狂う世界の歯車、その渦中で足掻け
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
自分をまったく価値のない人間だと思うわけではない。
消えたところで世界になんら影響しない、ちっぽけな存在ではあるが、少なくとも家族は大切に思ってくれていることだろう。
しかしそれは元の世界での話であって、この赤の世界における〇〇の存在は、実のところ軽視されても不思議はないはずだった。
絶対的なヒロイン、アリスを中心に回るゲームの世界。同じ余所者であっても、〇〇は所詮イレギュラー。
だからこそ傍観者として楽しめるはずなのに、徐々に流れが思わしくない方向に向かっているような気がする。
(ペーターの嫌悪には慣れてる。……慣れたと思ってたのに、な)
嫌悪を超えた憎悪。憎悪を超えたその先に、なにがあるというのだろう。
憎い相手を傷つけるため、辱めるため。日頃の鬱憤をぶちまけるために、彼がああした行動に出たというのなら、〇〇の身から出た錆ということになる。
自分が楽しむことを優先した結果が物語の崩壊に繋がるのだとしたら、今までのように気ままに動くことは考えたほうがよさそうだ。
壁に手をつき、シャワーを頭から浴びる。
水を飲み込んでいく排水溝を見下ろして、〇〇はふと現実を思った。
(今頃、どうしてるかな…)
優しい彼。断りもなく音信不通になった、薄情な恋人のことなど、とっくに過去にしてしまっただろうか。
恋人とは名ばかりで、思いやりの浪費にしかならない関係。それでも、もしかしたら…と望んだのだ。
忘却を与えてくれるかもしれない。この不毛な感情を過去にしてくれるかもしれない、と。
「――誰か。未練がましいあたしを、どうにかしてよ」
〇〇は再び現実から目を背け、かすかに自嘲すると、肌に打ちつける水を止めた。
消えたところで世界になんら影響しない、ちっぽけな存在ではあるが、少なくとも家族は大切に思ってくれていることだろう。
しかしそれは元の世界での話であって、この赤の世界における〇〇の存在は、実のところ軽視されても不思議はないはずだった。
絶対的なヒロイン、アリスを中心に回るゲームの世界。同じ余所者であっても、〇〇は所詮イレギュラー。
だからこそ傍観者として楽しめるはずなのに、徐々に流れが思わしくない方向に向かっているような気がする。
(ペーターの嫌悪には慣れてる。……慣れたと思ってたのに、な)
嫌悪を超えた憎悪。憎悪を超えたその先に、なにがあるというのだろう。
憎い相手を傷つけるため、辱めるため。日頃の鬱憤をぶちまけるために、彼がああした行動に出たというのなら、〇〇の身から出た錆ということになる。
自分が楽しむことを優先した結果が物語の崩壊に繋がるのだとしたら、今までのように気ままに動くことは考えたほうがよさそうだ。
壁に手をつき、シャワーを頭から浴びる。
水を飲み込んでいく排水溝を見下ろして、〇〇はふと現実を思った。
(今頃、どうしてるかな…)
優しい彼。断りもなく音信不通になった、薄情な恋人のことなど、とっくに過去にしてしまっただろうか。
恋人とは名ばかりで、思いやりの浪費にしかならない関係。それでも、もしかしたら…と望んだのだ。
忘却を与えてくれるかもしれない。この不毛な感情を過去にしてくれるかもしれない、と。
「――誰か。未練がましいあたしを、どうにかしてよ」
〇〇は再び現実から目を背け、かすかに自嘲すると、肌に打ちつける水を止めた。