恋人は変態!
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Mな役持ちと主人公&アリスin帽子屋屋敷(長編主人公)
ハートの城から脱出した二人の余所者は、帽子屋屋敷を訪れていた。
珍妙な事態が起こっているのはあの城だけで、ここなら安全だと思ったからだ。
しかし、世の中そんなに甘くはない。アリスと繋いだ〇〇の手がじんわり汗ばんだ。
「どうしたの?〇〇もお姉さんも、遠慮しなくていいんだよ?」
「そうだよ。失敗してもいいんだから、当てるつもりで思いっきり投げてね」
塀を背にして立った双子の門番は、多大な期待のこもった眼差しでこちらを見ていた。
押しつけられて思わず受け取ってしまったが、このナイフをどうしろというのか。
どうするもこうするも、彼らは自分を的にして遊べと言っているのだ。殺人ゲームか。冗談じゃない。
「……どうする、アリス。あたし、的当ての腕なんてないけどさ、確実に二人に当たりそうなんだけど?」
「私もよ。絶対に当てる自信があるわ。外さなきゃいけない場面なのに…」
ヒットしてしまっては困る。むしろ彼らのほうが自ら的になってきそうで怖い。
ディーとダムの目に脅迫され、とりあえず一度アリスの手を放し、利き手にナイフを持ち替えた。
刃物なんて持ちたくないのに。うっかり涙が出そうだ。
(どうすればいいんだ、これ…)
途方に暮れていたとき、状況は変化した。それも悪い方向に。
新たに登場したのは屋敷の主、ブラッド=デュプレと彼の部下、エリオット=マーチである。
双子がこうなっているのだから、当然、この二人も同じようにおかしくなっているというわけで。
「いいところに来たな、お嬢さん達。私に会いに来てくれたのか?」
「ブラッド…。別にあなたを求めてきたんじゃなくて、安息を求めてきただけよ。もう帰るわ」
「おや、それは残念だ…。だがしかし、ただで帰すわけにはいかないな」
いつもどおりに見えるブラッドとアリスのやりとりを注意深く見ていると、目の前に大きな身体が割り込んだ。
三月ウサギは見るからにアウトだった。激しい運動後のように顔は真っ赤で、鼻息が荒い。
「それ以上近寄らないでくれる、エリオット」
「な、なんでそんなに冷たいこと言うんだよ、〇〇…!」
「アナタがその冷たい言葉で喜ぶうちは、」
近づきたくない、と言おうとした〇〇の前に、勢いよくエリオットが膝を折った。
膝どころか両手も地面に打ちつけ、まるで土下座する姿勢だ。ぎょっとして後ずされば、長いウサギの耳をぶるぶるさせて彼は懇願した。
「頼む、〇〇!俺をあんたの尻の下に敷いてくれ!」
「はあっ!?」
「俺はあんたの椅子になりたい、一日中ずっとあんたを支えて…〇〇を感じながら過ごしてみてえんだ!」
それはエリオットを椅子にして一日中座っていろという拷問か。絶対にお断りだ。
〇〇はいまだに握ったままだったナイフを静かに捨てた。逃げよう。即座にそう決めた傍らで乾いた音が炸裂した。
つられてそちらのほうを向くと、アリスの平手がブラッドの頬を直撃していた。わお。
「嫌だって言ってるでしょうっ!」
「ふっ……嫌だ嫌だと拒否しながらも、こうして頬を打ってくれたじゃないか、お嬢さん?」
「それはっ、あなたがしつこくするから」
「では、もっとしつこく粘ってみようか。君だけでは生温い……二人の余所者を同時にというのは、最高に興奮しそうだ」
頬に紅葉をつけて男前が上がったブラッドは、〇〇に色っぽい流し目を送ってくる。
ぞぞっと寒気がした。彼がマゾヒストに転向するなど違和感がありすぎる。
〇〇とアリスは示し合わせて、一目散に帽子屋屋敷を脱出した。幸い追いかけてはこないようだ。
こちらの与り知らぬところで、実害のない放置プレイを楽しむのは、個人の自由である。
「アリス!ナイフはもう必要ないんじゃない、かな…?」
