交差
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脱衣所から出てきた姿を極力視界に入れないようにしながら、リビングにあるソファーを勧める。
入れ違いに脱衣所に入った静雄は洗濯機を回した。洗濯物の量は少ないため、乾燥が終わるまでは思ったより早いかもしれない。
がたがたと動き出す洗濯機に背を向け、深呼吸をする。鏡に映る自分の目を見つめ、よし、と気合いを入れた。
「あ、静くん。ありがと…う?」
足早に歩み寄った静雄は、ソファーに座っていた●●に向かって勢いよくバスタオルを広げた。
目の毒である刺激的な白い脚が見えなくなって、やっと人心地がつく。
きょとんとした顔をする●●と目が合ってしまい、静雄はすぐに熱を持つ頬にばつの悪い思いをしながら顔を背けた。
「こ…こうしたほうが落ち着くかと思って」
彼女のためであり、大半は自分のためである。いつまでも赤面したままではかっこ悪すぎる。
静雄の事情を知らない●●は、礼を言ってバスタオルをかけ直した。
あまり人に感謝されることが多くない静雄には、彼女の言う“ありがとう”が照れくさく、嬉しかった。
――さて。やるべきことを終え、ようやく二人の時間が始まった。
ここにきて二人きりだという実感がじわじわと湧いてくる中、静雄は挙動が不自然にならないように努めた。
冷蔵庫からジュースと、目に入ったプリンを取り出す。ジュースはグラスに注ぎ、プリンは皿に移した。
できることなら手料理のひとつも出したかったが、●●の口に合うものを作れる自信がなかった。
「もし腹が減ってんなら、もっと他にも出すけど…とりあえず、これ」
「あっ、プリン」
白い皿の上で揺れた黄色いものを見て、●●の顔が綻んだ。が、静雄とプリンを見比べて、
「これ、静くんのでしょう?わたしが食べちゃっていいの?」
少し困ったように微笑んで、目で窺ってくる。静雄は思わず自分の顔を触った。
(俺、そんなにプリン好きの顔してるのか…?)
静雄のものだろうと気遣う彼女は、まるでプリンが静雄の好物だと知っているようだった。
再度勧めたことでスプーンを持った●●を、さりげなく盗み見る。
ふとした瞬間、●●は自分のことをよく知っているのではないかと思うことがある。
決まった場所、限られた時間内でしか会うことのない関係。
静雄は自分から自身のことをあまり話さず、それは●●のほうも同じだったが、彼女から尋ねてくることも少なかった。
相手に対して無関心だからではなく、その必要がないというふうに。
「静くん…やっぱり食べたくなっちゃった?」
食べる?とスプーンに乗せた一口を差し出す微笑みが、大きく鼓動を弾ませる。
(――……っ)
無意識のうちに開いた口の中に広がったのは、大好きな味だったはずだ。
入れ違いに脱衣所に入った静雄は洗濯機を回した。洗濯物の量は少ないため、乾燥が終わるまでは思ったより早いかもしれない。
がたがたと動き出す洗濯機に背を向け、深呼吸をする。鏡に映る自分の目を見つめ、よし、と気合いを入れた。
「あ、静くん。ありがと…う?」
足早に歩み寄った静雄は、ソファーに座っていた●●に向かって勢いよくバスタオルを広げた。
目の毒である刺激的な白い脚が見えなくなって、やっと人心地がつく。
きょとんとした顔をする●●と目が合ってしまい、静雄はすぐに熱を持つ頬にばつの悪い思いをしながら顔を背けた。
「こ…こうしたほうが落ち着くかと思って」
彼女のためであり、大半は自分のためである。いつまでも赤面したままではかっこ悪すぎる。
静雄の事情を知らない●●は、礼を言ってバスタオルをかけ直した。
あまり人に感謝されることが多くない静雄には、彼女の言う“ありがとう”が照れくさく、嬉しかった。
――さて。やるべきことを終え、ようやく二人の時間が始まった。
ここにきて二人きりだという実感がじわじわと湧いてくる中、静雄は挙動が不自然にならないように努めた。
冷蔵庫からジュースと、目に入ったプリンを取り出す。ジュースはグラスに注ぎ、プリンは皿に移した。
できることなら手料理のひとつも出したかったが、●●の口に合うものを作れる自信がなかった。
「もし腹が減ってんなら、もっと他にも出すけど…とりあえず、これ」
「あっ、プリン」
白い皿の上で揺れた黄色いものを見て、●●の顔が綻んだ。が、静雄とプリンを見比べて、
「これ、静くんのでしょう?わたしが食べちゃっていいの?」
少し困ったように微笑んで、目で窺ってくる。静雄は思わず自分の顔を触った。
(俺、そんなにプリン好きの顔してるのか…?)
静雄のものだろうと気遣う彼女は、まるでプリンが静雄の好物だと知っているようだった。
再度勧めたことでスプーンを持った●●を、さりげなく盗み見る。
ふとした瞬間、●●は自分のことをよく知っているのではないかと思うことがある。
決まった場所、限られた時間内でしか会うことのない関係。
静雄は自分から自身のことをあまり話さず、それは●●のほうも同じだったが、彼女から尋ねてくることも少なかった。
相手に対して無関心だからではなく、その必要がないというふうに。
「静くん…やっぱり食べたくなっちゃった?」
食べる?とスプーンに乗せた一口を差し出す微笑みが、大きく鼓動を弾ませる。
(――……っ)
無意識のうちに開いた口の中に広がったのは、大好きな味だったはずだ。