女王蜂と働き蜂
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「面談…?ですか?」
ジョルノ・ジョバァーナは困惑していた。
ポルポの試験に見事合格し、パッショーネの一員となった今、次に向かうのはブチャラティの仲間たちのところであろうと思っていたからであった。
「あぁ、新入りには“面接試験とは別に面談があるんだ。なに、そう気負うことはない。ただの自己紹介みたいなもんだ。」
「……はぁ。」
イタリア全土を支配下に置くギャングの面談が果たして“ただの自己紹介 ”程度で済むものなのか。
ポルポの試験を受けたジョルノにとって、はいそうですかと受け入れられるものではない。
「だが油断は禁物だ。相手はポルポと同じ幹部でもある。それに…。」
「それに…、なんです?」
急に黙り込み、いつまでも続きを話そうとしないブチャラティを不審に思い、せかすように言葉を紡いだ。
「今から会う人は幹部の中でも変わり者だ。まぁポルポに会った時点で一般人じみた人間が出てくるとは予想してないだろうがな。」
「変わり者、ですか。」
「あぁ、現場好きで幹部らしからぬところがある。俺みたいな下っ端の団員とも面識があるし、なんならご飯を奢ってもらったこともある。なんというか、憎めない人だな。」
「いい人じゃないですか、その人。」
「だがここからが問題でな、彼女は入団してわずか3年で幹部入りを果たしている。」
「彼女…?女性の方でしかもたった3年で幹部に…。すごいですね。」
「そして彼女は読心術のスペシャリストだ。」
「読心術…。それは確かに危険だ。いつ読まれるかも分からない。」
「スタンド能力ではあるんだろうが、正直防ぎようがないな…。」
「…いや、なんとかなるかもしれません。」
「どうするつもりだ、ジョルノ。」
「読心術といった部類のものは感情的な人ほど読まれやすい、と以前読んだことのある本に書いてありました。ですから、彼女の前では感情的にならなければ大丈夫かと。」
「なるほどな…試してみる価値はありそうだ。」
「賭けにはなりますが、やってみるしかありませんね。」
「あぁ…。着いたぞ、ここだ。」
ケーブルカーで移動した後、大通りを横切り、路地裏を通った先にそれはあった。
辺りに人の気配はなく、壁のいたるところにツタが生えている。
イタリアにはそういった趣きのアパルメントが存在してはいるものの、ここが森の中にあったのなら、間違いなく魔女の家と言えるような、そういう雰囲気の建物であった。
「なんというか…ここに幹部が住んでるのか?」
「中は意外と綺麗かもしれませんよ?行きましょう。」
メールにあった指示通り、ドアをコンコンコンと3回。
間を置いて再び3回ノックする。
「お土産は?」
年若い女性の声がする。
これが例の幹部なのだろうか。
「蜂蜜酒 。」
ブチャラティがそう答えると同時にガチャッとドアが開く。
「ブチャラティ!久しぶりねッ!」
そう言うと彼女はブチャラティに抱き着いた。
思わずよろけながらもしっかりと彼女を受け止めたブチャラティは流石はイタリアの男、と言うべきだろうか。
ようやくボクに気が付いた彼女はすぐさま人懐っこい笑みを浮かべる。
「あなたが新入りくんね。移動に疲れたでしょうし、中に入って。」
そう言って彼女はいつのまにかボクの後ろに回り、背中を押した。
「そこのソファに座っていてちょうだい。お茶を出すわ。」
使用人は居ないらしく、彼女自身が紅茶を入れてくれるらしい。
それぞれに好みの紅茶を頼み、彼女を待つ間、部屋に目を向けてみる。
よく見ると室内は綺麗に整えられていた。
白い壁と木で作られた家具で揃えられた部屋はどこか落ち着いた雰囲気を醸し出し、広い室内の所々には色とりどりの花が置かれ、華やかだ。
外見はツタがうっそうと生えており、いかにも、という感じではあったが、こうしてみると着飾らないであろう持ち主の性格がよく現されているようにも思えた。
彼女が紅茶とちょっとしたチョコレートを運び、美味しいお茶を3人で頂いたところで話は本題に入った。
「改めて初めまして、私はなまえ。面談とはいえ、試験のようなものではないから、変なことを言ったからといってバッヂを取り上げられることはないから安心してね。」
背を伸ばし垂れがちな目をキリッと合わせてくる彼女は先ほどの少女のような様子から打って変わって年相応の女性に変わった。
「内容としては、簡単なプロフィールと、あとはスタンド能力について。こちらとしても部下たちのスタンド能力を把握しておかないと後々仕事を頼む時に困ってしまうから。」
「なるほど…。分かりました。」
たしかに筋は通る。
接敵する危険がある任務の場合、その相手が一般市民とは限らないし、スタンド使いである可能性も高い。
その時に相性が悪いスタンド使いを送り込むのは愚策といえる。
「では、面談自体は別室で行うからついてきてね。ブチャラティはごめんなさい、そこで待っててくれるかしら。」
彼女は申し訳なさそうに手を合わせる。
