3 部活見学
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フェノール君はすぐに廊下に戻ってきた。
「先輩、お待たせしました。ではまずは校庭に案内しますね」
くっ、俺も先輩かぁ…(転校一年生だけど!)
「うん、よろしく、フェノール君!」
フェノール君に続いて歩き出そうとすると、
「あっ、フェノール君!」廊下の向かいから金髪で従順そうな男子が。同じクラスなのかな?近づいて興味津々に俺を見る。
「えーと、隣のかたは?」
「兄さんのクラスに来た転校生だ。」
「そうだったんですね!先輩、僕はフェノールと同じ1年B組でサッカー部のケトンです。宜しくお願いします、先輩!」
「うん、宜しくね、ケトン君」
うんうん、ニコニコと笑顔が感じのいい子だ!ついつられて笑顔になる。
「兄さんに頼まれて、これから先輩に部活紹介をするところなんだ。」
「へえ、サッカー部に興味あるなんて、珍しいですね!転校前サッカーしてたんですか?」
め、珍しい…?
「そうかな?サッカー部なんてだいたいの学校にはある、人気の高い部活だと思ってたんだけど…」
言うと、二人とも驚いたようだ。
「えっ、あれ?弁前先輩って遠い場所からこっちに引っ越してきた感じですか?」
「え?まぁちょっと遠いかな」
「このへんではサッカーはあまり流行ってないんだ。なかなか面白いと思うんだが…ということはクエストのことも知らないのか?」
「フェノールくん、敬語抜けてる!」
「あ…すいません先輩。えーっと…」
「いや、敬語使わなくていいよ!クエスト…ああ、そういえば聞いたことのない教科だなーと気になってたんだ。」
「なるほど。クエストは近年始まった科目で、体育に代わる教科だ。森や砂漠などのダンジョンにワープして、数人のグループで武器や技を使って敵を倒すんだ。」
!!なんだそれ、カッコイイ…!!武器ってどんな武器があるんだろう!
興奮している俺を前に軽く苦笑しながらケトンくんが答えてくれる。
「僕は槍で、フェノールは大剣です。正直僕、槍使い上手くなくて…とはいえ、クエストでは武器使いも勿論ですけど、技が重要なんですよ。」
技?
「技は武器に個人個人の力を与えたり、武器の持っているエネルギーを解放するものだ。使う武器が同じでも、使い手によって使える技は異なるんだ。」
「同じ槍使いでも、補助技が得意な人もいれば、攻撃技が得意な人もいるので、槍の使い方も個人で工夫するってことです」
はぇぇ…じゃあ案外頭脳戦でもあるんだ。面白そう…!!クエスト部は無いのかな?
「クエスト部は無いですけど、先生の許可を貰えたら放課後もやらせてもらえるのでこの学校では帰宅部も多いんです。」
「サッカー部もクエスト導入までは栄えていたそうなんだが…そういうことだ」
はぁ、確かに俺もクエスト部あったら入りたいって思ってしまったや。でも部活動は楽しいし、他学年との交流もできるからちょっと勿体無い気もするなぁ。
「あ、とはいっても廃れてるってほどでも無いんですよ、部活の中では比較的人数も多い部類に入りますから」
よかった、なんだかホッとした!
「じゃ、校庭にも着きましたし、早速案内しますね!」
「うん、頼んだ!」
❖
「今日は部活紹介ありがとな!」
「どういたしまして、先輩」
「片付けまで手伝わせてしまって申し訳ない」
「ううん、いいってことよ!えーっと、コーンはここでいいんだっけ?よっと…」
薄暗い体育館倉庫に入り、コーンを置く。さぁ戻ろう!
「ふー、終わった終わった!戻ろっと…うわ!」
外に出ようとすると、小さな段差に躓いた。視界がぐるんとゆがんで、そして…
「…あれ、なんだここ」
そこは体育館倉庫であるはずなのに、怪盗でも現れたかのようにホコリ一つさえ存在していなかった。幻覚だろうか?目を瞬く。いやいや、幻覚じゃないらしいぞ…とりあえず外に出て落ち着こう。
慌てそうな心臓を抑えて扉の外へ。
さっきと変わらず官軒中学の校庭だ。ケトンくんもフェノールくんもいる。
…さっきのは一体なんだったんだ。
「先輩、ありがとうございます!お陰様でいつもより早く片付け終わりましたよ!」
「お疲れ様。じゃ帰ろう。先輩も一緒に帰りませんか」
「あ…うん、いいよ!帰ろう」
少し不可解な現象にモヤが残りつつも、二人と話しながら帰宅するうちに記憶の底へと消えていった。
前→✦
次→❖
「先輩、お待たせしました。ではまずは校庭に案内しますね」
くっ、俺も先輩かぁ…(転校一年生だけど!)
