もしも狂気を孕んだ鬼ごっこに強制参加させられたら…?
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これほど己の体力のなさを痛感したことはなかった。
足が痛い。脇腹が痛い。忙しない心音が頭にがんがん響いている。
〇〇は木陰に身を潜めて、渇いた喉に唾を押し込んだ。手の中に握りしめた銃はすでに体温と同化していた。
(なんで、あたしがこんな……っ)
走り通しの身体が悲鳴を上げている。酸素を補おうと荒い呼吸を繰り返す、その息を押し殺すために口を手のひらで塞いだ。
苦しい。苦しい。なぜ自分がこんな目に遭わなければならないのだ。
ハートの女王は言った。陶然たる面持ちで、甘い睦言のように。
『あの子はこの世界のどこかに閉じ込めてある。危害を加えるつもりはないから安心おし。……だが、おまえの返答次第では、ひょっとすると誰かの気が変わってしまうやもしれんな』
アリスを人質にして〇〇に迫られたのは、役持ち達とのゲームへの参加だった。
鬼ごっこと聞けば子供らしい遊びでも、その実、生半可な気持ちでの参加を許されない内容だ。
範囲はハートの城、帽子屋屋敷、遊園地に囲まれたハートの国の中。
参加者は〇〇とすべての役持ち。鬼は後者だ。
数の暴力。圧倒的に不利。そのうえ、〇〇は国中を逃げ回りながらアリスを探さなければならない。
無事アリスを見つけ出すことができれば、世界はまた危険を孕んだ平和な日常を取り戻す。
〇〇が敗北した場合、肉体も精神も自由を奪われる覚悟をしなければならなくなる。
なんて理不尽で不条理なのだろう。この胸にある時計を壊して悪夢から脱却しようにも、自死は通用しない。
結局、自分の運命は自分以外の誰かの手に委ねるしかないのである。
(あたしを殺して解放してくれる人もいない。都合よく“時”がくるはずもない)
汗ばんだ手でぎゅっと銃を握る。
追っ手は自分より頭の切れる者、体力のある者が多数。希望の少女は行方知れず。元の世界に帰ることもできない。
笑ってしまいたくなるほど絶望的だった。しかし、一縷の望みがあるのなら、みっともなく追い縋ってでも足掻いてやろうと思う。
そうでも意気込まなければ、本当に気が狂ってしまいそうだった。
足が痛い。脇腹が痛い。忙しない心音が頭にがんがん響いている。
〇〇は木陰に身を潜めて、渇いた喉に唾を押し込んだ。手の中に握りしめた銃はすでに体温と同化していた。
(なんで、あたしがこんな……っ)
走り通しの身体が悲鳴を上げている。酸素を補おうと荒い呼吸を繰り返す、その息を押し殺すために口を手のひらで塞いだ。
苦しい。苦しい。なぜ自分がこんな目に遭わなければならないのだ。
ハートの女王は言った。陶然たる面持ちで、甘い睦言のように。
『あの子はこの世界のどこかに閉じ込めてある。危害を加えるつもりはないから安心おし。……だが、おまえの返答次第では、ひょっとすると誰かの気が変わってしまうやもしれんな』
アリスを人質にして〇〇に迫られたのは、役持ち達とのゲームへの参加だった。
鬼ごっこと聞けば子供らしい遊びでも、その実、生半可な気持ちでの参加を許されない内容だ。
範囲はハートの城、帽子屋屋敷、遊園地に囲まれたハートの国の中。
参加者は〇〇とすべての役持ち。鬼は後者だ。
数の暴力。圧倒的に不利。そのうえ、〇〇は国中を逃げ回りながらアリスを探さなければならない。
無事アリスを見つけ出すことができれば、世界はまた危険を孕んだ平和な日常を取り戻す。
〇〇が敗北した場合、肉体も精神も自由を奪われる覚悟をしなければならなくなる。
なんて理不尽で不条理なのだろう。この胸にある時計を壊して悪夢から脱却しようにも、自死は通用しない。
結局、自分の運命は自分以外の誰かの手に委ねるしかないのである。
(あたしを殺して解放してくれる人もいない。都合よく“時”がくるはずもない)
汗ばんだ手でぎゅっと銃を握る。
追っ手は自分より頭の切れる者、体力のある者が多数。希望の少女は行方知れず。元の世界に帰ることもできない。
笑ってしまいたくなるほど絶望的だった。しかし、一縷の望みがあるのなら、みっともなく追い縋ってでも足掻いてやろうと思う。
そうでも意気込まなければ、本当に気が狂ってしまいそうだった。