その手をよく見せて
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(三井視点)
たまたま履修した講義は、まさかの芸術系の内容で、そういったことに全く触れてこなかった俺は、睡魔に負けてすっかり眠りこけていた。
「じゅ、授業終わりましたよ。出席票出さないと。」
最初の印象は悪くなかった。穏やかな雰囲気が感じられた。正直少しいいなと思った。少しだぞ。
このまま寝てたら、欠席扱いになるところを、隣りに座っていた女子学生が救ってくれた。
この後は練習がある、急がねーと。軽く礼を言うと俺は足早に教室を出た。
体育館に着き、練習着に着替える。
高校の2年間を無駄にし、最後の1年はただ必死にバスケをした。冬の選抜後、ありがたいことにこの大学から声がかかった。
その翌年、さらに翌年も、大学は湘北に推薦の声をかけたようで、宮城と流川は今でもチームメイトだ。
これは俺が先駆けになったと言ってもいいだろう。
バッシュを履き、膝にサポーターをつける。
「よしっ」と練習へ向かった。
体育館の入り口で、何やらウロウロする女子学生がいた。何かと思い声をかけたら、さっき起こしてくれた女子学生だった。
話を聞けば、練習の様子をスケッチしたいと言う。
きっと、中に入るか否か悩んでいたのだろう。監督に話を通せば早いと思い、呼んでくると言えば「ありがとうございます」と柔らかく笑った。
うん、いいな。
いやいや、何考えてるんだ俺は。
これから練習だ、集中しろ。
「三井先輩、1on1してほしーっす」
「お前、昨日もしただろ!」
練習が終わり片付けていると、流川が声をかけてきた。頼みやすいのか、けっこうな頻度で頼まれる。だが、悪いが今日は無理だ、講義に出なければならない。
「みついくん、」
声に振り返ると、さっきの女子学生だった。
桐生レオナと名乗ったそいつは、俺と流川のやり取りを見て笑い、流川に講義にはちゃんと出ろと諭した。
なかなかのコミュ力の高さに少々驚いた。
スケッチを見せてもらうと、そこには3Pを放つ俺の姿が描いてあった。凄いなと言うと、褒め返されて恥ずかった。
その後も講義で隣に座ったり、学内で会えば立ち話をしたりと、程よい関係が続いていた。
部活後の自主練を終え、一人暮らし先の部屋へ帰っている途中、コンビニにいる桐生を見付けた。
時間はもう22時だ。こんな時間に一人で何してる?と思い声をかけた。
何でも部屋にあの害虫が出て、急遽バル○ンをしているから部屋に入れない、という。漫喫に行こうとしていたが、この時間に女一人で漫喫に行くのも危なくないか?と思い
「・・・俺んち来るか?」
咄嗟に口走った。いや、男の一人暮らしの部屋に来るのも、大概危ないよな。と思い、嫌でなければと付け足した。
断られるかと思ったが、桐生は部屋に来た。
もしかして、男として見られていないのか?それはそれで少々ショックだ。
桐生が部屋に入れるようになるまで、と思いコーヒーを飲みながら、お互いの話をした。桐生と話すのは、とても楽しかった。
桐生が部屋に来て、2時間ほど経ったとき、俺がトイレに行って戻ると、桐生はローテーブルに伏せて寝てしまっていた。
(マジかよー)
起こして家まで帰らせるか?しかし、すやすやと眠る顔を見ると、起こすのも悪いように思う。
これが流川なら蹴飛ばして起こすんだが・・・
俺は深呼吸をして、桐生を抱えて自分のベッドへ寝かせた。
そして、ベッドから離れたところで横になった。
まぁ、ほとんど眠れなかったけどな。
翌朝、起きた桐生はかなり申し訳無さそうにした。
俺は「何もしていない」と念押した。自分で言っておいて、かなり恥ずかしかった。
桐生を家まで送り、そのとき連絡先を交換した。
まぁ、交換してもそんなすぐには使わないだろう、と思っていたが、思っていたより早く俺の携帯が鳴った。
