恋人は変態!
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Mな役持ちと主人公&アリスinハートの城(長編主人公)
「〇〇っ!起きて、お願いだから早く起きてよ!」
「んー……ありすぅ…?」
その日は、親愛なる少女の悲鳴によって幕を開けた。
顔を洗った〇〇は眠たげに目を擦った。大きな欠伸をしながら、のろのろと着替える。
その間もアリスは急かしに急かしまくる。非常に焦った様子の彼女から聞き出せた話は、いまいち要領を得ない。
「要するに、役持ちのみんながおかしいって?」
「そうなの!すっごく変なのよ!」
「…普段から割とおかしかったと思うけど」
「それがいつにも増して異常というか、ああもうっ、とにかく早く着替えてここを出ましょう!」
「へえ…まあいいや。仰せのままに」
二人して歯に衣着せぬ言い方をするが、余所者にその自覚はない。
しかし、冷静なアリスがここまで慌てふためいてやってきたのだ。確実になにかが起こっている。
〇〇は眠気を引きずりつつ、アリスに手を引かれて部屋を出たのだが、
「やはりここにいましたね、アリス!」
「げっ、ペーター…!」
かつてないほど露骨に、嫌そうに名前を叫んだアリスに、待ち構えていた白ウサギは頬を赤らめた。
彼はくねくねと身体を捩り、情熱的な眼差しでアリスを見つめている。
「そんな虫けらを見るような目を向けられると、僕はっ、僕は…ああっ!」
「やめて、気持ち悪い声出さないで!」
「気持ち悪い僕を罵るあなたのことが大好きです、アリスーっ!」
〇〇はしょぼしょぼと瞬きをした。ペーターってこんなんだっけ。いや、これがペーターだったよな。
ぼーっと考えていると、白ウサギと目が合った。直後、眠気が一気に吹き飛んだ。
アリスに対する表情のままで〇〇を見たペーターは、うっとり赤い瞳を溶かした。
「〇〇……僕にはわかっていますよ」
「……なにを?」
「あなたがアリスのように、僕を悦ばせる術を知っているということを。ええ、その素質は十分にあります」
「は……?」
「あなたのような余所者に甚振られるのは癪ですが、いいえだからこそっ、快感は増幅するというもの…!」
さあ!と両腕を広げてにじり寄るペーターの横を、猛然と駆け抜ける。
〇〇はアリスの手を引いて走りながら、彼女に心から詫びた。
「ごめん、アリス。あたしが悪かった…」
「いいのよ…。わかってくれたようで嬉しいわ」
――アリスによると、事の発覚はなんと女王様だったらしい。
昨日はビバルディの部屋で彼女と共に就寝したアリス(ぜひともその場に呼んでほしかった)だったが…。
今朝、ビバルディは「アリスにいじめられたい。そういう気分なのじゃ」と言って迫ってきたという。
それもいつもの戯れではなく、本気モードで。なんとか言い包めて抜け出したところ、続いて出会った白ウサギも、あんな状態で手の施しようがなく。
「なにが起こってるんだろうな。なにかの感染症かな」
「ものすごく嫌な感染症ね…。でも、あなたがなんともなくて本当によかった」
「あたしもそう思うよ」
アリスが知らせてくれなければ、〇〇も役持ちの餌食になっていたかもしれないのだ。恐ろしい。
なにが恐ろしいって、普段はサディスティックな傾向にある人間が、その逆の性質を持ってしまうことだ。
「おっ、いたいた!アリス、〇〇!」
こんなときに限って城にいる騎士は、相当タイミングが悪い。
呼び止められても素直に立ち止まるわけにはいかない、と心を通わせ、〇〇とアリスは繋ぐ手を強くした。
「どいてちょうだい、エース!」
「アリスと愛の逃避行中なんだ、邪魔しないで」
立ちはだかったエースは満面の笑顔になった。
その顔だけ見れば常と変わりなく見えるが、その口から出る台詞は明らかにおかしい。
「あははっ、そんなに邪険にされると嬉しいなあ!あ、そうだ。ものは試しに、二人で俺を踏んでみてくれないか?」
試したくもない。〇〇は正直にそう思ったが、今度はアリスに引っ張られ、走らざるを得なくなった。
「それじゃあ遠慮なく…!」
「あ、アリス、ぎゃっ」
アリスは躊躇なくエースを蹴飛ばして押し通り、〇〇の足は倒れた彼を地面と間違えて踏んづけてしまった。
柔らかいような硬いような、なんともいえない人肉の弾力に顔が歪む。うええ。
望みどおり踏まれた男のその後など、知りたくもなかった。
こうして二人の余所者はハートの城を無事脱出した。
