一途な恋の傍らで、愛撫。
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アリスに会うために城を訪れること、もはや数え切れないほど。
幾度も繰り返した訪問の、いったいいつ頃からこの変調は現れ始めていたのだろう。
実際、薄々気づいてはいた。ただ認めなかっただけだ。
きっかけはあった気がするし、これといってなかった気もする。――いや、今となっては始まりなどどうでもいいことなのだ。
通路で待ち構えていたように、彼はそこにいた。
まるでそうあるのが当然と言わんばかりの立ち姿に、〇〇はつきたくなる溜め息を喉に押し込んだ。
今日こそは自覚するだろうと思っていたのだが。変わりなく行く手を阻む、ハートの城の宰相様。
いつからか始まったこの異常事態に、為す術は見つからない。
そう、アリス命のペーター=ホワイトは、彼女にだけ発揮するはずのストーカーぶりを、何故か〇〇にも見せていた。
いつ、何処を通っても、アリスに出会うより先に白ウサギは〇〇の前に現れた。
「また、のこのことやってきましたね」
ペーターは組んでいた腕を解くと、コツコツと足音を立てて近づいた。
〇〇は内で膨れ上がる違和感を拭えないまま、苦笑を漏らす。
慣れるなんて、不可能だった。だから。気づかないふりをして、問いかけた。
「…こんなところでスタンバイなんて、誰になんの用?」
「今更わかりきったことを言いますね。ああ、もしかして時間稼ぎのつもりですか?」
話しながら、一直線に手が伸びてくる。この瞬間を、いつも奇妙に思う。
二人の間を隔てる、薄くて、しかし揺るぎない膜を。その手に突き破られる、そんな幻を毎回のように頭に描く。
「僕を誤摩化そうだなんて愚かな考えはしないほうが賢明ですよ。少しは成長してください」
始めからそれだけが目的で唯一であるかのごとく、〇〇の腕を捕えるペーターの手。
掴まれる感覚が衣服を通して肌に染み込んでいく。アナタはおかしいんだよ。何故気づかないんだ。
〇〇は彼と接触するその場所を意識した。
「なあ、ペーター…。あたしは、どこもかしこも雑菌まみれ。アナタは触りたくないんじゃなかったっけ?」
いい加減気づいてほしいと思うが、直接的なことがどうしたことか口に出せない。
遠回しの指摘にも、ペーターはさらに手に力を加えるだけ。
「ええ、そのとおりです。アナタに触れるくらいなら死んだほうがよっぽどマシですね」
そう言ってあっけらかんと言動を矛盾させ、
「――ですが、そんなあなたがアリスに近づくのはもっと許せない」
来なさい。と簡潔に一言、ペーターは〇〇の腕を掴んで歩き出す。
行き先を、そしてそこで行われる行為を知る〇〇は、諦めの境地に至っていた。
何度か脱走を試みたときのあのペーターのヒステリックな激情は、一度経験すればもう充分なほどだったから。
嗚呼。それにしても、何故、こんなことに?
幾度も繰り返した訪問の、いったいいつ頃からこの変調は現れ始めていたのだろう。
実際、薄々気づいてはいた。ただ認めなかっただけだ。
きっかけはあった気がするし、これといってなかった気もする。――いや、今となっては始まりなどどうでもいいことなのだ。
通路で待ち構えていたように、彼はそこにいた。
まるでそうあるのが当然と言わんばかりの立ち姿に、〇〇はつきたくなる溜め息を喉に押し込んだ。
今日こそは自覚するだろうと思っていたのだが。変わりなく行く手を阻む、ハートの城の宰相様。
いつからか始まったこの異常事態に、為す術は見つからない。
そう、アリス命のペーター=ホワイトは、彼女にだけ発揮するはずのストーカーぶりを、何故か〇〇にも見せていた。
いつ、何処を通っても、アリスに出会うより先に白ウサギは〇〇の前に現れた。
「また、のこのことやってきましたね」
ペーターは組んでいた腕を解くと、コツコツと足音を立てて近づいた。
〇〇は内で膨れ上がる違和感を拭えないまま、苦笑を漏らす。
慣れるなんて、不可能だった。だから。気づかないふりをして、問いかけた。
「…こんなところでスタンバイなんて、誰になんの用?」
「今更わかりきったことを言いますね。ああ、もしかして時間稼ぎのつもりですか?」
話しながら、一直線に手が伸びてくる。この瞬間を、いつも奇妙に思う。
二人の間を隔てる、薄くて、しかし揺るぎない膜を。その手に突き破られる、そんな幻を毎回のように頭に描く。
「僕を誤摩化そうだなんて愚かな考えはしないほうが賢明ですよ。少しは成長してください」
始めからそれだけが目的で唯一であるかのごとく、〇〇の腕を捕えるペーターの手。
掴まれる感覚が衣服を通して肌に染み込んでいく。アナタはおかしいんだよ。何故気づかないんだ。
〇〇は彼と接触するその場所を意識した。
「なあ、ペーター…。あたしは、どこもかしこも雑菌まみれ。アナタは触りたくないんじゃなかったっけ?」
いい加減気づいてほしいと思うが、直接的なことがどうしたことか口に出せない。
遠回しの指摘にも、ペーターはさらに手に力を加えるだけ。
「ええ、そのとおりです。アナタに触れるくらいなら死んだほうがよっぽどマシですね」
そう言ってあっけらかんと言動を矛盾させ、
「――ですが、そんなあなたがアリスに近づくのはもっと許せない」
来なさい。と簡潔に一言、ペーターは〇〇の腕を掴んで歩き出す。
行き先を、そしてそこで行われる行為を知る〇〇は、諦めの境地に至っていた。
何度か脱走を試みたときのあのペーターのヒステリックな激情は、一度経験すればもう充分なほどだったから。
嗚呼。それにしても、何故、こんなことに?
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