「……念のため、護身用に持っていたほうがいい気がするの」
「いやいや、捨てような。危ないから」
遊園地編に続きます。
ハートの城から脱出した二人の余所者は、帽子屋屋敷を訪れていた。
珍妙な事態が起こっているのはあの城だけで、ここなら安全だと思ったからだ。
しかし、世の中そんなに甘くはない。アリスと繋いだ〇〇の手がじんわり汗ばんだ。
「どうしたの?〇〇もお姉さんも、遠慮しなくていいんだよ?」
「そうだよ。失敗してもいいんだから、当てるつもりで思いっきり投げてね」
塀を背にして立った双子の門番は、多大な期待のこもった眼差しでこちらを見ていた。
押しつけられて思わず受け取ってしまったが、このナイフをどうしろというのか。
どうするもこうするも、彼らは自分を的にして遊べと言っているのだ。殺人ゲームか。冗談じゃない。
「……どうする、アリス。あたし、的当ての腕なんてないけどさ、確実に二人に当たりそうなんだけど?」
「私もよ。絶対に当てる自信があるわ。外さなきゃいけない場面なのに…」
ヒットしてしまっては困る。むしろ彼らのほうが自ら的になってきそうで怖い。
ディーとダムの目に脅迫され、とりあえず一度アリスの手を放し、利き手にナイフを持ち替えた。
刃物なんて持ちたくないのに。うっかり涙が出そうだ。
(どうすればいいんだ、これ…)
途方に暮れていたとき、状況は変化した。それも悪い方向に。
新たに登場したのは屋敷の主、ブラッド=デュプレと彼の部下、エリオット=マーチである。
双子がこうなっているのだから、当然、この二人も同じようにおかしくなっているというわけで。
「いいところに来たな、お嬢さん達。私に会いに来てくれたのか?」
「ブラッド…。別にあなたを求めてきたんじゃなくて、安息を求めてきただけよ。もう帰るわ」
「おや、それは残念だ…。だがしかし、ただで帰すわけにはいかないな」
いつもどおりに見えるブラッドとアリスのやりとりを注意深く見ていると、目の前に大きな身体が割り込んだ。
三月ウサギは見るからにアウトだった。激しい運動後のように顔は真っ赤で、鼻息が荒い。
「それ以上近寄らないでくれる、エリオット」
「な、なんでそんなに冷たいこと言うんだよ、〇〇…!」
「アナタがその冷たい言葉で喜ぶうちは、」
近づきたくない、と言おうとした〇〇の前に、勢いよくエリオットが膝を折った。
膝どころか両手も地面に打ちつけ、まるで土下座する姿勢だ。ぎょっとして後ずされば、長いウサギの耳をぶるぶるさせて彼は懇願した。
「頼む、〇〇!俺をあんたの尻の下に敷いてくれ!」
「はあっ!?」
「俺はあんたの椅子になりたい、一日中ずっとあんたを支えて…〇〇を感じながら過ごしてみてえんだ!」
それはエリオットを椅子にして一日中座っていろという拷問か。絶対にお断りだ。
〇〇はいまだに握ったままだったナイフを静かに捨てた。逃げよう。即座にそう決めた傍らで乾いた音が炸裂した。
つられてそちらのほうを向くと、アリスの平手がブラッドの頬を直撃していた。わお。
「嫌だって言ってるでしょうっ!」
「ふっ……嫌だ嫌だと拒否しながらも、こうして頬を打ってくれたじゃないか、お嬢さん?」
「それはっ、あなたがしつこくするから」
「では、もっとしつこく粘ってみようか。君だけでは生温い……二人の余所者を同時にというのは、最高に興奮しそうだ」
頬に紅葉をつけて男前が上がったブラッドは、〇〇に色っぽい流し目を送ってくる。
ぞぞっと寒気がした。彼がマゾヒストに転向するなど違和感がありすぎる。
〇〇とアリスは示し合わせて、一目散に帽子屋屋敷を脱出した。幸い追いかけてはこないようだ。
こちらの与り知らぬところで、実害のない放置プレイを楽しむのは、個人の自由である。
「アリス!ナイフはもう必要ないんじゃない、かな…?」
「……念のため、護身用に持っていたほうがいい気がするの」
「いやいや、捨てような。危ないから」
遊園地編に続きます。