はじめまして
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練習試合があるから見に来て!と言われて、行くことになったのはいいけど・・・
(やばい、遅れそう・・・!!)
大学2年目で初めて行く体育館、普通に迷った。
何となくの場所しか把握してなかった・・・まさかこんな奥の方だったなんて!
小走りしてなんとか間に合ったけど、体育館内は観客でかなり埋まっていた。
(前の方空いてないかな・・・)
リョータばバスケをする姿を見るのは初めて。
せっかくなら、間近で見たい。
息を整えながら館内を歩いていると、一つ空いてる席を見付けた。
「すみません、座ってもいいですか?」
声をかけた女の子は、1年生っぽい可愛らしい子だった。席取りしてたらどうしようと思ったけど、どうぞと言ってくれた。
席について、ふぅと一息ついてもう一度隣を見ると、一つ向こうの席には、年上らしいキレイな女性が座っていた。なんか色々ハードル高い席に座っちゃったな。
館内が一気に歓声で湧いた。
選手たちがコートに入ってきたからだ。
リョータはどこかな。
(おぉ、いるいる。)
リョータは背の高い先輩っぽい人と話ながら、コートに入ってきた。リョータには悪いけど、彼以外は巨人みたいな人ばっかりだ。
こんな面子の中でスタメンを勝ち取っていると考えると、私の彼氏はなかなか凄い選手なのかもしれない。
そんなことを考えていると、リョータと目が合った。
リョータはニカッと笑って、こっちに向かって手を振ってくれた。
それに私も手を振って応える。
すると、リョータと話していた先輩らしい人が、こちら側を指差して何か言っている。リョータの顔が少し険しくなる。さらに、もう一人加わって小競り合いが始まった。
「てか、何で一緒なんだよ!」
「いや、こっちの台詞ですよ!」
「・・・先輩たちあっち見るな」
「「はぁあ?!」」
・・・もしかして、と思っていると、
「あの、2人ともちょっといいかな?」
あの年上らしいキレイな人が、声をかけてくれた。
私と同じように、すぐ隣の可愛らしい子も振り返る。
「もしかして、あそこにいるの彼氏?」
「「・・・はい」」
まさかの展開だ。なんでも、このキレイな人は三井先輩の、可愛らしい子は流川くんの彼女だという。三井先輩も流川くんも名前は聞いてたけど、姿を見るのは今日が初めてだった。その彼女さんたちとも出会うなんて・・・奇跡的な出来事だ。
てか、そんな喧嘩して試合大丈夫なの?
なんて思ってたけど、そんな心配する必要なかった。
リョータはコート上で誰よりも速かった。
華麗なパスでチームメイトを活かす。
贔屓目なしで、リョータは輝いていた。
「勝ってよかったね。」
「そ、そうですね!」
「初めて見に来たけど、楽しかったです。」
偶然にも知り合ったリョータのチームメイトの彼女さんたちと、体育館前で彼氏たちを出待ちした。
それぞれの彼氏の話で盛り上がってたところに、ガヤガヤと声がした。そっちを見ると、リョータが複雑な顔をして近付いてきた。
「お疲れ様、勝ってよかったね。」
「ありがと・・・てか、知り合いだったの?」
「いや、初めましてだけど。」
「あーそう・・・」
リョータと三井先輩が「いつから付き合ってる」とか「お前もだ」とか「いつの間に!」とか騒ぎ始めた。後輩の流川くんは知らん顔している。
「あ、そうだ。メアド交換しない?」
「え?いいんですか?」
「いいですね、しましょう!」
流石年上と言うべきか。三井先輩の彼女さんが、自然な感じで連絡先の交換を申し出てくれた。ちょっとしたいと思ってたから、私は飛び付いた。
そんな私達の様子を、彼氏たちは少々ゲンナリした顔で見ていた。
「試合、凄かった。」
「そう?」
「リョータ、めっちゃ格好良かったよ。」
「だろー?!」
みんなと別れて、2人並んで歩く。
繋いでいた手を、ギュッと握り直す。
「てか、あの2人の彼女と知り合うとか、すげー偶然だな。」
「うん、私もかなりビックリした。」
「流川の彼女とか初めて見た。」
「毎晩、一緒にご飯食べてるって言ってたよ。」
「・・・あー!!あの子か!話は少し聞いたことあったわ!」
そうかぁ、付き合うことになったのかぁとか言ってる様子を見ると、流川くんから何かしら相談されたりしてたんだろうな。
「てか、変なこと話してないよね!?」
「変なことって?」
「いや、まぁ・・・色々と」
この様子は、彼女に見せる顔がチームメイトにバレることを懸念してるな。
「ずるい男ですって言っといたよ。」
「はぁあ!!?マジで!?」
「うそうそ」
この奇遇な出会いは、私の大学生活をより楽しませてくれる。
そんな予感がしてならなかった。