愛の如く、囁く殺意
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焦点を合わさずに高い天井をぼんやり見ていると、ゆったりとした女の声が降ってきた。
「大丈夫か、〇〇?そのように愛らしい顔をして」
「――…ビバルディ」
なにをしている、でも、どうした、でもない。からかい混じりに安否を問うのは、赤を纏う女王様。
〇〇は差し出された手を思い出したように取って立ち上がった。
美しい指先が、つと〇〇の唇近くを拭う。
だらしなく唾液で濡れたままだったことに気がつき、これにはさすがに羞恥で身体が熱くなった。
「……どの辺から見てた?」
先の問いかけですでに白状したようなものだが、一縷の希望を託して聞いた。
ビバルディは嫣然と微笑むと、ささやかな望みを無慈悲に打ち砕いた。
「確か、おまえがホワイトを押し倒した辺りからじゃ」
「それって一部始終じゃねーの…」
精神的に再び床に沈みたくなる。
宰相の意味不明な行為を止めに入らなかった理由は、彼女の顔を見ればすぐに解った。要は退屈凌ぎなのだ。
面白いものを見たと笑う口紅は女王に相応しい色。なのに今はやけに毒々しく目に映る。被害妄想か。
味方にならない、むしろペーター側に立つように見えるビバルディについ恨みがましく(弱々しく)言い募った。
「もっと早く目を覚ましてやってくれてたら、あたしはこんな目に遭わずにすんだのに…」
「先程のホワイトは正気を失っていたと?…わらわにはそうは思えぬがな」
ちらと思わせぶりな流し目をして、艶やかな唇が妖しく笑みを作る。
「その証拠に、今のおまえはほんに愛らしい顔をしておる」
(……二回言った。どっちにしても意味がわからない)
だいたいビバルディの言う“愛らしさ”とはどんな基準を設定しているのだ。甚だ疑問に思う。
ご機嫌取りではないだろうが、彼女はアリスを部屋に招いたからおまえもおいでと誘う。
いまひとつ現金になれない〇〇は、それでも二つ返事で誘いに乗った。
ふと、アリスにどんな顔をすればいいのかという思いが頭を過ぎった。普通に接すればいい、とすぐさま答えは出たが。
なにも後ろめたく感じたり気に病むことはない。
ペーターとのやりとりに、アリスが危惧すべき特別な意味などありはしないのだから。
罪な女よ、と冗談めかして誰をか哀れむように嘆いた女王の声は、〇〇の耳を素通りした。
【愛の如く、囁く殺意】
気のせいだと貫き通すは誰がため
continue…?→あとがき。
「大丈夫か、〇〇?そのように愛らしい顔をして」
「――…ビバルディ」
なにをしている、でも、どうした、でもない。からかい混じりに安否を問うのは、赤を纏う女王様。
〇〇は差し出された手を思い出したように取って立ち上がった。
美しい指先が、つと〇〇の唇近くを拭う。
だらしなく唾液で濡れたままだったことに気がつき、これにはさすがに羞恥で身体が熱くなった。
「……どの辺から見てた?」
先の問いかけですでに白状したようなものだが、一縷の希望を託して聞いた。
ビバルディは嫣然と微笑むと、ささやかな望みを無慈悲に打ち砕いた。
「確か、おまえがホワイトを押し倒した辺りからじゃ」
「それって一部始終じゃねーの…」
精神的に再び床に沈みたくなる。
宰相の意味不明な行為を止めに入らなかった理由は、彼女の顔を見ればすぐに解った。要は退屈凌ぎなのだ。
面白いものを見たと笑う口紅は女王に相応しい色。なのに今はやけに毒々しく目に映る。被害妄想か。
味方にならない、むしろペーター側に立つように見えるビバルディについ恨みがましく(弱々しく)言い募った。
「もっと早く目を覚ましてやってくれてたら、あたしはこんな目に遭わずにすんだのに…」
「先程のホワイトは正気を失っていたと?…わらわにはそうは思えぬがな」
ちらと思わせぶりな流し目をして、艶やかな唇が妖しく笑みを作る。
「その証拠に、今のおまえはほんに愛らしい顔をしておる」
(……二回言った。どっちにしても意味がわからない)
だいたいビバルディの言う“愛らしさ”とはどんな基準を設定しているのだ。甚だ疑問に思う。
ご機嫌取りではないだろうが、彼女はアリスを部屋に招いたからおまえもおいでと誘う。
いまひとつ現金になれない〇〇は、それでも二つ返事で誘いに乗った。
ふと、アリスにどんな顔をすればいいのかという思いが頭を過ぎった。普通に接すればいい、とすぐさま答えは出たが。
なにも後ろめたく感じたり気に病むことはない。
ペーターとのやりとりに、アリスが危惧すべき特別な意味などありはしないのだから。
罪な女よ、と冗談めかして誰をか哀れむように嘆いた女王の声は、〇〇の耳を素通りした。
【愛の如く、囁く殺意】
気のせいだと貫き通すは誰がため
continue…?→あとがき。