その手をよく見せて
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(三井視点)
ある日の練習、宮城の様子がどうもおかしい。
練習に集中しきれてない気がしたから、冗談半分で「女か?」ときくと、逆に返された。
桐生と体育館の入り口で話してたのを見たんだろう、その人とはどうなんすか?なんて言われた。
(生意気な後輩だ・・・)
練習が終わり、飯にでも誘おうかと思ったが、宮城はシャワーを浴びたあと、慌ててロッカールームを後にした。あれはやっぱり女だな。
「流川」
「?」
「飯どうだ?奢るぞ。」
すると流川は携帯を確認し、何か操作をすると「あざっす」と言ってきた。こいつも最近、どうも怪しい。
この前も宮城と3人で飯に行こうとしたら、携帯を気にした様子だった。
奢ると言っても、そんな高額なものは奢ってやれない。夜の20時までやってる学食は助かる。
流川はここぞとばかりに食券を買った。遠慮のない奴め。
夜の学食は昼間と違い、かなり空いてる。
俺たちのように部活が終わった運動部員や、白衣を着た研究生らしき学生がちらほらいるだけだ。
そんな中で、見慣れた姿を見つけた。桐生だ。
桐生は食事はもう済んだ様子で、ぶ厚めの本を読んでいた。俺はA定食が乗ったトレーを持ち、近付いた。
「よう。」
「あれ?三井くん、こんばんは。」
「こんな時間まで何してんだよ。」
夜に会うのは、あのバル○ン事件以来だ。
桐生の向かいに座る。
「出遅れたから、追い込んで描いてるの。」
「こんな時間まで残ってんのか?」
「部屋の利用届を出したら、22時までいれるよ。」
あのボロい建物に22時までいんのかよ。
そう思うと、少々背筋が冷たくなる。
「先輩」
「お、流川。」
桐生と話していると、流川がカレーとラーメンが乗ったトレーを持ってきた。「あざっす」と言って、俺の隣に座った。
「こんばんは、ルカワくん。」
「?・・・あ、ども」
「忘れてたでしょ」
桐生に声をかけられた流川は一瞬考え、思い出した様子だった。桐生はクスクスと笑った。
「それじゃ、私先に行くね。続きやらないと。」
「頑張れよ。」
「ありがと。あ、奢る日また教えてね。」
「おう、・・・あ、桐生。」
「なに?」
「あー、いや。なんもねぇ、帰り気を付けよろ。」
「うん、ありがとう。」
そう言って、桐生は席を立った。
俺は「帰り送ってやろうか?」と言いかけたのを飲み込んだ。隣に流川がいるのを忘れていた。
まぁ、宮城と違って根掘り葉掘り聞いてくることは無いだろうけど。
「先輩」
桐生が去ったあと、無言で食べ進めていた流川が口を開けた。
「なんだ?」
「彼女すか?」
ゲッホ!!!!
流川の「彼女」発言に盛大にむせた。
「ちげーよ!!さっきの会話で何で彼女になるんだよ!?」
「じゃぁ、好きなんすか?」
「なっ何言って・・・!」
「・・・好きなんすね」
くっそ、どうして俺の後輩たちはこうも生意気な野郎ばっかりなんだ!!
