これは萌えですか、いいえ違います。そのに
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突如として〇〇の頭上に出現したウサギの耳は、一眠りするとあっさり消えてなくなっていた。
いろいろと楽しみ方を考えていたらしい面々は残念がったが、〇〇は正直ほっとした。
アリスに獣耳がプラスされるイベントなら大歓迎だが、自身の身に起こってはプラスどころかマイナスである。
(貴重な体験と言えなくもなかったけど、バニーガールは駄目だろ…)
ウサ耳をつけたセクシーなお姉さんをご所望なら、もっと適役を探したほうがいい。
なにはともあれ、長期間生えたままという事態にならずに済んで一安心だ。
役目を終えた耳がぽろっと落ちるなどいうホラーではなく、いつの間にか消えるというメルヘンな結末で本当によかった。
非日常はしばらく遠慮したい。イベントはアリス絡みのみでよろしく。
……そう思っていた矢先に、まさかの事態が再び我が身に降りかかろうとは、思いもしなかった。
仕事で帽子屋屋敷を訪れた〇〇は、いつもどおり双子の門番と挨拶を交わした。
なんの変哲もない、いつもの光景である。異変が起こったのは、それじゃあと言って門を通り抜けた直後のことだった。
前触れもなく、頭上にあの感覚がよみがえってきたのだ。忘れるにはあまりにも時間が足りなかった。
「え?」
「ええ?」
「……おいおい」
嘘だろう。誰か嘘だと言ってくれ。驚いたような二つの声を受け、〇〇は顔を引き攣らせた。
殊更ゆっくりと振り返り、二人が目を丸くしてある一点を注視しているのを確かめながら、
「……ディー、ダム。頼むから、なにもないって言って」
「なにかあるよ。僕の目の錯覚かな。さっきまではなかったはずだけど」
「なにかっていうか、あれだよね。僕は絶対にあれだと思うな」
「確かにあれだけど、あれって余所者にあるものだっけ、兄弟?」
「あれは余所者にあるはずのないものだと思うよ、兄弟。目の前にあるけどね」
ディーとダムは会話しながら足早に〇〇に近づいてきた。勢いが怖い、主に斧の存在が原因だが。
できればなかったことにしてほしかったが、どうやら認めなければならないようだ。
〇〇は恐る恐る手を上に伸ばした。どう考えても、ある。ないと思いたいが、触れてしまった。
「え、なにこれ…ウサギ、じゃない…?」
てっきりまたあの耳が復活したのかと思ったが、長さがウサギのそれではない。手触りも少し違うような…。
切実に鏡がほしい。しかし〇〇の姿を映すものといえば、双子の好奇心溢れる大きな瞳しかなかった。
「……これ、なんの耳に見える?」
〇〇が自身の頭を指差して尋ねると、ディーとダムは顔を見合わせた。
「犬っぽいよね」
「うん。犬っぽい」
そうか、今度は犬なのか。〇〇はがくっと肩を落とした。
ウサギでなければいいという問題でもないため、バリエーションが増えても嬉しくない。
哀愁漂う余所者の様子に同情するでもなく、二人は明るい声で〇〇を囲んだ。
「〇〇はウサギがよかったの?どっかの馬鹿ウサギとおそろいなんてことにならなくて、僕はよかったと思うな」
「そうだよ。ウサギの耳なんて生えたら、かわいそうで見ていられなかったと思うよ」
「見ていられないから、斧でちょん切っちゃってたかもね」
「〇〇だったら特別に、タダで引き受けてあげる」
〇〇は心の底から思った。ウサギじゃなくて命拾いした…!
メルヘンで終われるはずの事態が、危うくスプラッタに塗り替えられるところだった。
(はは……それにしても、犬かー。犬種はなんだろうな)
ウサギのときは種類など特に気にならなかったが、ふと考える。それがいけなかったのかもしれない。
(――……ん、ん?)
