交差
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大人の静雄と過ごした池袋からは長く離れていた気がするが、●●の記憶の中となんら変わらないようだった。
それもそうだ。一般人が一人いなくなったところで影響は皆無、あったとしてもきっと微々たるものだろう。
それでも、ここで生活する大勢の人間が知らない出来事は、自分たちにとっては大事件だったのだ。
●●は昨日と同じ服を、静雄はいつものバーテン服を着て歩いていた。(馴染みの格好が一番落ち着くらしい)
――わたしのことを、静さんに知ってほしいんです。
そう言って●●は静雄を連れ出した。行き先は言わなかった。●●自身にもわからないからだ。
詳しいことを語らず手を引く●●に静雄はおとなしく従った。
なにか察しているのだろう、時折黙って手を握り返すことで気持ちを和らげてくれる。
彼の優しさに勇気を得て、不安を遠くに押しやるように歩を進め、街中のあちこちに目を向けた。
●●が探しているのは世界を繋ぐ白いドアだった。
いきなり異世界から来ましたと言っても、客観的に考えると荒唐無稽な話に思える。
まずは実際にその目で見てもらうのが一番だと、●●は周囲を注意深く見回した。
ドアそのものを見ることは不可能でも、通り抜ける際●●の身になにかしら変化が起こるはずだ。それを確かめてもらおう。
やがて不自然にその場に佇む扉を視界に捉えた。それは幾度となく●●を運んだものに相違なかった。
俄かに緊張感を帯びた足取りになったが、それでも●●は歩調を緩めなかった。
白いドアを一心に見据え、距離を詰めていく。不意に引き止められたのはそのときだ。
「●●!ちょ、ちょっと待て…」
「は、はいっ」
思わず大袈裟に肩を揺らしてしまった。集中しすぎていたため、ぱっと目が覚めたような気になる。
なにかまずいことでもあっただろうか。押し寄せる不安に●●が振り仰ぐと、静雄はなぜか顔を赤らめていた。
「その、そういうことは、だな…。それなりに順序を踏んでからのほうが、いいと思うんだ」
「…はい?」
「昨日あんなことしちまった俺が言っても説得力なんかねぇだろうが…。性急すぎるっつーか、あ、いや別にお前に触りたくねぇってわけじゃねえ!むしろ触りてぇけど、でも、男としてのケジメってもんがあってだなぁ…!?」
彼はなにを慌てているのだろう。さっぱりわけがわからず、ふと目を遣った●●は――ようやく周囲を認識した。
そして瞬く間に静雄の赤が伝染する。率先して引いていた手を離して首と一緒にぶんぶん振った。
「あっ、ちが…違うんです!た、たしかに行き先はこんなですけど、目的はそういうことじゃなくて…!」
まったく気づかなかった。●●が向かおうとしていた扉の立地場所は、なんとラブホテルだったのだ。
なんの説明もない状態で、ホテルに連れ込む格好になっていたとは。とんでもない誤解をさせてしまった。
場所が場所だけに、こうして騒いでいるだけで人目は集まってくる。
落ち着いて話もしていられないと、●●は静雄の手を再び掴むと駆け出した。べ、別のドアを探そう!
それもそうだ。一般人が一人いなくなったところで影響は皆無、あったとしてもきっと微々たるものだろう。
それでも、ここで生活する大勢の人間が知らない出来事は、自分たちにとっては大事件だったのだ。
●●は昨日と同じ服を、静雄はいつものバーテン服を着て歩いていた。(馴染みの格好が一番落ち着くらしい)
――わたしのことを、静さんに知ってほしいんです。
そう言って●●は静雄を連れ出した。行き先は言わなかった。●●自身にもわからないからだ。
詳しいことを語らず手を引く●●に静雄はおとなしく従った。
なにか察しているのだろう、時折黙って手を握り返すことで気持ちを和らげてくれる。
彼の優しさに勇気を得て、不安を遠くに押しやるように歩を進め、街中のあちこちに目を向けた。
●●が探しているのは世界を繋ぐ白いドアだった。
いきなり異世界から来ましたと言っても、客観的に考えると荒唐無稽な話に思える。
まずは実際にその目で見てもらうのが一番だと、●●は周囲を注意深く見回した。
ドアそのものを見ることは不可能でも、通り抜ける際●●の身になにかしら変化が起こるはずだ。それを確かめてもらおう。
やがて不自然にその場に佇む扉を視界に捉えた。それは幾度となく●●を運んだものに相違なかった。
俄かに緊張感を帯びた足取りになったが、それでも●●は歩調を緩めなかった。
白いドアを一心に見据え、距離を詰めていく。不意に引き止められたのはそのときだ。
「●●!ちょ、ちょっと待て…」
「は、はいっ」
思わず大袈裟に肩を揺らしてしまった。集中しすぎていたため、ぱっと目が覚めたような気になる。
なにかまずいことでもあっただろうか。押し寄せる不安に●●が振り仰ぐと、静雄はなぜか顔を赤らめていた。
「その、そういうことは、だな…。それなりに順序を踏んでからのほうが、いいと思うんだ」
「…はい?」
「昨日あんなことしちまった俺が言っても説得力なんかねぇだろうが…。性急すぎるっつーか、あ、いや別にお前に触りたくねぇってわけじゃねえ!むしろ触りてぇけど、でも、男としてのケジメってもんがあってだなぁ…!?」
彼はなにを慌てているのだろう。さっぱりわけがわからず、ふと目を遣った●●は――ようやく周囲を認識した。
そして瞬く間に静雄の赤が伝染する。率先して引いていた手を離して首と一緒にぶんぶん振った。
「あっ、ちが…違うんです!た、たしかに行き先はこんなですけど、目的はそういうことじゃなくて…!」
まったく気づかなかった。●●が向かおうとしていた扉の立地場所は、なんとラブホテルだったのだ。
なんの説明もない状態で、ホテルに連れ込む格好になっていたとは。とんでもない誤解をさせてしまった。
場所が場所だけに、こうして騒いでいるだけで人目は集まってくる。
落ち着いて話もしていられないと、●●は静雄の手を再び掴むと駆け出した。べ、別のドアを探そう!