Mean Hero
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ヤバすぎヤバすぎヤバすぎる。
なんなんだあの人たちは!ツッパリ!ヤンキー!喧嘩番長!全部漫画の中の世界だけだと思っていたけど、やっぱり実在したんだ!
ドクドクと今だに静まらぬ胸の塊を抑えながら、当てもなく進んでいくと、神社で見かけるような石造りの階段が目に入った。
ちょうどいい、ここで少し休憩しよう。全力疾走したせいで、心臓が破けそうだ。ついでに悟くんにも電話しよう。
適当な段に腰をかけ、ポケットから携帯を取り出し、通話履歴から電話をかける。
「……出ない」
繰り返し鳴り響く無機質なコール音。ずっと聞いていると不安になってくる。
ていうか、持って来いって言ったのはそっちなのに。どう責任とってくれるんだ!こんちくしょうめ!なーんてことは言えないから心の中で留めておく。
それはともかく、一刻も早く、この不良学校から脱出したくてしょうがない。そのためにも一刻も早く、悟くんと落ち合いたいのに。
電話も出ないし、メールも返事なし。
仕方ない。ここは原始的に歩いて探すとしよう。重い腰を上げ、歩き出そうとしたそのとき、ちょうど向かいから、男の子二人組がやって来るのが目に入った。
一人は金髪の背の高い男の子。どこか日本人離れした顔をしており、シュッと整っている。モデルみたい。
もう一人は黒髪の男の子。人懐っこそうな、人の良さそうな顔をしている。見るからにいい子そう。
「あれ?君、見ない顔だね。どこから来たの?」
「ええっと……」
「わかった!転入生だ!」
「え、」
目が合うなり、黒髪くんに話しかけられる。めちゃくちゃニコニコと気さくに話しかけてくれるのだけど、転入生だとか勝手に話を進められ、てんやわんや。
それにしても、さっきから後ろの金髪くんがめちゃくちゃ睨んでくるんだけど……!完全に不審者を見る目だ!なんとかして早く誤解を解かねば。
「違う違う!私、転入生じゃないです!」
「そうなの?じゃあ、学長のお客さん?なら、僕、案内しますよ」
「お客さん……っていうか、なんていうか……。悟くんに用事があって……」
「五条さんに?」
五条さんってことは、この子達は一年生ってことか。悟くんの後輩にあたるわけだ。 なんだろう。あまり苗字で呼ぶことがないから、ちょっと不思議な感じだ。
「うん。頼まれて、お昼ごはんを届けに来たんだけど、全然電話に出なくて……」
「あ、いた。おせーよ」
「……悟くん!」
ずしりと頭に乗り掛かる重量。目だけ動かし、見上げてみれば、ずっと探していた人物の姿があった。
「あの、私、肘掛けじゃないんですけど……」
「だって丁度いい位置に頭があるんだもん。どうぞ掛けてくださいって言ってるようなもんだろ」
「そんなこと一言も言っていない……!」
「恨むなら、自分の身長の低さを恨むことだよ」
ハッと鼻で嘲笑ってくる。サングラス越しでもわかる、人を見下しに見下しまくったかのような目。もう何回向けられたことやら。
「……どんだけ探したと思ってんの!電話も全然出ないし、メールもよこしてくれないし!」
「携帯バッテリー切れたんだよ」
「挙げ句の果てには不良にカツアゲされそうになるし!」
「不良?カツアゲ?お前何言ってんの。そんなヤツこの学校にはいねえよ」
「いた!絶対にいた!お団子前髪ヤンキーに喫煙少女!」
「前髪?煙草?……もしかして」
と、何か思い当たる節があるような素振りを見せたそのとき、すぐ後ろから声がした。悟くんの名前を呼ぶ声だ。
しかも、なんか聞き覚えのある声。まさかと思って振り向けば、そこには例の不良少年少女が立っていた。
嘘でしょ。詰んだ。もう追いつかれるなんて。
まあ、決して足が速い方ではないけれど、こんなにも広大な敷地の中、ピンポイントで見つけられてしまうだなんて。
ぐぬぬ。もはやこれまでか。
意を決した私は全てを投げ出すことにした。カバンから財布を取り出し、二人の前に見せつける。中身が見れるよう、しっかりと開いて。そして、こう宣言する。
「所持金、一人の英世さんしかないです……」
なんなんだあの人たちは!ツッパリ!ヤンキー!喧嘩番長!全部漫画の中の世界だけだと思っていたけど、やっぱり実在したんだ!