「うん、よろしく、フェノール君!」
フェノール君に続いて歩き出そうとすると、
「あっ、フェノール君!」廊下の向かいから金髪で従順そうな男子が。同じクラスなのかな?近づいて興味津々に俺を見る。
「えーと、隣のかたは?」
「兄さんのクラスに来た転校生だ。」
「そうだったんですね!先輩、僕はフェノールと同じ1年B組でサッカー部のケトンです。宜しくお願いします、先輩!」
「うん、宜しくね、ケトン君」
うんうん、ニコニコと笑顔が感じのいい子だ!ついつられて笑顔になる。
「兄さんに頼まれて、これから先輩に部活紹介をするところなんだ。」
「へえ、サッカー部に興味あるなんて、珍しいですね!転校前サッカーしてたんですか?」
め、珍しい…?
「そうかな?サッカー部なんてだいたいの学校にはある、人気の高い部活だと思ってたんだけど…」
言うと、二人とも驚いたようだ。
「えっ、あれ?弁前先輩って遠い場所からこっちに引っ越してきた感じですか?」
「え?まぁちょっと遠いかな」
「このへんではサッカーはあまり流行ってないんだ。なかなか面白いと思うんだが…ということはクエストのことも知らないのか?」
「フェノールくん、敬語抜けてる!」
「あ…すいません先輩。えーっと…」
「いや、敬語使わなくていいよ!クエスト…ああ、そういえば聞いたことのない教科だなーと気になってたんだ。」
「なるほど。クエストは近年始まった科目で、体育に代わる教科だ。森や砂漠などのダンジョンにワープして、数人のグループで武器や技を使って敵を倒すんだ。」
!!なんだそれ、カッコイイ…!!武器ってどんな武器があるんだろう!
興奮している俺を前に軽く苦笑しながらケトンくんが答えてくれる。
「僕は槍で、フェノールは大剣です。正直僕、槍使い上手くなくて…とはいえ、クエストでは武器使いも勿論ですけど、技が重要なんですよ。」
技?
「技は武器に個人個人の力を与えたり、武器の持っているエネルギーを解放するものだ。使う武器が同じでも、使い手によって使える技は異なるんだ。」
「同じ槍使いでも、補助技が得意な人もいれば、攻撃技が得意な人もいるので、槍の使い方も個人で工夫するってことです」
はぇぇ…じゃあ案外頭脳戦でもあるんだ。面白そう…!!クエスト部は無いのかな?
「クエスト部は無いですけど、先生の許可を貰えたら放課後もやらせてもらえるのでこの学校では帰宅部も多いんです。」
「サッカー部もクエスト導入までは栄えていたそうなんだが…そういうことだ」
はぁ、確かに俺もクエスト部あったら入りたいって思ってしまったや。でも部活動は楽しいし、他学年との交流もできるからちょっと勿体無い気もするなぁ。
「あ、とはいっても廃れてるってほどでも無いんですよ、部活の中では比較的人数も多い部類に入りますから」
よかった、なんだかホッとした!
「じゃ、校庭にも着きましたし、早速案内しますね!」
「うん、頼んだ!」
❖
「今日は部活紹介ありがとな!」
「どういたしまして、先輩」
「片付けまで手伝わせてしまって申し訳ない」
「ううん、いいってことよ!えーっと、コーンはここでいいんだっけ?よっと…」
薄暗い体育館倉庫に入り、コーンを置く。さぁ戻ろう!
「ふー、終わった終わった!戻ろっと…うわ!」
外に出ようとすると、小さな段差に躓いた。視界がぐるんとゆがんで、そして…
「…あれ、なんだここ」
そこは体育館倉庫であるはずなのに、怪盗でも現れたかのようにホコリ一つさえ存在していなかった。幻覚だろうか?目を瞬く。いやいや、幻覚じゃないらしいぞ…とりあえず外に出て落ち着こう。
慌てそうな心臓を抑えて扉の外へ。
さっきと変わらず官軒中学の校庭だ。ケトンくんもフェノールくんもいる。
…さっきのは一体なんだったんだ。
「先輩、ありがとうございます!お陰様でいつもより早く片付け終わりましたよ!」
「お疲れ様。じゃ帰ろう。先輩も一緒に帰りませんか」
「あ…うん、いいよ!帰ろう」
少し不可解な現象にモヤが残りつつも、二人と話しながら帰宅するうちに記憶の底へと消えていった。
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