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不老不死

黙示録後の平和な日々

 最後のビールを飲みきってしまったから、買いに出かけよう。空のレジ袋(大)を持って、ギイギイ耳障りな音をたてるドアを開ければ、雲一つない満点の星空が広がる静かな世界がある。いつもは愛用の自転車に乗っていくのだけれど、今夜は歩いていこう。真円になりかけの月が道を照らしてくれるから懐中電灯を持たなくてもきっと大丈夫だ。道にごろごろ転がっている瓦礫を避けながら、シーンとした街並みを進む。こんなに綺麗な星の夜だのに、虫の鳴き声1つしない。まるでこの世界には自分しか生きてないみたいだった。
「風情があるなァ」
 意味もなくそれっぽいことを呟きながら歩いていると、やがてザアと波の音が聞こえてきた。黒黒とした海と陸を隔てる堤防に沿って少し南に進めば、「〇〇商店」の看板が見える。ポスター跡のひどいガラス扉をガラリと開ける。月明かりが店内に差し込んだ。
「いらっしゃいませー…お邪魔しまーす」
 と、ここで懐中電灯を持って来なかったことを後悔する。月明かりがあるとはいえ、流石に暗い。深夜テンションで何も考えずに家を出たのが良くなかった。仕方無しにと目をどうにか凝らして探索する。欲しいのは酒とつまみ。他にもいろいろ持って帰ろう。持参したレジ袋に、缶チューハイとかチータラとか、あとは適当な缶詰や煙草なんかを適当に詰めていく。
「ありがとうございましたー」
 重たくなったレジ袋片手に、金額にしたらいくらになるだろう?などと考えながら店を出る。
用は済んだのであとは家に帰るだけだ。しかしそれじゃ面白くない。折角だから寄り道していこう。
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