おいしいを聞かせて
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何が起こったのか、本当に分からなかった。
目の前に流川くんの顔があった。
唇が熱かった。
昨夜、あの後のことはあまり覚えていない。ただ、流川くんが「おやすみ」とだけ言って、部屋を出ていったのは覚えている。
のそのそと準備をする。
鏡に映る自分の顔を見ると、自然と唇に目が行った。
あの熱を思い出す。
私は頭を抱えてその場にしゃがみ込んだ。
流川くんとキスをした!してしまった!いや、正しくはされた!!キスされた!!しかも・・・
『好きだ。』
さらに告白までされた。
今までの人生の中で、経験したことの無いことが、連続して起きた私は頭が追いつかない。流川くんが私にキスしたことも、好きだと言ってきたことも、訳が分からない。
私はそこらへんにいる普通の大学生、一方で流川くんは学内広報誌に載るぐらい有名人で、イケメンで女子たちからキャーキャー言われる存在。そんな人が、私のことを好き!?何かの冗談?それとも今までのことも含め罰ゲーム?
そんなわけない。
流川くんが冗談言ったり、そんなタチの悪い罰ゲームにノッたりする人じゃないことは、よく分かってる。
だけど、やっぱり信じられない。
私なんかの、どこが。
玄関を出るとき、隣の部屋から出てこないかとビクビクした。ありがたいことに、流川くんが出てくることはなく、私は一安心した。
講義中もふとしたときに、流川くんのことを思い出してしまった。その度にぶんぶんも頭を振ったりするもんだから、同級生から変な目で見られたり、大丈夫?と心配されてしまった。
昨夜のことで、朝は頭が回らずお弁当の用意はできなかった。仕方なくお昼ご飯を求めて食堂へ向かう。
やっぱり食堂の中は、友達同士や恋人同士で賑わっていた。
(はぁ、早く食べちゃお・・・)
私は端の方の席について、キツネうどんを食べ始めようとしたときだった。
カタッ
誰かが私の向かいに座った。
「あっ、え・・・」
「座るぞ」
流川くんだった。
流川くんのトレーにはカレーとラーメンが乗っていた。炭水化物と炭水化物。男の子って感じのチョイスだ。
いや、今はそこじゃない。何でここに座ったの!?
昨日のこと忘れたの!?何で普通な感じで食べ始めてるの!?
「食わねーの?」
「・・・食べるよ」
「少ねー」
「流川くんが食べ過ぎなの」
ゆっくりキツネうどんを食べる。
何度も家で一緒にご飯食べたのに、あの件があるから、物凄く緊張して味がわからない。
流川くんの一口は変わらず大きくて、あっという間にお皿を空にしてしまった。私のキツネうどんはまだ残っている。
「・・・なに?」
「別に」
「・・・行かないの?」
「待ってる」
そんなこと言われたらドキドキし過ぎて、もう何も喉通らないよ。
「えっ!?桐生さん!!?マジで!?」
突然聞こえた高い声に振り向くと、以前合コンに誘ってきた派手めな同級生がいた。しかも、今回は友達らしき女の子も一緒だ。
「えー!桐生さんって流川くんと知り合いなのぉ?教えてよー!!」
「あ、いや・・・その」
「隠してるとかズルくなーい?友達じゃん?」
いつ友達になったんだろ。私はあなたの連絡先もフルネームも知らないよ。
「まさか、付き合ってるなんてないよね?」
「・・・!そ、そんな」
「あ、ごめーん!そんなわけないかぁ!!」
彼女の言葉がグサリと音を立てて心臓に刺さった。
そうだ、私みたいなのが、流川くんとなんて。
そうだよね、どう見ても・・・
ダメだ、泣きそう・・・
「うるせー」
流川くんのいつもより低い声が、彼女を黙らせた。
流川くんの目がいつもより冷たかった。
目の前に流川くんの顔があった。
唇が熱かった。
昨夜、あの後のことはあまり覚えていない。ただ、流川くんが「おやすみ」とだけ言って、部屋を出ていったのは覚えている。
のそのそと準備をする。
鏡に映る自分の顔を見ると、自然と唇に目が行った。
あの熱を思い出す。
私は頭を抱えてその場にしゃがみ込んだ。
流川くんとキスをした!してしまった!いや、正しくはされた!!キスされた!!しかも・・・
『好きだ。』
さらに告白までされた。
今までの人生の中で、経験したことの無いことが、連続して起きた私は頭が追いつかない。流川くんが私にキスしたことも、好きだと言ってきたことも、訳が分からない。
私はそこらへんにいる普通の大学生、一方で流川くんは学内広報誌に載るぐらい有名人で、イケメンで女子たちからキャーキャー言われる存在。そんな人が、私のことを好き!?何かの冗談?それとも今までのことも含め罰ゲーム?
そんなわけない。
流川くんが冗談言ったり、そんなタチの悪い罰ゲームにノッたりする人じゃないことは、よく分かってる。
だけど、やっぱり信じられない。
私なんかの、どこが。
玄関を出るとき、隣の部屋から出てこないかとビクビクした。ありがたいことに、流川くんが出てくることはなく、私は一安心した。
講義中もふとしたときに、流川くんのことを思い出してしまった。その度にぶんぶんも頭を振ったりするもんだから、同級生から変な目で見られたり、大丈夫?と心配されてしまった。
昨夜のことで、朝は頭が回らずお弁当の用意はできなかった。仕方なくお昼ご飯を求めて食堂へ向かう。
やっぱり食堂の中は、友達同士や恋人同士で賑わっていた。
(はぁ、早く食べちゃお・・・)
私は端の方の席について、キツネうどんを食べ始めようとしたときだった。
カタッ
誰かが私の向かいに座った。
「あっ、え・・・」
「座るぞ」
流川くんだった。
流川くんのトレーにはカレーとラーメンが乗っていた。炭水化物と炭水化物。男の子って感じのチョイスだ。
いや、今はそこじゃない。何でここに座ったの!?
昨日のこと忘れたの!?何で普通な感じで食べ始めてるの!?
「食わねーの?」
「・・・食べるよ」
「少ねー」
「流川くんが食べ過ぎなの」
ゆっくりキツネうどんを食べる。
何度も家で一緒にご飯食べたのに、あの件があるから、物凄く緊張して味がわからない。
流川くんの一口は変わらず大きくて、あっという間にお皿を空にしてしまった。私のキツネうどんはまだ残っている。
「・・・なに?」
「別に」
「・・・行かないの?」
「待ってる」
そんなこと言われたらドキドキし過ぎて、もう何も喉通らないよ。
「えっ!?桐生さん!!?マジで!?」
突然聞こえた高い声に振り向くと、以前合コンに誘ってきた派手めな同級生がいた。しかも、今回は友達らしき女の子も一緒だ。
「えー!桐生さんって流川くんと知り合いなのぉ?教えてよー!!」
「あ、いや・・・その」
「隠してるとかズルくなーい?友達じゃん?」
いつ友達になったんだろ。私はあなたの連絡先もフルネームも知らないよ。
「まさか、付き合ってるなんてないよね?」
「・・・!そ、そんな」
「あ、ごめーん!そんなわけないかぁ!!」
彼女の言葉がグサリと音を立てて心臓に刺さった。
そうだ、私みたいなのが、流川くんとなんて。
そうだよね、どう見ても・・・
ダメだ、泣きそう・・・
「うるせー」
流川くんのいつもより低い声が、彼女を黙らせた。
流川くんの目がいつもより冷たかった。