赤と青から逃げたくて
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あれからも宮城くんは変わらず私に優しい。
そして「可愛い」「好きだよ」とさらにグイグイくるようになった。
宮城くんに話してから、不思議なことに先生の残像は現れなくなった。
それは、私が宮城くんを先生ではなく『宮城リョータ』として見れるようになった証拠でもある。
当然のことだけど、二人は別人なのだ。
「ねぇ、レオナちゃん。レポート提出って来週だっけ?」
「え、今週中だよ?」
「げっ!マジか!?なんもやってね!」
「大丈夫?間に合う?」
同じ学部の必修科目のレポート提出が間近に迫っている。どうやら宮城くんはヤバそうだ。
「えー!レオナちゃん助けてぇ!」
「どうしよっかなぁー」
「今度なんかご馳走するから!!」
お願い!と私の前で手を合わせて頭を下げる宮城くんの姿が、なんとも可愛いなと思ってしまう。
学部棟のフリースペースで教科書とルーズリーフを広げる。宮城くんは少し眉間にシワを寄せながらシャーペンを動かす。私はそれを横で眺めながら、たまにアドバイスをする。
「それ、こっちの方がよくない?」
「えっ?そう?」
「あと、ここの日本語おかしいよ。」
「ぐっ・・・」
最近、同じ専攻の友達から「付き合ってるの?」って聞かれることが増えた。もちろん違うと言うけれど、そう否定すると少し虚しくなっている自分がいることに気付いた。
「付き合ってる」と言えたらいいな、なんて思うけど、それはそれで複雑だ。
あんな過去があって、突き放そうとした私を好きでいてくれる宮城くんに甘えて付き合って、それで本当に宮城くんは幸せになれる?
私には宮城くんを幸せにする自信がない。
(宮城視点)
レオナちゃんの話は、かなり衝撃的だった。
過去に教師と一線超えてるとか、もはや映画レベルの話だ。
それを話すレオナちゃんは昔の恋心を慈しむような、柔らかい表情だった。それでも、微かに儚さを感じたのは、その恋が叶わないものだったからだろう。
話を聞いた俺は、すぐにでもそのセンコーのこと殴りに行きたかったし、そんな奴忘れて俺にしとけと叫びたかった。
でも、そんなことをしても、きっと彼女は俺を好きにはならない。
彼女にとって、それは遊びでもない本気の恋心だったのだから。それを否定してはいけない。
『それがあって、俺が好きになった今のレオナちゃんがいるんでしょ?』
めっちゃくちゃ格好つけた。
しかも、ちょっと弱みにつけ込んでるような・・・いや、そんなつもりは。ないはず。
こんな話をすれば男は引くと思ったんだろうな。そのセンコーを思い出させる俺と距離を取る、っていう自己防衛もあるだろうけど、早めに俺に諦めさせようとしたんだ。
そんぐらいで諦めてたまるか。尚の事燃える。
そいつのこと忘れるぐらい、俺のこと好きにになってよ。
「レオナちゃん。」
「何?」
レポートを書く手を止めて、彼女を見つめる。
あー、やっぱり好きだな。呼ばれたのに何も言わない俺に首を傾げる姿も可愛いな。
『いつになったら、俺のこと好きになってくれる?』
言いたいけど、これは流石にズルすぎるな。
「なに?」
「呼んでみただけだよー。」
「フザケてないで、早く仕上げて。」
「へーい」
好き好きアピールして、過去の恋愛も受け入れて、周りをガッチガチに固めていく。
こんなことして、後ろめたさが無いわけじゃない。
でも、こんなことしてでも、君が欲しいと思ってしまうのは何故だろう。たちの悪い一目惚れだ。
「サンキュー、レオナちゃん!ここまできたら何とかなりそう。」
「どういたしまして、次はないよ。」
「えー、そりゃないよレオナさまー!!」
大袈裟に言うと、「何それ」とレオナちゃんが笑う。
