歪んだ時計の鼓動
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〇〇は腕を擦りつつ歩いていた。
前を行くのは青みがかった長髪の長身――ではなく、顔の判別のつかない赤い兵士。ハートの城の役なしカードだ。
何故〇〇が彼といるのか。ユリウスはどうした。現状を簡潔に言うと、〇〇は突然の呼び出しを受けてその目的地へと向かう最中だった。
それはユリウスと共に時計塔を出て、間もなくのことだった。慌ただしい足音を立ててやってきたのは城の兵士で、彼が携えてきたのは「次の時間帯までに城に来い」という女王の依頼、もとい命令だった。聞けば自分を連れてくるよう命じられた兵士の首も懸かっているという。
現時間帯の長短も定かでないのに、何処にいるとも知れない余所者を探し出せとは、なんとも無茶な。もしもあたしが城の敵対勢力にいたら(その可能性は高い)、命じた彼にどうしろと言うつもりだったのだろう。そこはなんとなく察することができた。おそらくは、捨て身で行け、と。
〇〇としては先約であるユリウスとの食事を優先させたかったのだ(…そこには空腹の訴えもおおいに関係していたが)。
しかし、文字通り命懸けの兵士の懇願に負け、今こうしてハートの城へと急いでいるわけだ。
(ユリウス…あんなに怒らなくても、「次の機会に」って言ったのに)
兵士を優先させるとわかった途端、ユリウスが腕を掴んできたのだ。
行くのか、と握り締めたあれは、ひょっとして一瞬加減を忘れていたのではないだろうか。そうでなければ、鈍くだがこんなにも痛みを引きずるはずがない。
妙に訴えてくる腕の疼きと、離れた直後のユリウスの顔。
そんなに食事に行きたかったのか、なんていう冗談を口に出せない雰囲気があった。あんな目で見つめられても、返すべき適当な答えを、あたしは知らない。
なんにせよ後味が悪い、と思う〇〇は、名残を振り切るように足を速めて兵士の後を追った。
前を行くのは青みがかった長髪の長身――ではなく、顔の判別のつかない赤い兵士。ハートの城の役なしカードだ。
何故〇〇が彼といるのか。ユリウスはどうした。現状を簡潔に言うと、〇〇は突然の呼び出しを受けてその目的地へと向かう最中だった。
それはユリウスと共に時計塔を出て、間もなくのことだった。慌ただしい足音を立ててやってきたのは城の兵士で、彼が携えてきたのは「次の時間帯までに城に来い」という女王の依頼、もとい命令だった。聞けば自分を連れてくるよう命じられた兵士の首も懸かっているという。
現時間帯の長短も定かでないのに、何処にいるとも知れない余所者を探し出せとは、なんとも無茶な。もしもあたしが城の敵対勢力にいたら(その可能性は高い)、命じた彼にどうしろと言うつもりだったのだろう。そこはなんとなく察することができた。おそらくは、捨て身で行け、と。
〇〇としては先約であるユリウスとの食事を優先させたかったのだ(…そこには空腹の訴えもおおいに関係していたが)。
しかし、文字通り命懸けの兵士の懇願に負け、今こうしてハートの城へと急いでいるわけだ。
(ユリウス…あんなに怒らなくても、「次の機会に」って言ったのに)
兵士を優先させるとわかった途端、ユリウスが腕を掴んできたのだ。
行くのか、と握り締めたあれは、ひょっとして一瞬加減を忘れていたのではないだろうか。そうでなければ、鈍くだがこんなにも痛みを引きずるはずがない。
妙に訴えてくる腕の疼きと、離れた直後のユリウスの顔。
そんなに食事に行きたかったのか、なんていう冗談を口に出せない雰囲気があった。あんな目で見つめられても、返すべき適当な答えを、あたしは知らない。
なんにせよ後味が悪い、と思う〇〇は、名残を振り切るように足を速めて兵士の後を追った。