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君には満開の花が似合う

「……ってこともあったね」
「懐かしいな」

 出会った時より髪が短くなったペパーと、対照的に髪が長くなったアオイがソファに並んで座っていた。二人とも過去を懐かしむように語り合っている。

「あの時食べたサンドイッチ、本当に美味しかったなぁ。今も何かある度に作ってくれるけど」
「やっぱオマエが美味しそうに食べてくれた顔が忘れられなくてな。……もしかして、飽き
ちまったか?」
「まさか!ペパーが作ってくれる料理は何でも美味しいよ。飽きるわけがないよ」
「それなら良かった」
「でも、なんで花を散らすことにしたの?ビワちゃんの発案?」
「あー……それはだな……」

 ペパーは途端に口をもごもごさせ言いづらそうにしていたが、意を決したように口を開いた。

「オマエには、満開の花が似合うと思ったから……なに笑ってんだよ」
「ふふっ、そんな風に思ってくれてたんだって嬉しくなって」
「当たり前だろ」

 ペパーはアオイの髪を一掬いすると、目元を細め慈しむような笑みを浮かべた。

「オマエはいつだって、オレの道を彩ってくれたんだから」
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