引き金を引いたのは誰か
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「…あ」
考え事をしながら歩いていたのがいけなかったのかもしれない。ふと顔を上げると、真っ赤な色が目に飛び込んできた。
ここは森の中だ。緑と茶色でおおかた成り立っているこの場所で、赤ときて考えられそうなものはリンゴくらいだ。それ以外の赤は人工的なもの――人が身につける服しか考えられない。
(この森でリンゴの木とか見たことねーしな!)
我ながら無茶な現実逃避だ。それでもせずにはいられない。
この辺りを出歩いていそうで、なおかつ赤を纏う人物は…。〇〇はくるりと方向転換をすると、早足に来た道を戻り始めた。
仕事の時間はまだ先だし、絶対に向こう側に行きたいということはない。
アリスの相手役になるキャラと一対一で会ったとして、〇〇にはあまり意味のないことなのだ。別に会いたくないというわけでもない(目の保養にもなるので)。だが肝心のアリスがいなくてはなにも始まらないというもの。
そう。だからこれは逃げているわけではない。断じてない。会ってもメリットがない上に、奴の所持品にちょっとばかし“脅威”を覚えるだけだ。
再び周囲が緑と茶色に変わった頃、立ち止まった〇〇は顎に手を当てて思案した。さて、どうしたものか。
余所者の特質ゆえに、何処に行っても無下にされることはない。訪ねれば一応歓迎されるだろう。それなら、どのキャラかに探りを入れてアリスとの進展状況を知るもよし。
(時間は有効的に使わないとなあ…)
一人納得し、どの領地に行こうかと悩む〇〇に忍び寄る、ひとつの影。
影は音もなく背後に立つと、すう…とその手を伸ばした。そして。
「――やあ〇〇!そんなに急いで何処に行くんだい?」
「ぎゃ…っ!」
自分以外周囲には誰もいないはずの森の中。前触れもなくぽんと肩を叩かれればそりゃ驚く。
奇声を飲み込んで振り向いた〇〇は、さらに目眩までも覚えた。ありえない…!
「なんで……ここにいるんだ、エース!」
「え?なんでと言われても」
「さっきまでいなかったのに、どこから湧いて出たっ」
爽やかな笑顔に困惑を浮かべた彼は、あっと思い出したように声を上げた。
「そんなことよりさ、」
「そんなことって…(はぐらかしたなこの男)」
「君、さっき俺を見て逃げただろ?」
「逃げ、るわけないじゃない。ていうか、今日エースとは初めて会ったんだけど?」
内心ぎくりとする。エースの姿に踵を返したのは事実だから、逃げ出したと取られても無理はない。
自身の野望を叶えるためには、ここで不審がられるのは得策ではない。内心を一切漏らさずに嘯けば、拍子抜けするほどあっさりと納得させることができた(んだよね?)。
「たしかに君を見たと思ったんだけど…あれ?そう言われると、見間違いだったような気がするなあ…」
「きっとそうだって」
嘘を押し切りつつ、次に取るべき行動を頭の中でシミュレーションする。ここで「はいさようなら」と別れられるとは甘く考えていない。
案の定、〇〇が離れる口実を見つける前に、エースが先手を打った。
「見たところ、急ぎの用があるわけでもないみたいだし…。なあ、これからちょっと付き合わないか?」
「…なにに」
わかっていても尋ねずにはいられなかった。
「もちろん旅にさ!今日は誰かと一緒に繰り出したい気分だったんだ」
君に会えてラッキーだと笑いかけられれば、そりゃよかったなと乾いた笑みを返すしかなかった。
一見すればエースのそれは、爽やかお兄さんの素敵なお誘いである。
エースに限らず、顔の判別がつく役持ちは皆容姿は整っている。忘れてはならない。この世界は恋愛アドベンチャーゲームなのだ。
性格に難のある連中ばかりだが、その点に目を瞑れるなら逆ハーレム状態を満喫できる(かもしれない)。あ、ウサ耳猫耳変な服装からも目を背けるべきか。
考え事をしながら歩いていたのがいけなかったのかもしれない。ふと顔を上げると、真っ赤な色が目に飛び込んできた。
ここは森の中だ。緑と茶色でおおかた成り立っているこの場所で、赤ときて考えられそうなものはリンゴくらいだ。それ以外の赤は人工的なもの――人が身につける服しか考えられない。
(この森でリンゴの木とか見たことねーしな!)
