熟れた果実
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「ねえねえ、〇〇はどういう男が好き?」
「どういうのがタイプなの?カッコイイ系、それとも可愛い系?」
「……薮から棒に、なに?」
つい先ほどまで、給料がどうの休みがどうのと議論を交わしていたはずの門番達は、くりっとした二対の目をこちらに向けていた。
門の番人というには厳つさに欠ける彼らだが、いざ訪問者が来たときにはそれはもう素晴らしい働きをする。
誰彼構わずとりあえず斬ってかかるためか、妙にこの辺りは閑散としていた。
〇〇は立派な門に凭れて、彼の少女が通りかかりはしないかと密かに期待しながら、ふわあと欠伸をした。
ちょうどそこに、唐突な問いかけはやってきたのだった。
「〇〇には、ちょっと可愛い系の男が似合うと思うんだ」
「そうそう、僕達みたいなちょっと可愛い系」
なんの売り込みだ。しかも“ちょっと”とつけるあたりはなんだかやや謙虚である。
“可愛い”よりも“カッコイイ”と形容されたいお年頃なのかもしれない。
正直、暇を持て余していたところだった。なので〇〇は、ぼうっと突っ立っているよりは楽しいだろうと、双子の話題に便乗することにした。
(だけど、“男のタイプ”…か)
顎に軽く指を添えて考える。そうすると、つい品定めの目線で目の前の少年達を眺めてしまう。
自称可愛い系。中身を度外視すれば素直に首肯もできるのだが。
「あたしは――年上かな」
〇〇の口からぽろっと零れた言葉に、二人の少年は目を見開いた。
「年上っ?」
「どうしてっ?」
「どうしてって言われても。…あ、別に同い年でもいいよ」
付け加えたところで、彼らにとって事態が好転するわけでもなかったらしい。
勢いよく詰め寄ってくると、鬼気迫る勢いで問い質してきた。
「年下は?絶対、どうしても、なにがなんでも年上じゃなきゃ駄目?」
「いや、別に同い年でも…」
「年下も悪くないよ。人間の寿命は男のほうが短いっていうし、長い目で見たら絶対に年下のほうがお得だよ?」
「だから、同い年…」
「僕は年上の男なんて選んだら、きっと窮屈だと思うな。自分のほうがちょっと長生きしてるからって、偉そうで威圧的だし、女を支配下に置こうとするに決まってる」
「そうそう。その点、年下はいい。手懐けちゃえば〇〇がご主人様になれるし、もちろん甘えさせてあげることもできる。僕ならね」
「あっ、自分だけちゃっかりアピールするなんてずるいぞ兄弟」
「大丈夫、出し抜こうだなんて思ってないからさ。僕の物は兄弟の物、兄弟の物は僕の物。二人でちゃんと分かち合おう」
「兄弟…」
ディーとダムは見つめ合って双子の絆を再確認している。〇〇は話題に置き去りにされていた。
「…あのー、もしもし?」
「それにしても、ゆゆしき事実の発覚だ。まさか〇〇の好みが年上だなんて」
「僕、ちょっとショックだよ。〇〇は年下の良さを知らないんじゃないかな」
「そうか!それなら僕らが教えてあげればいいんだ」」
「でも人の性癖はなかなか変え難いよ、兄弟」
「大丈夫さ。僕らは〇〇の弱点を知っている。そこを優しく攻めてあげれば…」
「――そこの物騒な二人組、斧を持ち出すな、斧を」
頬をひくつかせて〇〇が咎めると、双子は渋々凶器を引いた。無邪気に脅迫を行おうとする年下のどこが可愛い系なんだ。
彼らに任せるととんでもない方向に流れそうだ。〇〇は先手を打ってもう少し安全な流れに変えることにした。
「別にあたしは年齢にこだわってるわけじゃなくて…なんていうか、精神面?たとえ自分より年下でも、落ち着きがあればいいとか、そういう緩い感じだから…」
(ん?これってフォロー?なんであたしが二人をフォローしてるんだ…?)
