眠りから醒めるまで
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りんご、と呼ばれる女の子がいた。
本名は●●という。苗字はない。そういうことになっている。
●●をりんごと呼び始めたのは誰だったろうか。たぶん銀時が最初だったと思う。
吉田松陽のもとに銀時よりも先にいた、身寄りのない訳アリらしい少女。
肩にも満たない短い黒髪は羨ましいほどのストレートだが、左側の一房だけがちょこっと癖毛。
幼い丸顔はどこにでもいるような、よくて中の上という感じの、これといった特徴のない顔立ち。
初めて顔を合わせたとき、目が合ったとき、●●の頬が面白いほど赤く染まるのを見た銀時は思ったのだ。
りんごみたいでうまそーだな、と。
●●は平凡な容姿に違わず中身も凡人、と言い切るには不思議な人間だった。
正確な歳はわからないが見かけは銀時より下のように見える。
他人と関わるのが苦手らしく積極性に欠ける性格で、目が合うだけで赤面するのだ。
しかし、言葉を交わせばわかる。ぎこちないながらもしっかりした受け答えは外見よりおとなびていて、遥か年上のように感じられた。
松陽が●●を子どもというより、一人前の女性として扱う場面を幾度となく見ている影響もあるかもしれない。
●●も他の誰でもない彼の前ではずっと自然体でいられるようだった。相変わらず顔は赤かったが。
自分には知り得ない何かが二人の間にはあるようで、銀時は仲間はずれにされた、つまらないといった気持ちを覚えたものだ。
「●●さん、味見をしてもらえますか?」
「はい、先生。あ、火加減をお願いします」
「わかりました。お味のほうはどうでしょう」
「いい塩梅です」
食事は主に●●が作っていたが、松陽も時折様子を見がてら手を貸すことがあった。
厨に二人が並んでいる姿を銀時はじっと窺った。……まるで夫婦みてーじゃねェか。
もっとも、幼妻は踏み台を使わなければならないほどのガキだが。どうも親子には見えない。
ロリコンか。銀時の心の中の呟きが聞こえたかのように松陽が振り返った。ぎくりとした。
「おや、珍しい。手伝いに来たんですか?」
●●が声につられて振り向き、銀時を認めると笑いかけた。一緒に過ごす時間が増えていくと、こうやって遠慮のない笑顔を見られるようになった。
「銀ちゃん、お腹すいた?もうちょっと待っててね」
オメーは俺の母ちゃんか。
本名は●●という。苗字はない。そういうことになっている。
●●をりんごと呼び始めたのは誰だったろうか。たぶん銀時が最初だったと思う。
吉田松陽のもとに銀時よりも先にいた、身寄りのない訳アリらしい少女。
肩にも満たない短い黒髪は羨ましいほどのストレートだが、左側の一房だけがちょこっと癖毛。
幼い丸顔はどこにでもいるような、よくて中の上という感じの、これといった特徴のない顔立ち。
初めて顔を合わせたとき、目が合ったとき、●●の頬が面白いほど赤く染まるのを見た銀時は思ったのだ。
りんごみたいでうまそーだな、と。
●●は平凡な容姿に違わず中身も凡人、と言い切るには不思議な人間だった。
正確な歳はわからないが見かけは銀時より下のように見える。
他人と関わるのが苦手らしく積極性に欠ける性格で、目が合うだけで赤面するのだ。
しかし、言葉を交わせばわかる。ぎこちないながらもしっかりした受け答えは外見よりおとなびていて、遥か年上のように感じられた。
松陽が●●を子どもというより、一人前の女性として扱う場面を幾度となく見ている影響もあるかもしれない。
●●も他の誰でもない彼の前ではずっと自然体でいられるようだった。相変わらず顔は赤かったが。
自分には知り得ない何かが二人の間にはあるようで、銀時は仲間はずれにされた、つまらないといった気持ちを覚えたものだ。
「●●さん、味見をしてもらえますか?」
「はい、先生。あ、火加減をお願いします」
「わかりました。お味のほうはどうでしょう」
「いい塩梅です」
食事は主に●●が作っていたが、松陽も時折様子を見がてら手を貸すことがあった。
厨に二人が並んでいる姿を銀時はじっと窺った。……まるで夫婦みてーじゃねェか。
もっとも、幼妻は踏み台を使わなければならないほどのガキだが。どうも親子には見えない。
ロリコンか。銀時の心の中の呟きが聞こえたかのように松陽が振り返った。ぎくりとした。
「おや、珍しい。手伝いに来たんですか?」
●●が声につられて振り向き、銀時を認めると笑いかけた。一緒に過ごす時間が増えていくと、こうやって遠慮のない笑顔を見られるようになった。
「銀ちゃん、お腹すいた?もうちょっと待っててね」
オメーは俺の母ちゃんか。