広い海を筏で渡る鬼太郎達

鬼太郎「もうそろそろですかね、父さん」

目「うーん、こんな静かな海なのに
何隻もの船が立て続けで沈没しておるとは、不思議じゃのぉ」

風に乗り緩やかに動く筏にしびれを切らしてねずみ男がオンボロ筏と怒鳴り出した

猫「そう思うなら、あんたが漕げば良いでしょ」
猫娘は目を釣り上げて言った

泣「しかしねずみ男が自分から人助けを協力するなんてのぉ」

目「まぁ、どうせ何か企んどるじゃろぉて」

失礼だなとねずみ男は答えた

こんがいつの間にか海の中を眺めていて鬼太郎が声をかけた

鬼太郎「こんちゃん、あまり端に座ると危ないよ」

鬼太郎はこんを手招きで呼び戻した

こん「とっても綺麗だから、つい」

綿「見えたー。島が見えたでござるよ」
と一反木綿が島を指さした

鼠「いやーほー」とウキウキしだすねずみ男

砂「ダイバー達が遭難したのはこの辺りじゃな」

鼠「いよっしゃ、一足先に俺が潜ってみるか」と海に潜って行った

こん「まあ、向こう見ずね
親父さんどうも怪しいですよ」

目「ええんじゃよ、いつものことじゃわい」

鬼太郎も続けて潜ろうとするが、妖怪アンテナが強い妖気を感じ取る

鬼太郎「あの島からです」

<<首飾りは渡さん>>

その声の直後、大波が筏を攫った

浜辺には打ち上げられた鬼太郎は目を覚ます

鬼太郎「なんとか助かったか
皆、大丈夫かー」
目「なんじゃあ、さっきの声は
それにしても妙に気味の悪い島じゃのぉ」

鬼太郎「島？ということはさっきの妖気は」

鬼太郎は一瞬島と目が合ったように感じた

泣「あはは、気のせいじゃよ」

皆集まって来たが1人だけ姿が見えなかった

鬼太郎「父さん、こんちゃんだけ姿がありません」

砂「鬼太郎ー。
こんな所に洞窟があったぞ」

鬼太郎「へ？洞窟？

もしかして、噂の妖怪がこの中に住んでるのかな」

よく見ると海水は洞窟の奥に向かって流れている

鬼太郎「もしかしたら満潮の時にダイバー達が押し流されたのかもしれない」

入口に足を踏み入れた瞬間、足元が滑り下へ下へと流されてしまった。