本来〇〇の好みなど言及するに値しない。
二つの真剣な表情が見つめてくるから、ついこちらも応えなければと考えてしまったのだ。
こんなことは、そもそも真面目に話し合うような事柄ではない。〇〇は肩を軽く上げて、茶化すように場を和らげた。
「要するに。自己主張だけじゃなくて、相手に合わせようとする姿勢も“大人”だと思うって話」
無理矢理一般論に押し広げたな、あたし。強引な感は否めないが、胸を張ればそれらしくなるというものだ。
「相手に合わせる…」
「大人…」
考え込む様子は微笑ましく見てもいいかもしれない。〇〇は笑うと、彼らの頭を軽く撫でた。
「子供のうちはまだ頑張らなくていいって。背伸びなんかしない、自然体が一番――あっ、来た!」
青いエプロンドレスを見つけた〇〇は、喜々として駆け出した。難しい顔で唸る少年達を置き去りにして。
「どういうのがタイプなの?カッコイイ系、それとも可愛い系?」
「……薮から棒に、なに?」
つい先ほどまで、給料がどうの休みがどうのと議論を交わしていたはずの門番達は、くりっとした二対の目をこちらに向けていた。
門の番人というには厳つさに欠ける彼らだが、いざ訪問者が来たときにはそれはもう素晴らしい働きをする。
誰彼構わずとりあえず斬ってかかるためか、妙にこの辺りは閑散としていた。
〇〇は立派な門に凭れて、彼の少女が通りかかりはしないかと密かに期待しながら、ふわあと欠伸をした。
ちょうどそこに、唐突な問いかけはやってきたのだった。
「〇〇には、ちょっと可愛い系の男が似合うと思うんだ」
「そうそう、僕達みたいなちょっと可愛い系」
なんの売り込みだ。しかも“ちょっと”とつけるあたりはなんだかやや謙虚である。
“可愛い”よりも“カッコイイ”と形容されたいお年頃なのかもしれない。
正直、暇を持て余していたところだった。なので〇〇は、ぼうっと突っ立っているよりは楽しいだろうと、双子の話題に便乗することにした。
(だけど、“男のタイプ”…か)
顎に軽く指を添えて考える。そうすると、つい品定めの目線で目の前の少年達を眺めてしまう。
自称可愛い系。中身を度外視すれば素直に首肯もできるのだが。
「あたしは――年上かな」
〇〇の口からぽろっと零れた言葉に、二人の少年は目を見開いた。
「年上っ?」
「どうしてっ?」
「どうしてって言われても。…あ、別に同い年でもいいよ」
付け加えたところで、彼らにとって事態が好転するわけでもなかったらしい。
勢いよく詰め寄ってくると、鬼気迫る勢いで問い質してきた。
「年下は?絶対、どうしても、なにがなんでも年上じゃなきゃ駄目?」
「いや、別に同い年でも…」
「年下も悪くないよ。人間の寿命は男のほうが短いっていうし、長い目で見たら絶対に年下のほうがお得だよ?」
「だから、同い年…」
「僕は年上の男なんて選んだら、きっと窮屈だと思うな。自分のほうがちょっと長生きしてるからって、偉そうで威圧的だし、女を支配下に置こうとするに決まってる」
「そうそう。その点、年下はいい。手懐けちゃえば〇〇がご主人様になれるし、もちろん甘えさせてあげることもできる。僕ならね」
「あっ、自分だけちゃっかりアピールするなんてずるいぞ兄弟」
「大丈夫、出し抜こうだなんて思ってないからさ。僕の物は兄弟の物、兄弟の物は僕の物。二人でちゃんと分かち合おう」
「兄弟…」
ディーとダムは見つめ合って双子の絆を再確認している。〇〇は話題に置き去りにされていた。
「…あのー、もしもし?」
「それにしても、ゆゆしき事実の発覚だ。まさか〇〇の好みが年上だなんて」
「僕、ちょっとショックだよ。〇〇は年下の良さを知らないんじゃないかな」
「そうか!それなら僕らが教えてあげればいいんだ」」
「でも人の性癖はなかなか変え難いよ、兄弟」
「大丈夫さ。僕らは〇〇の弱点を知っている。そこを優しく攻めてあげれば…」
「――そこの物騒な二人組、斧を持ち出すな、斧を」
頬をひくつかせて〇〇が咎めると、双子は渋々凶器を引いた。無邪気に脅迫を行おうとする年下のどこが可愛い系なんだ。
彼らに任せるととんでもない方向に流れそうだ。〇〇は先手を打ってもう少し安全な流れに変えることにした。
「別にあたしは年齢にこだわってるわけじゃなくて…なんていうか、精神面?たとえ自分より年下でも、落ち着きがあればいいとか、そういう緩い感じだから…」
(ん?これってフォロー?なんであたしが二人をフォローしてるんだ…?)
本来〇〇の好みなど言及するに値しない。
二つの真剣な表情が見つめてくるから、ついこちらも応えなければと考えてしまったのだ。
こんなことは、そもそも真面目に話し合うような事柄ではない。〇〇は肩を軽く上げて、茶化すように場を和らげた。
「要するに。自己主張だけじゃなくて、相手に合わせようとする姿勢も“大人”だと思うって話」
無理矢理一般論に押し広げたな、あたし。強引な感は否めないが、胸を張ればそれらしくなるというものだ。
「相手に合わせる…」
「大人…」
考え込む様子は微笑ましく見てもいいかもしれない。〇〇は笑うと、彼らの頭を軽く撫でた。
「子供のうちはまだ頑張らなくていいって。背伸びなんかしない、自然体が一番――あっ、来た!」
青いエプロンドレスを見つけた〇〇は、喜々として駆け出した。難しい顔で唸る少年達を置き去りにして。