おいしいを聞かせて
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
モヤモヤしたときは、料理をするに限る。
頭の中を空っぽにして、ただ手を動かし続ける。
あーーー!!!やってしまったぁあ!!!
台所で頭を抱える。
何故こんなに後悔しているかというと、それは今日のお弁当タイムまで遡る。
前日が雨ということもあり、今日は芝生は諦めて、学部棟のフリースペースでお弁当を食べていた。
そこへ、何度か授業で一緒になった男子学生に声をかけられた。
『弁当持ってきてんだ、実家?』
『一人暮らしだけど。』
『マジで?!すげーな!』
『まぁ、料理好きだし・・・』
『料理できたらモテるんじゃねーの?』
この一言で、私のテンションは一気に落ちた。
今までも何度か言われたことがある。言った側は褒め言葉のつもりかもしれないが、私には『モテるために料理をしている』とも聞こえる。
自分が好きで続けていることを、そんなふうに言われるのは、不愉快でたまらない。
その後、男子学生と何を話したかなんて覚えてない。午後の授業を受け、モヤモヤしたままスーパーへ足を運んだ。
(あー、何作ろうかな)
フラフラと売り場を徘徊する。
そんなとき、私はこのモヤモヤを払拭する食材を手に取った。
そして、今現在。
鍋いっぱいに、手羽元の甘辛煮(煮卵付)を作ってしまったのだ。
(やってしまった・・・)
まぁ、煮込み料理だから、明日も食べれるし。お弁当に持って行ったら消費できるかな・・・うーん、我ながら大量に作ってしまった。
こういうとき、近くに仲の良い人がいれば、おすそ分けとかできるのに。
(・・・おすそ分け、)
いやいや、普通に考えて迷惑だ。
いきなり隣の住人が、作りすぎたから食べてくれなんて。
(・・・何事も挑戦よ!!断られたら『失礼しましたー』って言えばいい!!)
悩んだ末、私は家にあった大きめのタッパーに手羽元と煮卵を入れ、お隣さんの扉の前まで来た。
電気は点いているので、ご在宅のようだ。震える指でインターホンを押した。
ガチャ
「・・・こ、こんばんは。」
「どうも」
出てきたお隣さんは、お風呂に入った後なのか髪が少し濡れて、首にタオルをかけていた。
これぞ、まさしく湯上がり美人というやつか!!いや、そうじゃなくて!!
「・・・なんすか?」
「ああ、あの・・・お、お、おすそ分けに」
「?」
何か、何か言わないと・・・!
「作りすぎてしまったので!晩ご飯お済みじゃなかったらどうぞ!!」
タッパーを差し出し、勢いにまかせて一息で言った。
お隣さんの反応がこわくて、下を向いてしまう。
タッパーを持つ手が軽くなった。
「どうも。」
「・・・え?」
まさか、受け取ってもらえるとは。
お隣さんはタッパーを持ち上げて、中身を覗いている。何だか可愛いな。
「手羽元と煮卵です。」
「へー」
「ごはんが進む味になってると思います。」
「・・・米無い。」
まさかの、白米無い宣言。
この人、一人暮らしだよね?どうやって生活してるの?これめっちゃ白米に合うおかずだよ?白米無しで食べるとか、勿体無いですよ?
「・・・ご飯、お持ちしましょうか?」
気付いたときには、もう言葉が出ていた。
頭の中を空っぽにして、ただ手を動かし続ける。
あーーー!!!やってしまったぁあ!!!
台所で頭を抱える。
何故こんなに後悔しているかというと、それは今日のお弁当タイムまで遡る。
前日が雨ということもあり、今日は芝生は諦めて、学部棟のフリースペースでお弁当を食べていた。
そこへ、何度か授業で一緒になった男子学生に声をかけられた。
『弁当持ってきてんだ、実家?』
『一人暮らしだけど。』
『マジで?!すげーな!』
『まぁ、料理好きだし・・・』
『料理できたらモテるんじゃねーの?』
この一言で、私のテンションは一気に落ちた。
今までも何度か言われたことがある。言った側は褒め言葉のつもりかもしれないが、私には『モテるために料理をしている』とも聞こえる。
自分が好きで続けていることを、そんなふうに言われるのは、不愉快でたまらない。
その後、男子学生と何を話したかなんて覚えてない。午後の授業を受け、モヤモヤしたままスーパーへ足を運んだ。
(あー、何作ろうかな)
フラフラと売り場を徘徊する。
そんなとき、私はこのモヤモヤを払拭する食材を手に取った。
そして、今現在。
鍋いっぱいに、手羽元の甘辛煮(煮卵付)を作ってしまったのだ。
(やってしまった・・・)
まぁ、煮込み料理だから、明日も食べれるし。お弁当に持って行ったら消費できるかな・・・うーん、我ながら大量に作ってしまった。
こういうとき、近くに仲の良い人がいれば、おすそ分けとかできるのに。
(・・・おすそ分け、)
いやいや、普通に考えて迷惑だ。
いきなり隣の住人が、作りすぎたから食べてくれなんて。
(・・・何事も挑戦よ!!断られたら『失礼しましたー』って言えばいい!!)
悩んだ末、私は家にあった大きめのタッパーに手羽元と煮卵を入れ、お隣さんの扉の前まで来た。
電気は点いているので、ご在宅のようだ。震える指でインターホンを押した。
ガチャ
「・・・こ、こんばんは。」
「どうも」
出てきたお隣さんは、お風呂に入った後なのか髪が少し濡れて、首にタオルをかけていた。
これぞ、まさしく湯上がり美人というやつか!!いや、そうじゃなくて!!
「・・・なんすか?」
「ああ、あの・・・お、お、おすそ分けに」
「?」
何か、何か言わないと・・・!
「作りすぎてしまったので!晩ご飯お済みじゃなかったらどうぞ!!」
タッパーを差し出し、勢いにまかせて一息で言った。
お隣さんの反応がこわくて、下を向いてしまう。
タッパーを持つ手が軽くなった。
「どうも。」
「・・・え?」
まさか、受け取ってもらえるとは。
お隣さんはタッパーを持ち上げて、中身を覗いている。何だか可愛いな。
「手羽元と煮卵です。」
「へー」
「ごはんが進む味になってると思います。」
「・・・米無い。」
まさかの、白米無い宣言。
この人、一人暮らしだよね?どうやって生活してるの?これめっちゃ白米に合うおかずだよ?白米無しで食べるとか、勿体無いですよ?
「・・・ご飯、お持ちしましょうか?」
気付いたときには、もう言葉が出ていた。