交差
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扉一枚を挟んだ向こうでシャワーの音が聞こえる。静雄はそこに凭れかかり、耳を澄ませていた。
呼びかけては返ってくる声に安堵し、しばらくしてまた不安に駆られて、名前を呼ぶ。
今すぐにでも扉を開け放ち、●●がちゃんとそこにいることを、直接確認したい。
本当にやってしまえば、ただの変態である。信頼も失いかねないので自重する。が、やはり心細かった。
(なにやってんだ、俺は……)
まるで母親を求める子供のようではないか。静雄は呆れる第三者のような自分を認識した。
項垂れると、濡れたままの髪から雫が垂れた。
被っただけのタオルに手をやったが、拭こうという気にならず、持ち上げた手を再びだらりと落とした。
烏の行水で先に汗を流した静雄は、その間も●●に傍にいてくれるよう頼んだのだ。
彼女はちょっと赤い顔をして、願いを叶えてくれた。今は交代である。
昔見たものと同じ●●の服からは、静雄の母親が好んで使っていた洗剤の香りがした。
汚れてはいないようだが、この服では寝られないだろうと、寝間着代わりに自分のスウェットを置いた。
――今夜、●●を家に帰す気は微塵もなかった。
「静さん、これ…」
「今日は泊まってくれ。頼む」
着替えは一応上下を用意したが、やはりズボンはサイズの問題で不要だったらしく、上着だけを着た●●の姿があった。
●●は髪を乾かす間もなく現れた静雄を見て、目を丸くした。
彼女を一晩部屋に留めたことは一度だけあった。酒を飲んで眠ってしまったという、真っ当な理由からだ。
こうして口に出して誘うのは初めてだったが、決して軽い気持ちなどではない。
静雄は縋る思いで●●が頷いてくれることを願った。
今日だけはどうしても、背を向けて去っていく姿を見送ることができそうにない。
首を横に振られれば、きっと最低な行動に出てしまう。
「●●」
頼むから、拒絶しないでくれ。
「いいですよ」
●●は、拍子抜けするほどあっさり頷いた。
静雄の頭にあるタオルに手を伸ばし、いまだに濡れたままの髪を拭きながら優しく微笑んで言った。
「わたしも、今夜は静さんと一緒にいたいです」
呼びかけては返ってくる声に安堵し、しばらくしてまた不安に駆られて、名前を呼ぶ。
今すぐにでも扉を開け放ち、●●がちゃんとそこにいることを、直接確認したい。
本当にやってしまえば、ただの変態である。信頼も失いかねないので自重する。が、やはり心細かった。
(なにやってんだ、俺は……)
まるで母親を求める子供のようではないか。静雄は呆れる第三者のような自分を認識した。
項垂れると、濡れたままの髪から雫が垂れた。
被っただけのタオルに手をやったが、拭こうという気にならず、持ち上げた手を再びだらりと落とした。
烏の行水で先に汗を流した静雄は、その間も●●に傍にいてくれるよう頼んだのだ。
彼女はちょっと赤い顔をして、願いを叶えてくれた。今は交代である。
昔見たものと同じ●●の服からは、静雄の母親が好んで使っていた洗剤の香りがした。
汚れてはいないようだが、この服では寝られないだろうと、寝間着代わりに自分のスウェットを置いた。
――今夜、●●を家に帰す気は微塵もなかった。
「静さん、これ…」
「今日は泊まってくれ。頼む」
着替えは一応上下を用意したが、やはりズボンはサイズの問題で不要だったらしく、上着だけを着た●●の姿があった。
●●は髪を乾かす間もなく現れた静雄を見て、目を丸くした。
彼女を一晩部屋に留めたことは一度だけあった。酒を飲んで眠ってしまったという、真っ当な理由からだ。
こうして口に出して誘うのは初めてだったが、決して軽い気持ちなどではない。
静雄は縋る思いで●●が頷いてくれることを願った。
今日だけはどうしても、背を向けて去っていく姿を見送ることができそうにない。
首を横に振られれば、きっと最低な行動に出てしまう。
「●●」
頼むから、拒絶しないでくれ。
「いいですよ」
●●は、拍子抜けするほどあっさり頷いた。
静雄の頭にあるタオルに手を伸ばし、いまだに濡れたままの髪を拭きながら優しく微笑んで言った。
「わたしも、今夜は静さんと一緒にいたいです」