夢見る恋人よ、愛を孕め。
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アリスが元の世界に戻らず、ハートの国に残る。それを聞いて一番喜ぶのは〇〇であるはずだった。
ヒロインがどんなエンディングを迎えるのか、それを見届けるまでが当初の目的であり、楽しみだったのだから。
ハートの国に残ることを決めたのは、特定の誰かを選んだからではないらしい。
それでもアリスが幸せになれるならと、〇〇はこのエンディングを歓迎していたが、
「それに、あなたのことも放っておけない気がして…」
と、思いがけず理由のひとつに自分を挙げられてしまい、形を保っていた微笑みに明瞭な苦味が混ざった。
この間、とある重大な決断を告げた〇〇。その影響を多少なりとも受けたこの世界のヒロインは、なにも知らないままでいる。
とても長い夢を見ていた気がするの。作為的な眠りから目覚めたアリスはそう話した。
眠る前と後で、赤の世界は変化した。なにも知らされていない彼女も、その現実をうっすら感じているのだろう。
誰もなにも教えない。〇〇もそれが最善であると、陰りのある笑みを浮かべてアリスを想う。
――え……あなたたち、いつの間にそんな関係になったの?
――まさか〇〇がこの世界の誰かとそういうふうになるなんて、考えたことなかったわ。
――別に反対っていうわけじゃないんだけど、意外な組み合わせね。
――あなたが決めたことなら、私も応援するわよ。
――ねえ、〇〇、本当に大丈夫?最近すごく疲れた顔をして、それに……前の〇〇とはどこか違うみたい。
この世界のヒロインが無事エンディングを迎えたのに、〇〇の望む終わりはいっこうにやってこない。
狂気で成り立った鬼ごっこが幕を閉じた今、アリスは戻ってきたが、〇〇は依然として悪夢の中に取り残されていた。
傍観者だった余所者は、名実ともにハートの騎士のものになった。
ヒロインがどんなエンディングを迎えるのか、それを見届けるまでが当初の目的であり、楽しみだったのだから。
ハートの国に残ることを決めたのは、特定の誰かを選んだからではないらしい。
それでもアリスが幸せになれるならと、〇〇はこのエンディングを歓迎していたが、
「それに、あなたのことも放っておけない気がして…」
と、思いがけず理由のひとつに自分を挙げられてしまい、形を保っていた微笑みに明瞭な苦味が混ざった。
この間、とある重大な決断を告げた〇〇。その影響を多少なりとも受けたこの世界のヒロインは、なにも知らないままでいる。
とても長い夢を見ていた気がするの。作為的な眠りから目覚めたアリスはそう話した。
眠る前と後で、赤の世界は変化した。なにも知らされていない彼女も、その現実をうっすら感じているのだろう。
誰もなにも教えない。〇〇もそれが最善であると、陰りのある笑みを浮かべてアリスを想う。
――え……あなたたち、いつの間にそんな関係になったの?
――まさか〇〇がこの世界の誰かとそういうふうになるなんて、考えたことなかったわ。
――別に反対っていうわけじゃないんだけど、意外な組み合わせね。
――あなたが決めたことなら、私も応援するわよ。
――ねえ、〇〇、本当に大丈夫?最近すごく疲れた顔をして、それに……前の〇〇とはどこか違うみたい。
この世界のヒロインが無事エンディングを迎えたのに、〇〇の望む終わりはいっこうにやってこない。
狂気で成り立った鬼ごっこが幕を閉じた今、アリスは戻ってきたが、〇〇は依然として悪夢の中に取り残されていた。
傍観者だった余所者は、名実ともにハートの騎士のものになった。