「大丈夫です、お構いなく。」
ブチャラティに頷き、彼女の後を追う。
ここからが、正念場だ。
ジョルノ・ジョバァーナは困惑していた。
ポルポの試験に見事合格し、パッショーネの一員となった今、次に向かうのはブチャラティの仲間たちのところであろうと思っていたからであった。
「あぁ、新入りには“面接試験とは別に面談があるんだ。なに、そう気負うことはない。ただの自己紹介みたいなもんだ。」
「……はぁ。」
イタリア全土を支配下に置くギャングの面談が果たして“ただの自己紹介 ”程度で済むものなのか。
ポルポの試験を受けたジョルノにとって、はいそうですかと受け入れられるものではない。
「だが油断は禁物だ。相手はポルポと同じ幹部でもある。それに…。」
「それに…、なんです?」
急に黙り込み、いつまでも続きを話そうとしないブチャラティを不審に思い、せかすように言葉を紡いだ。
「今から会う人は幹部の中でも変わり者だ。まぁポルポに会った時点で一般人じみた人間が出てくるとは予想してないだろうがな。」
「変わり者、ですか。」
「あぁ、現場好きで幹部らしからぬところがある。俺みたいな下っ端の団員とも面識があるし、なんならご飯を奢ってもらったこともある。なんというか、憎めない人だな。」
「いい人じゃないですか、その人。」
「だがここからが問題でな、彼女は入団してわずか3年で幹部入りを果たしている。」
「彼女…?女性の方でしかもたった3年で幹部に…。すごいですね。」
「そして彼女は読心術のスペシャリストだ。」
「読心術…。それは確かに危険だ。いつ読まれるかも分からない。」
「スタンド能力ではあるんだろうが、正直防ぎようがないな…。」
「…いや、なんとかなるかもしれません。」
「どうするつもりだ、ジョルノ。」
「読心術といった部類のものは感情的な人ほど読まれやすい、と以前読んだことのある本に書いてありました。ですから、彼女の前では感情的にならなければ大丈夫かと。」
「なるほどな…試してみる価値はありそうだ。」
「賭けにはなりますが、やってみるしかありませんね。」
「あぁ…。着いたぞ、ここだ。」
ケーブルカーで移動した後、大通りを横切り、路地裏を通った先にそれはあった。
辺りに人の気配はなく、壁のいたるところにツタが生えている。
イタリアにはそういった趣きのアパルメントが存在してはいるものの、ここが森の中にあったのなら、間違いなく魔女の家と言えるような、そういう雰囲気の建物であった。
「なんというか…ここに幹部が住んでるのか?」
「中は意外と綺麗かもしれませんよ?行きましょう。」
メールにあった指示通り、ドアをコンコンコンと3回。
間を置いて再び3回ノックする。
「お土産は?」
年若い女性の声がする。
これが例の幹部なのだろうか。
「
ブチャラティがそう答えると同時にガチャッとドアが開く。
「ブチャラティ!久しぶりねッ!」
そう言うと彼女はブチャラティに抱き着いた。
思わずよろけながらもしっかりと彼女を受け止めたブチャラティは流石はイタリアの男、と言うべきだろうか。
ようやくボクに気が付いた彼女はすぐさま人懐っこい笑みを浮かべる。
「あなたが新入りくんね。移動に疲れたでしょうし、中に入って。」
そう言って彼女はいつのまにかボクの後ろに回り、背中を押した。
「そこのソファに座っていてちょうだい。お茶を出すわ。」
使用人は居ないらしく、彼女自身が紅茶を入れてくれるらしい。
それぞれに好みの紅茶を頼み、彼女を待つ間、部屋に目を向けてみる。
よく見ると室内は綺麗に整えられていた。
白い壁と木で作られた家具で揃えられた部屋はどこか落ち着いた雰囲気を醸し出し、広い室内の所々には色とりどりの花が置かれ、華やかだ。
外見はツタがうっそうと生えており、いかにも、という感じではあったが、こうしてみると着飾らないであろう持ち主の性格がよく現されているようにも思えた。
彼女が紅茶とちょっとしたチョコレートを運び、美味しいお茶を3人で頂いたところで話は本題に入った。
「改めて初めまして、私はなまえ。面談とはいえ、試験のようなものではないから、変なことを言ったからといってバッヂを取り上げられることはないから安心してね。」
背を伸ばし垂れがちな目をキリッと合わせてくる彼女は先ほどの少女のような様子から打って変わって年相応の女性に変わった。
「内容としては、簡単なプロフィールと、あとはスタンド能力について。こちらとしても部下たちのスタンド能力を把握しておかないと後々仕事を頼む時に困ってしまうから。」
「なるほど…。分かりました。」
たしかに筋は通る。
接敵する危険がある任務の場合、その相手が一般市民とは限らないし、スタンド使いである可能性も高い。
その時に相性が悪いスタンド使いを送り込むのは愚策といえる。
「では、面談自体は別室で行うからついてきてね。ブチャラティはごめんなさい、そこで待っててくれるかしら。」
彼女は申し訳なさそうに手を合わせる。
「大丈夫です、お構いなく。」
ブチャラティに頷き、彼女の後を追う。
ここからが、正念場だ。