に入ったペーターが他に目もくれず向かうのは、寝台。真白の歪みないシーツを乱すために、〇〇の身体は放り出される。
組み敷いて素早く〇〇の身動きを封じると、ペーターは安堵するようにふっと息をついた。
これは合図だ。〇〇は幾度もその瞬間を目の当たりにしてきた、おそらく唯一の目撃者。
つまらないものを見下す冷めた眼差し。他者を容赦なく切り捨てる言葉を吐露する唇。
アリス以外には一貫してそんな態度を示す常が、変貌する時間。
「――〇〇……」
吐き出した息に全悪意を乗せて追い出したかのように、ペーターの纏う雰囲気が一変した。
甘く蕩けた表情を見せつけられるこの瞬間には、きっといつまで経っても慣れることはないだろう。
詰まった呼吸を取り戻し、〇〇は慎重にやや斜めの方向へと視線を逸らした。
自分にこんな顔を向けるペーターを、とても直視なんてできない。その隙をついて、ペーターは自身の首から解いたネクタイで〇〇の両手をきっちり束ねてしまった。
「ペーター、」
「さあ、こんな不要なもの、さっさと脱いでしまいましょうね」
早々に〇〇の肌を覆うものを剥いでいく指先。あまりに自然な動作に、例によって抵抗を忘れてしまう。
たいした時間もかけず外気に晒された素肌が心許ない。
ペーターは上からじっと〇〇に視線を注ぐと、熱の篭った吐息をついた。
「…あなたは、なんて汚いんでしょう。少し触れただけで、僕のほうが穢れに侵されてしまいそうだ…」
ペーターの言う“汚い”とは、一般にいうところのものではない。〇〇は人並みには身体を清潔に保っているのだから。
彼の目にだけ映るらしい、それ。抽象的で、〇〇には未だにその正体がわからない。
アリスにさえ徹底している、けれどアリスだけを許容する、ペーターの潔癖症。
ペーターはアリス以外の他人と同じように〇〇を汚いというくせに、他の誰とも同じようには扱わない。
うっとりと呟き降ってくる唇は、粘着質な口づけを繰り返す。舌は濡れた感触を皮膚に残しながら、あちこちを這い回る。
「ん…っ」
「ねえ、解っているんですか。こんなあなたがアリスに近づくなんて、本来なら決して認められないことなんですよ?」
ペーターは囁く。肌から離れようとしない口を動かして。
「でも事実、アリスは余所者であるあなたを気に入ってるんです。あなたを殺すなりなんなりして近づけさせないのは容易くても、いきなり音信不通になっては怪しまれますし…。今、模索中なんですよ、いろいろと。ですから、しばらくの打開策はこれくらいしかありません。納得いくまで――まあ、未来永劫そんな日は来そうにありませんが――僕が、あなたを清めるしかないんです」
隅から隅まで。隙間なく、口づけ、舌を這わせ、心尽くしの“清めの儀式”を施していく。
ペーター曰く、すべてはアリスのために。不浄のものを、自分の白さで少しでも綺麗にしようとする。
〇〇はただ、一刻でも早い終わりを待つだけだった。