おいしいを聞かせて
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携帯のアラームで目が覚める。
今日は1限があるから、頑張って起きないと。
昨夜はあまりの急展開に興奮して、なかなか眠れなかった。
ストレス発散で作りすぎてしまった料理を、お隣さんにお裾分けしてみたら、どういうわけか家にお邪魔し、その食べっぷりを拝ませてもらった。
『流川楓』
それがお隣さんのお名前。同じ大学で同じ1年生でバスケットボールをしている。そして、驚くほど生活力がない。これが私の知る流川くん情報。
(お米無い、タッパーそのままチンは驚いたな。)
昨日の出来事を振り返って、思わず笑ってしまった。
炊いたご飯は全て流川くんのお腹に消えていったから、今日のお弁当はサンドイッチにしよう。
シンプルに卵、ハム、キュウリでいいかな。
ガチャ
ガチャ
部屋の扉を開ける音が重なった。
お隣さんこと、流川くんと目が合う。
「お、おはようございます。」
「・・・ども」
流川くんは今日もジャージにスポーツバックを持っていた。バスケの練習があるのかな。
このタイミングが重なるということは、自動的にマンションの出口までご一緒することになってしまった。
無言のエレベーター内が気まずい。早く一階に着いてくれ。
「・・・きのう」
「え?」
「助かった。」
・・・助かった?
いや、助けられたのは私の方だと思うのですが。
意味が分からない。というのが顔に出てしまった。
「・・・食うもん無かったから」
なるほど、そういうことですか。
「いえいえ、こちらも作りすぎたのを食べてもらえて、助かりました。」
はい、会話終了。
いいタイミングでエレベーターが一階に着いた。
よし、ここでさよならを言えば、タイミングかんぺ・・・
ぐーきゅるる・・・
お腹の音が盛大に聞こえた。
流川くんを見ると、無表情のまま変わらない。
そうか、お米無いって言ってたよね。
「・・・流川くん、朝ご飯食べましたか?」
一応、確認してみる。
予想通り首を横に振る。だと思ったよ。
一人暮らしでお米が無いということは、自炊をほとんどしてない、つまりお家に食べ物が無い。
スポーツしてるなら、お腹空くでしょう!体が資本なんじゃないの?!と色々と言いたいけど、こんな盛大なお腹の音を聞いて、ほっとけるわけもなく。
私はカバンの中から、先ほど用意したサンドイッチを取り出した。
「足りるか分からないけど、どうぞ。サンドイッチです。」
「・・・」
流川くんの視線が、私とサンドイッチを行き来する。
「気にしないでください、学食行くので。」
「・・・どうも」
流川くんの大きな手が、アルミホイルに包まれたサンドイッチを掴んだ。こんな大きな手でおにぎり作ったら、凄いのができそう。って何を考えてるんだ。
「そ、それじゃ、失礼します!」
無理矢理会話を終わらせて、流川くんに背を向けた。
久しぶりに来た学食は、大勢の学生で賑わっていた。
友達同士、恋人同士で皆が食事をする中、私は相変わらずぼっちで、きつねうどんを食べていた。
(流川くん、あれで足りたかな。)
自分がぼっちであることより、流川くんのお腹の心配をしてしまう。
「ねぇ!この流川くんって、めっちゃイケメンじゃない!?」
「分かるー!!バスケも超上手いんでしょ!?」
(なんですと?)
隣りに座っていたグループから『流川くん』と聞こえて、思わず聞き耳を立ててしまった。
彼女たちは学内広報誌を広げている。どうやら、そこに流川くんが載っているようだ。
学部棟に戻った私は、学生課のカウンターに置いてあった広報誌を手に取り、パラパラとめくった。
(わぁ・・・凄い)
そこには、見事なダンクシュートを決める流川くんの写真が載っていた。
昨夜、ご飯をもりもりと頬張っていた人と同じとは思えなかった。
今日は1限があるから、頑張って起きないと。
昨夜はあまりの急展開に興奮して、なかなか眠れなかった。
ストレス発散で作りすぎてしまった料理を、お隣さんにお裾分けしてみたら、どういうわけか家にお邪魔し、その食べっぷりを拝ませてもらった。
『流川楓』
それがお隣さんのお名前。同じ大学で同じ1年生でバスケットボールをしている。そして、驚くほど生活力がない。これが私の知る流川くん情報。
(お米無い、タッパーそのままチンは驚いたな。)
昨日の出来事を振り返って、思わず笑ってしまった。
炊いたご飯は全て流川くんのお腹に消えていったから、今日のお弁当はサンドイッチにしよう。
シンプルに卵、ハム、キュウリでいいかな。
ガチャ
ガチャ
部屋の扉を開ける音が重なった。
お隣さんこと、流川くんと目が合う。
「お、おはようございます。」
「・・・ども」
流川くんは今日もジャージにスポーツバックを持っていた。バスケの練習があるのかな。
このタイミングが重なるということは、自動的にマンションの出口までご一緒することになってしまった。
無言のエレベーター内が気まずい。早く一階に着いてくれ。
「・・・きのう」
「え?」
「助かった。」
・・・助かった?
いや、助けられたのは私の方だと思うのですが。
意味が分からない。というのが顔に出てしまった。
「・・・食うもん無かったから」
なるほど、そういうことですか。
「いえいえ、こちらも作りすぎたのを食べてもらえて、助かりました。」
はい、会話終了。
いいタイミングでエレベーターが一階に着いた。
よし、ここでさよならを言えば、タイミングかんぺ・・・
ぐーきゅるる・・・
お腹の音が盛大に聞こえた。
流川くんを見ると、無表情のまま変わらない。
そうか、お米無いって言ってたよね。
「・・・流川くん、朝ご飯食べましたか?」
一応、確認してみる。
予想通り首を横に振る。だと思ったよ。
一人暮らしでお米が無いということは、自炊をほとんどしてない、つまりお家に食べ物が無い。
スポーツしてるなら、お腹空くでしょう!体が資本なんじゃないの?!と色々と言いたいけど、こんな盛大なお腹の音を聞いて、ほっとけるわけもなく。
私はカバンの中から、先ほど用意したサンドイッチを取り出した。
「足りるか分からないけど、どうぞ。サンドイッチです。」
「・・・」
流川くんの視線が、私とサンドイッチを行き来する。
「気にしないでください、学食行くので。」
「・・・どうも」
流川くんの大きな手が、アルミホイルに包まれたサンドイッチを掴んだ。こんな大きな手でおにぎり作ったら、凄いのができそう。って何を考えてるんだ。
「そ、それじゃ、失礼します!」
無理矢理会話を終わらせて、流川くんに背を向けた。
久しぶりに来た学食は、大勢の学生で賑わっていた。
友達同士、恋人同士で皆が食事をする中、私は相変わらずぼっちで、きつねうどんを食べていた。
(流川くん、あれで足りたかな。)
自分がぼっちであることより、流川くんのお腹の心配をしてしまう。
「ねぇ!この流川くんって、めっちゃイケメンじゃない!?」
「分かるー!!バスケも超上手いんでしょ!?」
(なんですと?)
隣りに座っていたグループから『流川くん』と聞こえて、思わず聞き耳を立ててしまった。
彼女たちは学内広報誌を広げている。どうやら、そこに流川くんが載っているようだ。
学部棟に戻った私は、学生課のカウンターに置いてあった広報誌を手に取り、パラパラとめくった。
(わぁ・・・凄い)
そこには、見事なダンクシュートを決める流川くんの写真が載っていた。
昨夜、ご飯をもりもりと頬張っていた人と同じとは思えなかった。