しかし、流川がこの手の話を自らしてくるのは、かなり珍しい。話を振られても、大抵「興味ねー」で一蹴される。
もしかして・・・
「お前・・・気になる女子でもいんのか?」
「・・・」
流川、この三井寿を舐めるなよ。
少し瞼がピクリとしたのを、俺は見落とさなかった。
「ほー、そうかそうか。ついに流川も大学デビューか!!」
「先輩うるせーっす」
「いやー、そりゃ楽しいな。」
「・・・ごちです。」
流川は空になった皿をトレーに乗せ、さっさと返却口へと持って行った。いつもポーカーフェイスのくせに案外分かりやすいやつだ。
流川はそのまま食堂を出て行った。まったく、最後に挨拶ぐらいしろっての。
さて、俺はどうするか・・・
時間は20時前、食堂はもうすぐ閉まる。
『22時までいれるよ。』
・・・行ってみるか。
ある日の練習、宮城の様子がどうもおかしい。
練習に集中しきれてない気がしたから、冗談半分で「女か?」ときくと、逆に返された。
桐生と体育館の入り口で話してたのを見たんだろう、その人とはどうなんすか?なんて言われた。
(生意気な後輩だ・・・)
練習が終わり、飯にでも誘おうかと思ったが、宮城はシャワーを浴びたあと、慌ててロッカールームを後にした。あれはやっぱり女だな。
「流川」
「?」
「飯どうだ?奢るぞ。」
すると流川は携帯を確認し、何か操作をすると「あざっす」と言ってきた。こいつも最近、どうも怪しい。
この前も宮城と3人で飯に行こうとしたら、携帯を気にした様子だった。
奢ると言っても、そんな高額なものは奢ってやれない。夜の20時までやってる学食は助かる。
流川はここぞとばかりに食券を買った。遠慮のない奴め。
夜の学食は昼間と違い、かなり空いてる。
俺たちのように部活が終わった運動部員や、白衣を着た研究生らしき学生がちらほらいるだけだ。
そんな中で、見慣れた姿を見つけた。桐生だ。
桐生は食事はもう済んだ様子で、ぶ厚めの本を読んでいた。俺はA定食が乗ったトレーを持ち、近付いた。
「よう。」
「あれ?三井くん、こんばんは。」
「こんな時間まで何してんだよ。」
夜に会うのは、あのバル○ン事件以来だ。
桐生の向かいに座る。
「出遅れたから、追い込んで描いてるの。」
「こんな時間まで残ってんのか?」
「部屋の利用届を出したら、22時までいれるよ。」
あのボロい建物に22時までいんのかよ。
そう思うと、少々背筋が冷たくなる。
「先輩」
「お、流川。」
桐生と話していると、流川がカレーとラーメンが乗ったトレーを持ってきた。「あざっす」と言って、俺の隣に座った。
「こんばんは、ルカワくん。」
「?・・・あ、ども」
「忘れてたでしょ」
桐生に声をかけられた流川は一瞬考え、思い出した様子だった。桐生はクスクスと笑った。
「それじゃ、私先に行くね。続きやらないと。」
「頑張れよ。」
「ありがと。あ、奢る日また教えてね。」
「おう、・・・あ、桐生。」
「なに?」
「あー、いや。なんもねぇ、帰り気を付けよろ。」
「うん、ありがとう。」
そう言って、桐生は席を立った。
俺は「帰り送ってやろうか?」と言いかけたのを飲み込んだ。隣に流川がいるのを忘れていた。
まぁ、宮城と違って根掘り葉掘り聞いてくることは無いだろうけど。
「先輩」
桐生が去ったあと、無言で食べ進めていた流川が口を開けた。
「なんだ?」
「彼女すか?」
ゲッホ!!!!
流川の「彼女」発言に盛大にむせた。
「ちげーよ!!さっきの会話で何で彼女になるんだよ!?」
「じゃぁ、好きなんすか?」
「なっ何言って・・・!」
「・・・好きなんすね」
くっそ、どうして俺の後輩たちはこうも生意気な野郎ばっかりなんだ!!
しかし、流川がこの手の話を自らしてくるのは、かなり珍しい。話を振られても、大抵「興味ねー」で一蹴される。
もしかして・・・
「お前・・・気になる女子でもいんのか?」
「・・・」
流川、この三井寿を舐めるなよ。
少し瞼がピクリとしたのを、俺は見落とさなかった。
「ほー、そうかそうか。ついに流川も大学デビューか!!」
「先輩うるせーっす」
「いやー、そりゃ楽しいな。」
「・・・ごちです。」
流川は空になった皿をトレーに乗せ、さっさと返却口へと持って行った。いつもポーカーフェイスのくせに案外分かりやすいやつだ。
流川はそのまま食堂を出て行った。まったく、最後に挨拶ぐらいしろっての。
さて、俺はどうするか・・・
時間は20時前、食堂はもうすぐ閉まる。
『22時までいれるよ。』
・・・行ってみるか。