前と比べて、素の笑顔が増えた気がする。俺を見る眼差しも少し変わってきた。
あいつの影がなくなってきたかな。
そして「可愛い」「好きだよ」とさらにグイグイくるようになった。
宮城くんに話してから、不思議なことに先生の残像は現れなくなった。
それは、私が宮城くんを先生ではなく『宮城リョータ』として見れるようになった証拠でもある。
当然のことだけど、二人は別人なのだ。
「ねぇ、レオナちゃん。レポート提出って来週だっけ?」
「え、今週中だよ?」
「げっ!マジか!?なんもやってね!」
「大丈夫?間に合う?」
同じ学部の必修科目のレポート提出が間近に迫っている。どうやら宮城くんはヤバそうだ。
「えー!レオナちゃん助けてぇ!」
「どうしよっかなぁー」
「今度なんかご馳走するから!!」
お願い!と私の前で手を合わせて頭を下げる宮城くんの姿が、なんとも可愛いなと思ってしまう。
学部棟のフリースペースで教科書とルーズリーフを広げる。宮城くんは少し眉間にシワを寄せながらシャーペンを動かす。私はそれを横で眺めながら、たまにアドバイスをする。
「それ、こっちの方がよくない?」
「えっ?そう?」
「あと、ここの日本語おかしいよ。」
「ぐっ・・・」
最近、同じ専攻の友達から「付き合ってるの?」って聞かれることが増えた。もちろん違うと言うけれど、そう否定すると少し虚しくなっている自分がいることに気付いた。
「付き合ってる」と言えたらいいな、なんて思うけど、それはそれで複雑だ。
あんな過去があって、突き放そうとした私を好きでいてくれる宮城くんに甘えて付き合って、それで本当に宮城くんは幸せになれる?
私には宮城くんを幸せにする自信がない。
(宮城視点)
レオナちゃんの話は、かなり衝撃的だった。
過去に教師と一線超えてるとか、もはや映画レベルの話だ。
それを話すレオナちゃんは昔の恋心を慈しむような、柔らかい表情だった。それでも、微かに儚さを感じたのは、その恋が叶わないものだったからだろう。
話を聞いた俺は、すぐにでもそのセンコーのこと殴りに行きたかったし、そんな奴忘れて俺にしとけと叫びたかった。
でも、そんなことをしても、きっと彼女は俺を好きにはならない。
彼女にとって、それは遊びでもない本気の恋心だったのだから。それを否定してはいけない。
『それがあって、俺が好きになった今のレオナちゃんがいるんでしょ?』
めっちゃくちゃ格好つけた。
しかも、ちょっと弱みにつけ込んでるような・・・いや、そんなつもりは。ないはず。
こんな話をすれば男は引くと思ったんだろうな。そのセンコーを思い出させる俺と距離を取る、っていう自己防衛もあるだろうけど、早めに俺に諦めさせようとしたんだ。
そんぐらいで諦めてたまるか。尚の事燃える。
そいつのこと忘れるぐらい、俺のこと好きにになってよ。
「レオナちゃん。」
「何?」
レポートを書く手を止めて、彼女を見つめる。
あー、やっぱり好きだな。呼ばれたのに何も言わない俺に首を傾げる姿も可愛いな。
『いつになったら、俺のこと好きになってくれる?』
言いたいけど、これは流石にズルすぎるな。
「なに?」
「呼んでみただけだよー。」
「フザケてないで、早く仕上げて。」
「へーい」
好き好きアピールして、過去の恋愛も受け入れて、周りをガッチガチに固めていく。
こんなことして、後ろめたさが無いわけじゃない。
でも、こんなことしてでも、君が欲しいと思ってしまうのは何故だろう。たちの悪い一目惚れだ。
「サンキュー、レオナちゃん!ここまできたら何とかなりそう。」
「どういたしまして、次はないよ。」
「えー、そりゃないよレオナさまー!!」
大袈裟に言うと、「何それ」とレオナちゃんが笑う。
前と比べて、素の笑顔が増えた気がする。俺を見る眼差しも少し変わってきた。
あいつの影がなくなってきたかな。