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38、それぞれの朝
鳥の囀りに促されるように、朝の目覚めはごく自然に訪れた。
充足感に満ちた、とても幸せな夢を見ていたような気分だった。
●●はうっすら目を開けたものの、あまりの心地よさにしばらくぼーっとしてしまった。
(……いま、何時だろ……何曜日だっけ……?)
再び眠気に攫われそうになりながら、なんとか頭を働かせようとする。
寝返りを打とうとした●●は、身体の上になにかが乗っていることに気づいた。
(ん……?)
すっかり明るくなった室内で、目の前に見えたのは、肌色。
すうすうと聞こえてくる寝息に合わせて、安らかに規則正しい動きを繰り返している。
それが人であると知り、さらに相手も自分も裸同然の姿だとわかったとき、
「――……っ!?」
大声を上げそうになった口を咄嗟に塞いだ手を褒めてやりたい。
まるで我が家にいるような気になっていたが、思い出した。ここは静雄の部屋だ。
●●はぎょっとした心臓を落ち着かせ、一気に上がった体温を平常に戻そうと深呼吸をした。
しかし、なかなか治まらない。覚醒した頭が、まざまざと昨夜の出来事をよみがえらせたせいだった。
(ぅわ、あ、お、おおお落ち着けっ、わたし…!)
若干パニック状態に陥ったが、それは内面の動揺であり、実際の●●はほぼ硬直していた。
近すぎる距離に静雄がいる。大人の静雄だ。●●が会いたいと願った静雄だ。
もう会えないと思っていた高校生の彼が、成長して大人になった姿。
出会う順序は逆になった。それでも、●●が求めたのは平和島静雄という、ただ一人の人間だったのだ。
相変わらず頬は熱を持ったままだったが、心臓は徐々に平静を取り戻していった。
こうして誰かと抱き合って朝を迎えるのは初めてのことだ。
優しい腕の中でもう少しまどろんでいたい。だが、外の気配を察するに、すでに日は高く昇っているらしい。
名残惜しいが、ひとまず起床しよう。●●は自分を覆う脱力した腕をそっと持ち上げ、ぬくもりから抜け出した。
ベッドの下には二人の服が無造作に落ちていた。なんだか妙に生々しい光景である。
それを見てまた赤面しつつ、●●はスウェットを拾い上げて下着の上に被った。
久しぶりに見る静雄の寝顔は穏やかで、幼さの残る年下の彼を彷彿させた。
「……ただいま、静くん」
また会えて、本当によかった。もう離れたくない。
横を向いて眠る静雄の胸元、自分のいなくなった空間が少し寂しげで。
そんなふうに見えてしまう自分を傲慢だなあと笑って、●●は掛け布団をかけ直した。
今度、大きめのぬいぐるみを買ってこようか。
誰にも譲りたくない彼の腕の中を、いつでもキープできるように。
鳥の囀りに促されるように、朝の目覚めはごく自然に訪れた。
充足感に満ちた、とても幸せな夢を見ていたような気分だった。
●●はうっすら目を開けたものの、あまりの心地よさにしばらくぼーっとしてしまった。
(……いま、何時だろ……何曜日だっけ……?)
再び眠気に攫われそうになりながら、なんとか頭を働かせようとする。
寝返りを打とうとした●●は、身体の上になにかが乗っていることに気づいた。
(ん……?)
すっかり明るくなった室内で、目の前に見えたのは、肌色。
すうすうと聞こえてくる寝息に合わせて、安らかに規則正しい動きを繰り返している。
それが人であると知り、さらに相手も自分も裸同然の姿だとわかったとき、
「――……っ!?」
大声を上げそうになった口を咄嗟に塞いだ手を褒めてやりたい。
まるで我が家にいるような気になっていたが、思い出した。ここは静雄の部屋だ。
●●はぎょっとした心臓を落ち着かせ、一気に上がった体温を平常に戻そうと深呼吸をした。
しかし、なかなか治まらない。覚醒した頭が、まざまざと昨夜の出来事をよみがえらせたせいだった。
(ぅわ、あ、お、おおお落ち着けっ、わたし…!)
若干パニック状態に陥ったが、それは内面の動揺であり、実際の●●はほぼ硬直していた。
近すぎる距離に静雄がいる。大人の静雄だ。●●が会いたいと願った静雄だ。
もう会えないと思っていた高校生の彼が、成長して大人になった姿。
出会う順序は逆になった。それでも、●●が求めたのは平和島静雄という、ただ一人の人間だったのだ。
相変わらず頬は熱を持ったままだったが、心臓は徐々に平静を取り戻していった。
こうして誰かと抱き合って朝を迎えるのは初めてのことだ。
優しい腕の中でもう少しまどろんでいたい。だが、外の気配を察するに、すでに日は高く昇っているらしい。
名残惜しいが、ひとまず起床しよう。●●は自分を覆う脱力した腕をそっと持ち上げ、ぬくもりから抜け出した。
ベッドの下には二人の服が無造作に落ちていた。なんだか妙に生々しい光景である。
それを見てまた赤面しつつ、●●はスウェットを拾い上げて下着の上に被った。
久しぶりに見る静雄の寝顔は穏やかで、幼さの残る年下の彼を彷彿させた。
「……ただいま、静くん」
また会えて、本当によかった。もう離れたくない。
横を向いて眠る静雄の胸元、自分のいなくなった空間が少し寂しげで。
そんなふうに見えてしまう自分を傲慢だなあと笑って、●●は掛け布団をかけ直した。
今度、大きめのぬいぐるみを買ってこようか。
誰にも譲りたくない彼の腕の中を、いつでもキープできるように。