ドクドクと今だに静まらぬ胸の塊を抑えながら、当てもなく進んでいくと、神社で見かけるような石造りの階段が目に入った。
ちょうどいい、ここで少し休憩しよう。全力疾走したせいで、心臓が破けそうだ。ついでに悟くんにも電話しよう。
適当な段に腰をかけ、ポケットから携帯を取り出し、通話履歴から電話をかける。
「……出ない」
繰り返し鳴り響く無機質なコール音。ずっと聞いていると不安になってくる。
ていうか、持って来いって言ったのはそっちなのに。どう責任とってくれるんだ!こんちくしょうめ!なーんてことは言えないから心の中で留めておく。
それはともかく、一刻も早く、この不良学校から脱出したくてしょうがない。そのためにも一刻も早く、悟くんと落ち合いたいのに。
電話も出ないし、メールも返事なし。
仕方ない。ここは原始的に歩いて探すとしよう。重い腰を上げ、歩き出そうとしたそのとき、ちょうど向かいから、男の子二人組がやって来るのが目に入った。
一人は金髪の背の高い男の子。どこか日本人離れした顔をしており、シュッと整っている。モデルみたい。
もう一人は黒髪の男の子。人懐っこそうな、人の良さそうな顔をしている。見るからにいい子そう。
「あれ?君、見ない顔だね。どこから来たの?」
「ええっと……」
「わかった!転入生だ!」
「え、」
目が合うなり、黒髪くんに話しかけられる。めちゃくちゃニコニコと気さくに話しかけてくれるのだけど、転入生だとか勝手に話を進められ、てんやわんや。
それにしても、さっきから後ろの金髪くんがめちゃくちゃ睨んでくるんだけど……!完全に不審者を見る目だ!なんとかして早く誤解を解かねば。
「違う違う!私、転入生じゃないです!」
「そうなの?じゃあ、学長のお客さん?なら、僕、案内しますよ」
「お客さん……っていうか、なんていうか……。悟くんに用事があって……」
「五条さんに?」
五条さんってことは、この子達は一年生ってことか。悟くんの後輩にあたるわけだ。 なんだろう。あまり苗字で呼ぶことがないから、ちょっと不思議な感じだ。
「うん。頼まれて、お昼ごはんを届けに来たんだけど、全然電話に出なくて……」
「あ、いた。おせーよ」
「……悟くん!」
ずしりと頭に乗り掛かる重量。目だけ動かし、見上げてみれば、ずっと探していた人物の姿があった。
「あの、私、肘掛けじゃないんですけど……」
「だって丁度いい位置に頭があるんだもん。どうぞ掛けてくださいって言ってるようなもんだろ」
「そんなこと一言も言っていない……!」
「恨むなら、自分の身長の低さを恨むことだよ」
ハッと鼻で嘲笑ってくる。サングラス越しでもわかる、人を見下しに見下しまくったかのような目。もう何回向けられたことやら。
「……どんだけ探したと思ってんの!電話も全然出ないし、メールもよこしてくれないし!」
「携帯バッテリー切れたんだよ」
「挙げ句の果てには不良にカツアゲされそうになるし!」
「不良?カツアゲ?お前何言ってんの。そんなヤツこの学校にはいねえよ」
「いた!絶対にいた!お団子前髪ヤンキーに喫煙少女!」
「前髪?煙草?……もしかして」
と、何か思い当たる節があるような素振りを見せたそのとき、すぐ後ろから声がした。悟くんの名前を呼ぶ声だ。
しかも、なんか聞き覚えのある声。まさかと思って振り向けば、そこには例の不良少年少女が立っていた。
嘘でしょ。詰んだ。もう追いつかれるなんて。
まあ、決して足が速い方ではないけれど、こんなにも広大な敷地の中、ピンポイントで見つけられてしまうだなんて。
ぐぬぬ。もはやこれまでか。
意を決した私は全てを投げ出すことにした。カバンから財布を取り出し、二人の前に見せつける。中身が見れるよう、しっかりと開いて。そして、こう宣言する。
「所持金、一人の英世さんしかないです……」