ちょっとだけ触っていい?ねえ、触っていいよね?と、はしゃぐ子供に手のひらでストップをかける。
〇〇はなにかを堪えるような、かゆいところに手が届かないような、そんな変な表情に変わった。
身体が、それもある部分が今、非常にまずい感覚に襲われている。
不思議そうに見つめてくる色違いの二対の目に、ヤバイ、と口の端をひくつかせた。
「〇〇?」
「どうしたの?」
「う、ん……なんていうか、ごめん」
うずうず。むずむず。未知の感覚を、これ以上我慢できそうにない。
〇〇はもう一度ディーとダムに謝ってから、焦ったように突飛な行動に出た。
なんと、その場で自らのズボンに手をかけると、なんの躊躇いもなくそれを引き下ろしたのだ。
いろいろと楽しみ方を考えていたらしい面々は残念がったが、〇〇は正直ほっとした。
アリスに獣耳がプラスされるイベントなら大歓迎だが、自身の身に起こってはプラスどころかマイナスである。
(貴重な体験と言えなくもなかったけど、バニーガールは駄目だろ…)
ウサ耳をつけたセクシーなお姉さんをご所望なら、もっと適役を探したほうがいい。
なにはともあれ、長期間生えたままという事態にならずに済んで一安心だ。
役目を終えた耳がぽろっと落ちるなどいうホラーではなく、いつの間にか消えるというメルヘンな結末で本当によかった。
非日常はしばらく遠慮したい。イベントはアリス絡みのみでよろしく。
……そう思っていた矢先に、まさかの事態が再び我が身に降りかかろうとは、思いもしなかった。
仕事で帽子屋屋敷を訪れた〇〇は、いつもどおり双子の門番と挨拶を交わした。
なんの変哲もない、いつもの光景である。異変が起こったのは、それじゃあと言って門を通り抜けた直後のことだった。
前触れもなく、頭上にあの感覚がよみがえってきたのだ。忘れるにはあまりにも時間が足りなかった。
「え?」
「ええ?」
「……おいおい」
嘘だろう。誰か嘘だと言ってくれ。驚いたような二つの声を受け、〇〇は顔を引き攣らせた。
殊更ゆっくりと振り返り、二人が目を丸くしてある一点を注視しているのを確かめながら、
「……ディー、ダム。頼むから、なにもないって言って」
「なにかあるよ。僕の目の錯覚かな。さっきまではなかったはずだけど」
「なにかっていうか、あれだよね。僕は絶対にあれだと思うな」
「確かにあれだけど、あれって余所者にあるものだっけ、兄弟?」
「あれは余所者にあるはずのないものだと思うよ、兄弟。目の前にあるけどね」
ディーとダムは会話しながら足早に〇〇に近づいてきた。勢いが怖い、主に斧の存在が原因だが。
できればなかったことにしてほしかったが、どうやら認めなければならないようだ。
〇〇は恐る恐る手を上に伸ばした。どう考えても、ある。ないと思いたいが、触れてしまった。
「え、なにこれ…ウサギ、じゃない…?」
てっきりまたあの耳が復活したのかと思ったが、長さがウサギのそれではない。手触りも少し違うような…。
切実に鏡がほしい。しかし〇〇の姿を映すものといえば、双子の好奇心溢れる大きな瞳しかなかった。
「……これ、なんの耳に見える?」
〇〇が自身の頭を指差して尋ねると、ディーとダムは顔を見合わせた。
「犬っぽいよね」
「うん。犬っぽい」
そうか、今度は犬なのか。〇〇はがくっと肩を落とした。
ウサギでなければいいという問題でもないため、バリエーションが増えても嬉しくない。
哀愁漂う余所者の様子に同情するでもなく、二人は明るい声で〇〇を囲んだ。
「〇〇はウサギがよかったの?どっかの馬鹿ウサギとおそろいなんてことにならなくて、僕はよかったと思うな」
「そうだよ。ウサギの耳なんて生えたら、かわいそうで見ていられなかったと思うよ」
「見ていられないから、斧でちょん切っちゃってたかもね」
「〇〇だったら特別に、タダで引き受けてあげる」
〇〇は心の底から思った。ウサギじゃなくて命拾いした…!
メルヘンで終われるはずの事態が、危うくスプラッタに塗り替えられるところだった。
(はは……それにしても、犬かー。犬種はなんだろうな)
ウサギのときは種類など特に気にならなかったが、ふと考える。それがいけなかったのかもしれない。
(――……ん、ん?)
ちょっとだけ触っていい?ねえ、触っていいよね?と、はしゃぐ子供に手のひらでストップをかける。
〇〇はなにかを堪えるような、かゆいところに手が届かないような、そんな変な表情に変わった。
身体が、それもある部分が今、非常にまずい感覚に襲われている。
不思議そうに見つめてくる色違いの二対の目に、ヤバイ、と口の端をひくつかせた。
「〇〇?」
「どうしたの?」
「う、ん……なんていうか、ごめん」
うずうず。むずむず。未知の感覚を、これ以上我慢できそうにない。
〇〇はもう一度ディーとダムに謝ってから、焦ったように突飛な行動に出た。
なんと、その場で自らのズボンに手をかけると、なんの躊躇いもなくそれを引き下ろしたのだ。