コメントを二つ混ぜて書かせていただきました。帽子屋屋敷編に続きます。
「〇〇っ!起きて、お願いだから早く起きてよ!」
「んー……ありすぅ…?」
その日は、親愛なる少女の悲鳴によって幕を開けた。
顔を洗った〇〇は眠たげに目を擦った。大きな欠伸をしながら、のろのろと着替える。
その間もアリスは急かしに急かしまくる。非常に焦った様子の彼女から聞き出せた話は、いまいち要領を得ない。
「要するに、役持ちのみんながおかしいって?」
「そうなの!すっごく変なのよ!」
「…普段から割とおかしかったと思うけど」
「それがいつにも増して異常というか、ああもうっ、とにかく早く着替えてここを出ましょう!」
「へえ…まあいいや。仰せのままに」
二人して歯に衣着せぬ言い方をするが、余所者にその自覚はない。
しかし、冷静なアリスがここまで慌てふためいてやってきたのだ。確実になにかが起こっている。
〇〇は眠気を引きずりつつ、アリスに手を引かれて部屋を出たのだが、
「やはりここにいましたね、アリス!」
「げっ、ペーター…!」
かつてないほど露骨に、嫌そうに名前を叫んだアリスに、待ち構えていた白ウサギは頬を赤らめた。
彼はくねくねと身体を捩り、情熱的な眼差しでアリスを見つめている。
「そんな虫けらを見るような目を向けられると、僕はっ、僕は…ああっ!」
「やめて、気持ち悪い声出さないで!」
「気持ち悪い僕を罵るあなたのことが大好きです、アリスーっ!」
〇〇はしょぼしょぼと瞬きをした。ペーターってこんなんだっけ。いや、これがペーターだったよな。
ぼーっと考えていると、白ウサギと目が合った。直後、眠気が一気に吹き飛んだ。
アリスに対する表情のままで〇〇を見たペーターは、うっとり赤い瞳を溶かした。
「〇〇……僕にはわかっていますよ」
「……なにを?」
「あなたがアリスのように、僕を悦ばせる術を知っているということを。ええ、その素質は十分にあります」
「は……?」
「あなたのような余所者に甚振られるのは癪ですが、いいえだからこそっ、快感は増幅するというもの…!」
さあ!と両腕を広げてにじり寄るペーターの横を、猛然と駆け抜ける。
〇〇はアリスの手を引いて走りながら、彼女に心から詫びた。
「ごめん、アリス。あたしが悪かった…」
「いいのよ…。わかってくれたようで嬉しいわ」
――アリスによると、事の発覚はなんと女王様だったらしい。
昨日はビバルディの部屋で彼女と共に就寝したアリス(ぜひともその場に呼んでほしかった)だったが…。
今朝、ビバルディは「アリスにいじめられたい。そういう気分なのじゃ」と言って迫ってきたという。
それもいつもの戯れではなく、本気モードで。なんとか言い包めて抜け出したところ、続いて出会った白ウサギも、あんな状態で手の施しようがなく。
「なにが起こってるんだろうな。なにかの感染症かな」
「ものすごく嫌な感染症ね…。でも、あなたがなんともなくて本当によかった」
「あたしもそう思うよ」
アリスが知らせてくれなければ、〇〇も役持ちの餌食になっていたかもしれないのだ。恐ろしい。
なにが恐ろしいって、普段はサディスティックな傾向にある人間が、その逆の性質を持ってしまうことだ。
「おっ、いたいた!アリス、〇〇!」
こんなときに限って城にいる騎士は、相当タイミングが悪い。
呼び止められても素直に立ち止まるわけにはいかない、と心を通わせ、〇〇とアリスは繋ぐ手を強くした。
「どいてちょうだい、エース!」
「アリスと愛の逃避行中なんだ、邪魔しないで」
立ちはだかったエースは満面の笑顔になった。
その顔だけ見れば常と変わりなく見えるが、その口から出る台詞は明らかにおかしい。
「あははっ、そんなに邪険にされると嬉しいなあ!あ、そうだ。ものは試しに、二人で俺を踏んでみてくれないか?」
試したくもない。〇〇は正直にそう思ったが、今度はアリスに引っ張られ、走らざるを得なくなった。
「それじゃあ遠慮なく…!」
「あ、アリス、ぎゃっ」
アリスは躊躇なくエースを蹴飛ばして押し通り、〇〇の足は倒れた彼を地面と間違えて踏んづけてしまった。
柔らかいような硬いような、なんともいえない人肉の弾力に顔が歪む。うええ。
望みどおり踏まれた男のその後など、知りたくもなかった。
こうして二人の余所者はハートの城を無事脱出した。
コメントを二つ混ぜて書かせていただきました。帽子屋屋敷編に続きます。