我ながら無茶な現実逃避だ。それでもせずにはいられない。
この辺りを出歩いていそうで、なおかつ赤を纏う人物は…。〇〇はくるりと方向転換をすると、早足に来た道を戻り始めた。
仕事の時間はまだ先だし、絶対に向こう側に行きたいということはない。
アリスの相手役になるキャラと一対一で会ったとして、〇〇にはあまり意味のないことなのだ。別に会いたくないというわけでもない(目の保養にもなるので)。だが肝心のアリスがいなくてはなにも始まらないというもの。
そう。だからこれは逃げているわけではない。断じてない。会ってもメリットがない上に、奴の所持品にちょっとばかし“脅威”を覚えるだけだ。
再び周囲が緑と茶色に変わった頃、立ち止まった〇〇は顎に手を当てて思案した。さて、どうしたものか。
余所者の特質ゆえに、何処に行っても無下にされることはない。訪ねれば一応歓迎されるだろう。それなら、どのキャラかに探りを入れてアリスとの進展状況を知るもよし。
(時間は有効的に使わないとなあ…)
一人納得し、どの領地に行こうかと悩む〇〇に忍び寄る、ひとつの影。
影は音もなく背後に立つと、すう…とその手を伸ばした。そして。
「――やあ〇〇!そんなに急いで何処に行くんだい?」
「ぎゃ…っ!」
自分以外周囲には誰もいないはずの森の中。前触れもなくぽんと肩を叩かれればそりゃ驚く。
奇声を飲み込んで振り向いた〇〇は、さらに目眩までも覚えた。ありえない…!
「なんで……ここにいるんだ、エース!」
「え?なんでと言われても」
「さっきまでいなかったのに、どこから湧いて出たっ」
爽やかな笑顔に困惑を浮かべた彼は、あっと思い出したように声を上げた。
「そんなことよりさ、」
「そんなことって…(はぐらかしたなこの男)」
「君、さっき俺を見て逃げただろ?」
「逃げ、るわけないじゃない。ていうか、今日エースとは初めて会ったんだけど?」
内心ぎくりとする。エースの姿に踵を返したのは事実だから、逃げ出したと取られても無理はない。
自身の野望を叶えるためには、ここで不審がられるのは得策ではない。内心を一切漏らさずに嘯けば、拍子抜けするほどあっさりと納得させることができた(んだよね?)。
「たしかに君を見たと思ったんだけど…あれ?そう言われると、見間違いだったような気がするなあ…」
「きっとそうだって」
嘘を押し切りつつ、次に取るべき行動を頭の中でシミュレーションする。ここで「はいさようなら」と別れられるとは甘く考えていない。
案の定、〇〇が離れる口実を見つける前に、エースが先手を打った。
「見たところ、急ぎの用があるわけでもないみたいだし…。なあ、これからちょっと付き合わないか?」
「…なにに」
わかっていても尋ねずにはいられなかった。
「もちろん旅にさ!今日は誰かと一緒に繰り出したい気分だったんだ」
君に会えてラッキーだと笑いかけられれば、そりゃよかったなと乾いた笑みを返すしかなかった。
一見すればエースのそれは、爽やかお兄さんの素敵なお誘いである。
エースに限らず、顔の判別がつく役持ちは皆容姿は整っている。忘れてはならない。この世界は恋愛アドベンチャーゲームなのだ。
性格に難のある連中ばかりだが、その点に目を瞑れるなら逆ハーレム状態を満喫できる(かもしれない)。あ、ウサ耳猫耳変な服装からも目を背けるべきか。