愛の如く、囁く殺意
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この先どんなエンディングが待っていようと、世界は滞りなく進んでいく。
アリスは確かにこの世界に愛され、彼女も徹底的な拒絶を構えることをしなくなったように見えた。
それを遠目に見守りながら、〇〇自身もまた時間帯を重ねていく。
自分の存在が与えた歪みの形を知らぬまま。
ハートの城を訪れた〇〇は運よくアリスに会うことができた。
ちょうど洗濯物を干そうとしていたらしく、メイド二人と外に出るところだった。
そこで〇〇はにこやかな微笑みに親切心も兼ね備えた下心を隠して手伝うことにした。
アリスに洗濯物と来れば、すぐさま浮かぶ情景があるではないか。
そう、このシーンはあのキャラが飛び込んできておかしくない場面なのである。
(最近、ペタアリはご無沙汰だもんなあ…)
顔を合わせるたびにいちいち突っかかってくるペーターだが、アリスと一緒ならひとまず死を回避できる。
換言すると危険度は通常の倍以上と言えたが多少のリスクは覚悟の上だ。
アリスと二人きりのときにしか見せない一面は致し方ないにしても、普段の交流はしっかり楽しませてもらわねば。
「今日もいい天気だねえ、アリス」
「ええ。気持ちいいくらいの青空だわ」
メイド二人も加わって、ほのぼのとシーツを青の下に広げた。
アリスが掻き集めてきたらしいそれらは、四人の手にかかるとあっという間に干されていった。
〇〇も手できちんと皺を伸ばして整える。抜かりなく意識を周囲に散らしながら。
ところが、今か今かと待ち望んでいるというのに、いっこうに気配さえしない。
アリス最優先の宰相がまさかせっせと仕事に勤しんでいるとは思えないのだが。
「――ペーター、来ないね?」
出し抜けだったのか、アリスはぱっと〇〇の顔を見つめた。
そこに露呈したのは僅かな焦りと動揺。人間が不意に他人に思考を覗かれたときに見せる反応だった。
〇〇はにんまりとする。露骨な笑みではなくても、居心地を悪くさせる類いだったに違いない。
アリスはばつが悪そうに「そうね」と曖昧な相槌を打った。あ、ちょっと赤くなってる。アリスったら可愛いなー。
彼女のこの様子からして、ペーターENDが濃厚だろうか。こちらとしても寝覚めがいいように、相手は誰であれ是非ハッピーエンドを迎えてほしい。
上手くいかないのは現実の十八番だから、夢やゲームには作り物の都合良さがあってもいいと思うのだ。
こちらが一肌脱がなくても、いずれなるようになる二人なのだろう。だが、悠長に眺めているだけというのも味気ない。
せっかくイレギュラーな存在として此処にいるのだ。ここはひとつ、新イベントでも起こすとするか。
言ってしまえば散々したいようにしてきて今更の思いつきである。それはなんてことのない、強いて言うなら“気が向いた”が故の行動だった。
〇〇は空っぽの籠をメイドの一人に預けると、
「じゃ、ちょっくら白ウサギ探しにでも行ってくるわー」
「え……」
声をかけられたアリスが返す反応を選びかねているうちに、その場の人数は三人になっていた。
アリスは確かにこの世界に愛され、彼女も徹底的な拒絶を構えることをしなくなったように見えた。
それを遠目に見守りながら、〇〇自身もまた時間帯を重ねていく。
自分の存在が与えた歪みの形を知らぬまま。
ハートの城を訪れた〇〇は運よくアリスに会うことができた。
ちょうど洗濯物を干そうとしていたらしく、メイド二人と外に出るところだった。
そこで〇〇はにこやかな微笑みに親切心も兼ね備えた下心を隠して手伝うことにした。
アリスに洗濯物と来れば、すぐさま浮かぶ情景があるではないか。
そう、このシーンはあのキャラが飛び込んできておかしくない場面なのである。
(最近、ペタアリはご無沙汰だもんなあ…)
顔を合わせるたびにいちいち突っかかってくるペーターだが、アリスと一緒ならひとまず死を回避できる。
換言すると危険度は通常の倍以上と言えたが多少のリスクは覚悟の上だ。
アリスと二人きりのときにしか見せない一面は致し方ないにしても、普段の交流はしっかり楽しませてもらわねば。
「今日もいい天気だねえ、アリス」
「ええ。気持ちいいくらいの青空だわ」
メイド二人も加わって、ほのぼのとシーツを青の下に広げた。
アリスが掻き集めてきたらしいそれらは、四人の手にかかるとあっという間に干されていった。
〇〇も手できちんと皺を伸ばして整える。抜かりなく意識を周囲に散らしながら。
ところが、今か今かと待ち望んでいるというのに、いっこうに気配さえしない。
アリス最優先の宰相がまさかせっせと仕事に勤しんでいるとは思えないのだが。
「――ペーター、来ないね?」
出し抜けだったのか、アリスはぱっと〇〇の顔を見つめた。
そこに露呈したのは僅かな焦りと動揺。人間が不意に他人に思考を覗かれたときに見せる反応だった。
〇〇はにんまりとする。露骨な笑みではなくても、居心地を悪くさせる類いだったに違いない。
アリスはばつが悪そうに「そうね」と曖昧な相槌を打った。あ、ちょっと赤くなってる。アリスったら可愛いなー。
彼女のこの様子からして、ペーターENDが濃厚だろうか。こちらとしても寝覚めがいいように、相手は誰であれ是非ハッピーエンドを迎えてほしい。
上手くいかないのは現実の十八番だから、夢やゲームには作り物の都合良さがあってもいいと思うのだ。
こちらが一肌脱がなくても、いずれなるようになる二人なのだろう。だが、悠長に眺めているだけというのも味気ない。
せっかくイレギュラーな存在として此処にいるのだ。ここはひとつ、新イベントでも起こすとするか。
言ってしまえば散々したいようにしてきて今更の思いつきである。それはなんてことのない、強いて言うなら“気が向いた”が故の行動だった。
〇〇は空っぽの籠をメイドの一人に預けると、
「じゃ、ちょっくら白ウサギ探しにでも行ってくるわー」
「え……」
声をかけられたアリスが返す反応を選びかねているうちに、その場の人数は三人になっていた。