穏便に事が済むのを祈るばかり。
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(バレた……あっさりバラしていったよ、女王さま)
観客がいなくなり、口が自由になった今、思う存分抵抗できるようになった。
だが、心身ともに脱力感に苛まれた〇〇は、逃げ出すという選択肢を思い出せなかった。
「……どーすんの。なんかもう嫌。恥を晒すために城に戻れってか」
「俺の部下は口が堅いから、むやみに言い触らすような真似はしないさ」
それでも、なかったことにはならない。居合わせた人間の記憶を抹殺したい。
「〇〇が望むなら、この場にいた奴らを始末しておこうか。陛下とペーターさんは手強いけど、君がおねだりしてくれたら俺は頑張れるぜ?」
「殺人依頼はしない――って、ちょっと、なにして…」
「んー、さっきの続き?」
先ほど終了したはずの“仕返し”は、エースの中ではまだ完了していなかった。
ついにブラジャーを押し上げられ、真昼の光のもとに肌が晒された。
下着の締めつけによって、慎ましやかな膨らみは常より強調され、尖った先端が存在を主張している。
「っ……!」
「だーめ。隠すのはなしな」
今度こそ動き出した抵抗の腕を、片手で後ろ手に封じ、エースはそのまま〇〇を引き寄せ顔を落とした。
踵が浮く。腰を抱かれて爪先立ちになった〇〇の胸に、赤い舌がぬるりと触れた。
「は……っ」
鋭く吐き出した息が静寂の場に響いた、直後。力強く身体を持っていかれるとほぼ同時に、数発の銃声が空気を裂いた。
突然の発砲音にも当然驚いたが、これまた唐突な浮遊感に襲われた〇〇は慌てた。しがみついた先は、騎士の肩とも頭ともつかない。
「〇〇。これじゃ前が見えないよ」
「な……にが、どうなって…」
銃弾はどこから飛んできたのだ。目を白黒させる〇〇の視界に人影はない。
とすると、後ろにいるのか。騎士の視界には映っているだろう誰かは、彼と向き合う形で抱かれる〇〇の目には入らない。
〇〇は赤いコートの背中を掴んで、振り向こうと身を捩った。
泳がせた視線はエースの手に握られた剣を掠めたが、恐怖を感じるよりも対峙する相手が気になった。
「エース、そこに誰が――…っ」
またしても銃声。エースは、支えを求めて縋りつく〇〇の腿の辺りに腕を巻きつけて担ぎながら、剣を振るって銃弾を弾いた。
〇〇は不規則な激しい揺れに翻弄され、息もままならない。
見覚えのある白や赤が視界を過ぎったような気もするが、どれも定かでない。
その後、目を瞑った〇〇は、振り落とされまいとしてひらすら騎士の身体に齧りついていた。
気を抜けば舌を噛み、胃からなにかが込み上げ、手を放してしまいそうだった。
銃弾を防いで庭を駆け抜けたエースは、肩に縋ってぐったりする〇〇をそっと地面に下ろした。
「あの人もここまでは追ってこないみたいだ」
「あ、の人って……だれ…」
〇〇は自分の足で全力疾走したように疲労していた。さすがは騎士といったところか、エースは呼吸ひとつ乱さずにけろりとしている。
息も絶え絶えな〇〇の問いかけに、彼は「内緒」と笑って唇に人差し指を添えた。
しかしこの際、相手が誰であろうと構わない。おかげでこちらは窮地を救われたようなものなのだから。
〇〇は、目も当てられない状態の着衣を整えた。下着を本来の位置に戻し、のろのろと服のボタンを留めようとしたのだが、
「……なに?」
「内緒ついでに、もうひとつ二人だけの秘密を作らないか?」
「い……意味がわからないん、だけど」
握る手と、握られる手。力の拮抗の勝敗は、目に見えて明らかだった。
見かけは爽やかな好青年の笑顔を一身に受ける余所者は、ひくりと頬を引き攣らせて己の不運を心底嘆いた。
