君のための優しい脅迫
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「――持って来たぜ、ユリウス!」
うつらうつらしていたところに飛び込んできた声は実に清々しく響いた。
それをきっかけに重たい頭が目覚めを促した。
うっすら目を開いた〇〇は、ユリウスのうんざりした溜め息を耳にした。
「少し静かにしてくれ。…随分遅かったな」
「そんなにうるさかった?いやー、それにしてもここに来るのは何時間帯ぶりかな~。なかなか辿り着けなくて本当に参った参った」
どさり、と物を置く音には形容し難いぬめりが混ざっていた。
そして俄に鼻を突く鉄臭さ。初めて出会う類いの異臭は本能的な不安感を煽る。
体調の悪さを別にしても、とても安眠できる環境ではなかった。
〇〇は小さく呻いて、のっそりと身体を起こした。
茶色のマントを身に纏った仮面の男と目が合った、らしかった。
あれ、と身形に不釣り合いの爽やかさのある声が、露な唇に驚きを見せた。
「エース…」
「誰かと思ったら〇〇じゃないか!今日はまた珍しいところで会うね」
仮面を外し、頬に付着した赤にも無頓着にエースは言った。
目に入る血染めのマント。この部屋に充満せんとする臭気。
無造作に置かれた袋の底からでろっと滴る赤黒い液体。
健康であっても歓迎できない状況はこの身に耐え難い。
思わず口を覆って上体を丸める〇〇に、ハッとユリウスが駆け寄った。かと思うと振り向き、目で件の袋を示して早口に声を飛ばした。
「エース、それを今すぐ外に出せ」
「えー、せっかく持ってきたのに?」
「いいから階段のどこかにでも置いてこい。私が後で取りに行く」
背中を摩る動作に徹するユリウスと、青い顔で俯く〇〇。
エースはそんな二人を見比べて再び袋を持ち上げつつ、
「〇〇がそんなところで寝乱れてるってことは――ひょっとして“つわり”とか?」
「違う!」
即行で否定した男の顔の赤みを「わかりやすい奴」と笑う。
いつもなら溜め息のひとつも寄越すはずの〇〇の神妙さを眺め、エースはひとまず手にある物を室外に放り出すことにした。
うつらうつらしていたところに飛び込んできた声は実に清々しく響いた。
それをきっかけに重たい頭が目覚めを促した。
うっすら目を開いた〇〇は、ユリウスのうんざりした溜め息を耳にした。
「少し静かにしてくれ。…随分遅かったな」
「そんなにうるさかった?いやー、それにしてもここに来るのは何時間帯ぶりかな~。なかなか辿り着けなくて本当に参った参った」
どさり、と物を置く音には形容し難いぬめりが混ざっていた。
そして俄に鼻を突く鉄臭さ。初めて出会う類いの異臭は本能的な不安感を煽る。
体調の悪さを別にしても、とても安眠できる環境ではなかった。
〇〇は小さく呻いて、のっそりと身体を起こした。
茶色のマントを身に纏った仮面の男と目が合った、らしかった。
あれ、と身形に不釣り合いの爽やかさのある声が、露な唇に驚きを見せた。
「エース…」
「誰かと思ったら〇〇じゃないか!今日はまた珍しいところで会うね」
仮面を外し、頬に付着した赤にも無頓着にエースは言った。
目に入る血染めのマント。この部屋に充満せんとする臭気。
無造作に置かれた袋の底からでろっと滴る赤黒い液体。
健康であっても歓迎できない状況はこの身に耐え難い。
思わず口を覆って上体を丸める〇〇に、ハッとユリウスが駆け寄った。かと思うと振り向き、目で件の袋を示して早口に声を飛ばした。
「エース、それを今すぐ外に出せ」
「えー、せっかく持ってきたのに?」
「いいから階段のどこかにでも置いてこい。私が後で取りに行く」
背中を摩る動作に徹するユリウスと、青い顔で俯く〇〇。
エースはそんな二人を見比べて再び袋を持ち上げつつ、
「〇〇がそんなところで寝乱れてるってことは――ひょっとして“つわり”とか?」
「違う!」
即行で否定した男の顔の赤みを「わかりやすい奴」と笑う。
いつもなら溜め息のひとつも寄越すはずの〇〇の神妙さを眺め、エースはひとまず手にある物を室外に放り出すことにした。