Op.2: D.S. Waltz
ブリッグズ要塞 赴任者 名義変更
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「……だめ」
羊皮紙を握る手へ力を込める。
泣いている場合じゃない。祖父が何故消えたのか分からない。この紙が何なのかも分からない。
それなら
(私が読み解けばいい)
祖父の弟子なのだから。残されたものから、自分で辿ればいい。
再び滲む視界を払うように数式を追う。術式を頭の中で組み立てる。途端に、人混みに疲れていた頭が少しずつ冴えていった。
やはりこちらの方が心地よい。分からないことは悔しくて、ワクワクする。
ー答え合わせなんておまけだよ。セシリアが考えることに価値 がある。
ふと頭によぎる祖父の言葉。
そうだ。大丈夫、考え続ければいつかたどり着ける。
人の表情より、目の前にある事実の方がずっと素直だと知っているから。
ーコツ、コツ、コツ
石畳を叩く規則的な音が回廊に響き始める。
ダンスフロアを滑る靴音とは違う、一定の間隔で近づいてくる、硬い軍靴の音。足音がすぐそばに来るまで、集中していたセシリアの耳には届かなかった。
「随分と熱心ですな」
「!」
羊皮紙を握る手へ力を込める。
泣いている場合じゃない。祖父が何故消えたのか分からない。この紙が何なのかも分からない。
それなら
(私が読み解けばいい)
祖父の弟子なのだから。残されたものから、自分で辿ればいい。
再び滲む視界を払うように数式を追う。術式を頭の中で組み立てる。途端に、人混みに疲れていた頭が少しずつ冴えていった。
やはりこちらの方が心地よい。分からないことは悔しくて、ワクワクする。
ー答え合わせなんておまけだよ。セシリアが考えることに
ふと頭によぎる祖父の言葉。
そうだ。大丈夫、考え続ければいつかたどり着ける。
人の表情より、目の前にある事実の方がずっと素直だと知っているから。
ーコツ、コツ、コツ
石畳を叩く規則的な音が回廊に響き始める。
ダンスフロアを滑る靴音とは違う、一定の間隔で近づいてくる、硬い軍靴の音。足音がすぐそばに来るまで、集中していたセシリアの耳には届かなかった。
「随分と熱心ですな」
「!」