――もう嫌だ、勘弁してくれ。
end。→あとがき
観客がいなくなり、口が自由になった今、思う存分抵抗できるようになった。
だが、心身ともに脱力感に苛まれた〇〇は、逃げ出すという選択肢を思い出せなかった。
「……どーすんの。なんかもう嫌。恥を晒すために城に戻れってか」
「俺の部下は口が堅いから、むやみに言い触らすような真似はしないさ」
それでも、なかったことにはならない。居合わせた人間の記憶を抹殺したい。
「〇〇が望むなら、この場にいた奴らを始末しておこうか。陛下とペーターさんは手強いけど、君がおねだりしてくれたら俺は頑張れるぜ?」
「殺人依頼はしない――って、ちょっと、なにして…」
「んー、さっきの続き?」
先ほど終了したはずの“仕返し”は、エースの中ではまだ完了していなかった。
ついにブラジャーを押し上げられ、真昼の光のもとに肌が晒された。
下着の締めつけによって、慎ましやかな膨らみは常より強調され、尖った先端が存在を主張している。
「っ……!」
「だーめ。隠すのはなしな」
今度こそ動き出した抵抗の腕を、片手で後ろ手に封じ、エースはそのまま〇〇を引き寄せ顔を落とした。
踵が浮く。腰を抱かれて爪先立ちになった〇〇の胸に、赤い舌がぬるりと触れた。
「は……っ」
鋭く吐き出した息が静寂の場に響いた、直後。力強く身体を持っていかれるとほぼ同時に、数発の銃声が空気を裂いた。
突然の発砲音にも当然驚いたが、これまた唐突な浮遊感に襲われた〇〇は慌てた。しがみついた先は、騎士の肩とも頭ともつかない。
「〇〇。これじゃ前が見えないよ」
「な……にが、どうなって…」
銃弾はどこから飛んできたのだ。目を白黒させる〇〇の視界に人影はない。
とすると、後ろにいるのか。騎士の視界には映っているだろう誰かは、彼と向き合う形で抱かれる〇〇の目には入らない。
〇〇は赤いコートの背中を掴んで、振り向こうと身を捩った。
泳がせた視線はエースの手に握られた剣を掠めたが、恐怖を感じるよりも対峙する相手が気になった。
「エース、そこに誰が――…っ」
またしても銃声。エースは、支えを求めて縋りつく〇〇の腿の辺りに腕を巻きつけて担ぎながら、剣を振るって銃弾を弾いた。
〇〇は不規則な激しい揺れに翻弄され、息もままならない。
見覚えのある白や赤が視界を過ぎったような気もするが、どれも定かでない。
その後、目を瞑った〇〇は、振り落とされまいとしてひらすら騎士の身体に齧りついていた。
気を抜けば舌を噛み、胃からなにかが込み上げ、手を放してしまいそうだった。
銃弾を防いで庭を駆け抜けたエースは、肩に縋ってぐったりする〇〇をそっと地面に下ろした。
「あの人もここまでは追ってこないみたいだ」
「あ、の人って……だれ…」
〇〇は自分の足で全力疾走したように疲労していた。さすがは騎士といったところか、エースは呼吸ひとつ乱さずにけろりとしている。
息も絶え絶えな〇〇の問いかけに、彼は「内緒」と笑って唇に人差し指を添えた。
しかしこの際、相手が誰であろうと構わない。おかげでこちらは窮地を救われたようなものなのだから。
〇〇は、目も当てられない状態の着衣を整えた。下着を本来の位置に戻し、のろのろと服のボタンを留めようとしたのだが、
「……なに?」
「内緒ついでに、もうひとつ二人だけの秘密を作らないか?」
「い……意味がわからないん、だけど」
握る手と、握られる手。力の拮抗の勝敗は、目に見えて明らかだった。
見かけは爽やかな好青年の笑顔を一身に受ける余所者は、ひくりと頬を引き攣らせて己の不運を心底嘆いた。
――もう嫌だ、勘弁してくれ。
end。→あとがき