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昔から家族ぐるみの付き合いで、祖父母に連れられ、五条家のお屋敷にお邪魔することが多かった。
祖父母は五条家をとても敬っている。
私たち櫛田家を救ってくれた方々だと。
話によると、江戸の慶長とかいう年号の頃。奉行所で役人として働いていたうちのご先祖さまが呪いの被害を受けてしまったらしい。裁いた罪人たちの怨念が呪いになってしまったと。
それがかなり厄介な呪いだったらしく、一族が壊滅寸前ってところで、当時の五条家当主である青年の呪術師に助けてもらったらしい。
あまり詳しくはわからないけど、呪術師というのは、呪力を持つ人達のことで、古くから「呪霊」と呼ばれる存在から、呪力を持たない私たちを守るのを生業としてきた人たちのこと。
難しい話が苦手な私は、陰陽師みたいなものなのかなと勝手に解釈している。
烏帽子を被って、釈を持って、歩いたら二、三歩で即転びそうな着物を着て、「きえええい!悪霊退散っっっ!」とおでこにお札をバシーン!と貼り付けるみたいなことをするのかと聞いたら、「は?」と冷ややかな目を向けられた。
悟くんの家はその呪術師の家系。私の家は五条家に恩がある非呪術師の家系。本来なら関わることのない家同士がこうして今も関係が続いていると思うと、とても感慨深い。
両家の子孫である私たちが幼馴染として、こうして何気ない会話をしているのも。
初めて会った時のことは幼すぎてあまり覚えていない。いつしか、気がついた時には一緒に遊んだりと意識せずとも隣にいるのが当然な存在になっていた。
そんなこともあってか、女の子たちから、痛いほどの視線を毎日のように浴びてきた。だけど、もう慣れっこというか(慣れちゃダメなんだろうけど)、日常の一部みたいなものだから、自然と受け入れてしまった。
確かに悟くんはモテる。めちゃくちゃにモテる。本人は興味ないと言っているけど、とんでもないモテ男。
勉強もできるし、運動もできる。そして何より、彼をモテ男にさせている一番の原因はこの息を飲み込むほどのルックスだろう。
さっきも言ったけど、幼馴染の私は知っている。幼馴染だからこそ。そんな儚げな見た目に反して、彼がかなーり難ありな性格をしていることに。
中学の頃は掃除の時間中に突然、「出たな怪人!」と銀杏を投げつけてきたり。もう小学生かって。
金運アップのおまじないとか言って、蛇の抜け殻をプレゼントしてきたり。
「喉乾いた」の一言で自販機に向かわせたり。もうパシリだパシリ。
なんて一面を知ったら、ファンクラブの子達はどう思うんだろう。幻滅するのかな。いや、「それもまた素敵!ギャップ萌え!俺様系なのね!」とか言って、好感度がさらに上がるのだろうか。なんかもう女子だけど、女の子ってよくわかんない。
そんな悟くんだけど、昔からそういう性格だったわけじゃない。昔はもうちょっと可愛らしくて、優しくて、そうそう誕生日には―――。
『瑞希に誕生日プレゼント~!クマゼミの抜け殻~!』
『瑞希とかくれんぼするのつまんない。だってすぐに見つかるんだもん。てか、なんでそんな下手クソなの?』
『ハードル走お疲れ。走り方がマ〇オみたいでめっちゃ面白かった。体育祭期待してるわ』
『は?こんな問題も解けないとか、お前終わってんなー』
走馬灯の如く頭の中に浮かび上がる映像の数々に言葉を飲み込む。
……いや、今と対して変わんないかもしれない。
祖父母は五条家をとても敬っている。
私たち櫛田家を救ってくれた方々だと。
話によると、江戸の慶長とかいう年号の頃。奉行所で役人として働いていたうちのご先祖さまが呪いの被害を受けてしまったらしい。裁いた罪人たちの怨念が呪いになってしまったと。
それがかなり厄介な呪いだったらしく、一族が壊滅寸前ってところで、当時の五条家当主である青年の呪術師に助けてもらったらしい。
あまり詳しくはわからないけど、呪術師というのは、呪力を持つ人達のことで、古くから「呪霊」と呼ばれる存在から、呪力を持たない私たちを守るのを生業としてきた人たちのこと。
難しい話が苦手な私は、陰陽師みたいなものなのかなと勝手に解釈している。
烏帽子を被って、釈を持って、歩いたら二、三歩で即転びそうな着物を着て、「きえええい!悪霊退散っっっ!」とおでこにお札をバシーン!と貼り付けるみたいなことをするのかと聞いたら、「は?」と冷ややかな目を向けられた。
悟くんの家はその呪術師の家系。私の家は五条家に恩がある非呪術師の家系。本来なら関わることのない家同士がこうして今も関係が続いていると思うと、とても感慨深い。
両家の子孫である私たちが幼馴染として、こうして何気ない会話をしているのも。
初めて会った時のことは幼すぎてあまり覚えていない。いつしか、気がついた時には一緒に遊んだりと意識せずとも隣にいるのが当然な存在になっていた。
そんなこともあってか、女の子たちから、痛いほどの視線を毎日のように浴びてきた。だけど、もう慣れっこというか(慣れちゃダメなんだろうけど)、日常の一部みたいなものだから、自然と受け入れてしまった。
確かに悟くんはモテる。めちゃくちゃにモテる。本人は興味ないと言っているけど、とんでもないモテ男。
勉強もできるし、運動もできる。そして何より、彼をモテ男にさせている一番の原因はこの息を飲み込むほどのルックスだろう。
さっきも言ったけど、幼馴染の私は知っている。幼馴染だからこそ。そんな儚げな見た目に反して、彼がかなーり難ありな性格をしていることに。
中学の頃は掃除の時間中に突然、「出たな怪人!」と銀杏を投げつけてきたり。もう小学生かって。
金運アップのおまじないとか言って、蛇の抜け殻をプレゼントしてきたり。
「喉乾いた」の一言で自販機に向かわせたり。もうパシリだパシリ。
なんて一面を知ったら、ファンクラブの子達はどう思うんだろう。幻滅するのかな。いや、「それもまた素敵!ギャップ萌え!俺様系なのね!」とか言って、好感度がさらに上がるのだろうか。なんかもう女子だけど、女の子ってよくわかんない。
そんな悟くんだけど、昔からそういう性格だったわけじゃない。昔はもうちょっと可愛らしくて、優しくて、そうそう誕生日には―――。
『瑞希に誕生日プレゼント~!クマゼミの抜け殻~!』
『瑞希とかくれんぼするのつまんない。だってすぐに見つかるんだもん。てか、なんでそんな下手クソなの?』
『ハードル走お疲れ。走り方がマ〇オみたいでめっちゃ面白かった。体育祭期待してるわ』
『は?こんな問題も解けないとか、お前終わってんなー』
走馬灯の如く頭の中に浮かび上がる映像の数々に言葉を飲み込む。
……いや、今と対して変わんないかもしれない。