まさか、亡骸も無理とは思わなかった。
たまたま履修した講義は、まさかの芸術系の内容で、そういったことに全く触れてこなかった俺は、睡魔に負けてすっかり眠りこけていた。
「じゅ、授業終わりましたよ。出席票出さないと。」
最初の印象は悪くなかった。穏やかな雰囲気が感じられた。正直少しいいなと思った。少しだぞ。
このまま寝てたら、欠席扱いになるところを、隣りに座っていた女子学生が救ってくれた。
この後は練習がある、急がねーと。軽く礼を言うと俺は足早に教室を出た。
体育館に着き、練習着に着替える。
高校の2年間を無駄にし、最後の1年はただ必死にバスケをした。冬の選抜後、ありがたいことにこの大学から声がかかった。
その翌年、さらに翌年も、大学は湘北に推薦の声をかけたようで、宮城と流川は今でもチームメイトだ。
これは俺が先駆けになったと言ってもいいだろう。
バッシュを履き、膝にサポーターをつける。
「よしっ」と練習へ向かった。
体育館の入り口で、何やらウロウロする女子学生がいた。何かと思い声をかけたら、さっき起こしてくれた女子学生だった。
話を聞けば、練習の様子をスケッチしたいと言う。
きっと、中に入るか否か悩んでいたのだろう。監督に話を通せば早いと思い、呼んでくると言えば「ありがとうございます」と柔らかく笑った。
うん、いいな。
いやいや、何考えてるんだ俺は。
これから練習だ、集中しろ。
「三井先輩、1on1してほしーっす」
「お前、昨日もしただろ!」
練習が終わり片付けていると、流川が声をかけてきた。頼みやすいのか、けっこうな頻度で頼まれる。だが、悪いが今日は無理だ、講義に出なければならない。
「みついくん、」
声に振り返ると、さっきの女子学生だった。
桐生レオナと名乗ったそいつは、俺と流川のやり取りを見て笑い、流川に講義にはちゃんと出ろと諭した。
なかなかのコミュ力の高さに少々驚いた。
スケッチを見せてもらうと、そこには3Pを放つ俺の姿が描いてあった。凄いなと言うと、褒め返されて恥ずかった。
その後も講義で隣に座ったり、学内で会えば立ち話をしたりと、程よい関係が続いていた。
部活後の自主練を終え、一人暮らし先の部屋へ帰っている途中、コンビニにいる桐生を見付けた。
時間はもう22時だ。こんな時間に一人で何してる?と思い声をかけた。
何でも部屋にあの害虫が出て、急遽バル○ンをしているから部屋に入れない、という。漫喫に行こうとしていたが、この時間に女一人で漫喫に行くのも危なくないか?と思い
「・・・俺んち来るか?」
咄嗟に口走った。いや、男の一人暮らしの部屋に来るのも、大概危ないよな。と思い、嫌でなければと付け足した。
断られるかと思ったが、桐生は部屋に来た。
もしかして、男として見られていないのか?それはそれで少々ショックだ。
桐生が部屋に入れるようになるまで、と思いコーヒーを飲みながら、お互いの話をした。桐生と話すのは、とても楽しかった。
桐生が部屋に来て、2時間ほど経ったとき、俺がトイレに行って戻ると、桐生はローテーブルに伏せて寝てしまっていた。
(マジかよー)
起こして家まで帰らせるか?しかし、すやすやと眠る顔を見ると、起こすのも悪いように思う。
これが流川なら蹴飛ばして起こすんだが・・・
俺は深呼吸をして、桐生を抱えて自分のベッドへ寝かせた。
そして、ベッドから離れたところで横になった。
まぁ、ほとんど眠れなかったけどな。
翌朝、起きた桐生はかなり申し訳無さそうにした。
俺は「何もしていない」と念押した。自分で言っておいて、かなり恥ずかしかった。
桐生を家まで送り、そのとき連絡先を交換した。
まぁ、交換してもそんなすぐには使わないだろう、と思っていたが、思っていたより早く俺の携帯が鳴った。
まさか、亡骸も無理とは思わなかった。