3 部活見学
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……いや、ここは文化部で行こう!
「お、文化部とな!?流石に文化部は、うちのフェノールも詳しくないからなぁ。えーと、文化部って何あったっけ…」
「…美術、文学、写真、管弦楽とか?」
声に振り返ると、カルボンがいた。
「うわ、カルボン!あ、美術部と文芸部と写真部と…あれ?管弦楽部じゃなくて、なんだっけ…」
うーん、と悩みこむエステルくん。
「おい、カルボンのせいでエステルがわかんなくなっちゃったじゃんかぁ〜!」
「…ごめん」
そういや管弦楽ってなんだっけ。
「…管楽器、弦楽器と打楽器だったはず」
「あ、そういや最近バイオリン弾ける子が入ってきたんだっけ。木琴も使ってるし…あれもしかして吹奏楽部って管弦楽部…!?」
アルコール君がハッとしたように目を見開く。と同時に
「あぁっ!そうだ、吹奏楽部だッ!弁前、文化部には美術部、文芸部、写真部と吹奏楽部があるよ!」
スッキリした顔でエステルが言う。
ほうほう、美術部、文芸部、写真部、吹奏楽部、と。どれにしようかな〜!
「…あ、僕の友達が美術部だから紹介しようか。」
「カルボンの友達で美術部…あっ、もしかしてあの魔法使いみたいなひと?うん、変わってるけど良い人そうだしそうしよう!」
変わってる、かぁ。どんな人なんだろう?アルコール君が言ってるならまだしも、エステル君が言ってるからそこまでやばいヤツではなさそうだなぁ、
「…隣のクラスだからすぐだよ。」
よーし、レッツゴー!
❖
隣の教室を覗く。こちらも終礼は終わってるみたいだ。
「……んー…あ、いた」
カルボンが窓越しに手を小さく振ると、くるくる天パ赤髪君が来た。エステルの言ってた通り、見た目からして変わってそうだ。
「あれ、カルボン。なんか用事?」
「うん、転校生に部活紹介しようと思って…」
「転校生?…あ、君のこと。初めまして、俺はベードリー・アルデヒド。」
あれ、変わってるどころか案外真面目なんじゃ…?見た目はともかく。
「俺、A組の弁前漢。よろしく」
「…えーと。弁前が文化部に興味あるみたいだからアルデヒドに頼もうと思って」
「うん、わかった。ちょうど今日活動日だし。カルボンも来る?」
「…うん」
「了解、ちょっと荷物取ってくる。先に部室行ってて」
「わかった。行こう、弁前」
「あ、うん!」
カルボンについて部室のある2号館へと向かう。
「そういえば、さっきのアルデヒドくんとカルボンは小学校が一緒とか何かなのか?」
クラスも部活も違うのにいつ知り合ったんだろう、気になって聞くと
「いや、中学に入ってから知り合ったよ。進級時のクラス替えまで同じグループだったんだ」
そっか、この学校だと1年から2年に進級するときクラス替えあるんだ。…って、
「グループ?」
「あ…クエストっていう科目では数人のグループを組むんだ。今はエステルとアルコールと組んでる」
「ふーん。クエストってどんな授業なんだ?」
「いくつかの学校で試験的に導入された体育に代わる科目で、体育同様、身体を鍛えるのが主かな。体育と大きく違うのは個人によって異なる武器を用いることとか。それと、体育館や運動場のようにこの世界に存在する空間でない場所で行うとか。」
んん…武器?異世界??あれっもしかしてファンタジー!?すごい!!
唐突な内容に脳内処理が追いついてない俺の様子を一瞥してか、カルボンが申し訳なさ気に
「…分かりづらいか。えっと…まずは遠い空間に移動して、そこで予め用意された対象ーー敵を、それぞれ武器を駆使して攻略ーー倒す。というのがクエストの流れ。…わかった?」
「うん」
うん、たぶん、なんとなーく分かったぞ!
「つまり俺が最強なんだな??」
「…??強いの?」
「…いや、ごめん。忘れてくれ…」
「…?うん?」
転校生のイケメン主人公(自称)は最強だと相場が決まってると思ったんだけど…まあいい。これくらいで凹む俺じゃない…!
気を取り直して(ついでに鞄も背負い直して)前を見据えて進むと、
「着いたよ」
なかなか絵の具だらけn…年季の入ったドアだ。中には誰もいないようで、薄暗い。ならばと取手に手を掛けて
「おじゃましまー…ん?」
ドアを開けようとしたが、開かない。もしかして押して開けるのかな?そんなわけないか。
「鍵が掛かってるね」
うーん、そうみたいだ。
「職員室に借りに…あ、でもアルデヒドと入れ違いになるのは嫌だね」
たしかに…あ、なら
「俺がここで待ってるから、カルボン鍵借りてきてよ」
それなら問題ないし。
「わかった。」
「よろしく〜」
カルボンの背中を見送る。
うーん、待ってる間どうしよう。近くならウロウロしてても大丈夫かな。美術室の隣の教室を覗く。こちらもまた人気がなく薄暗い。流石に開いたりはしないよな、と思いながらもドアを開けようと手を掛け、ガッと力を入れると
「うわっ」
カギ、かかってなかった……!
開かないだろうとタカを括っていたせいで思いっきりドアが開き、前のめりに身体が倒れる。視界がぐらりと傾いてーーー
いてて…アゴが…
痛みに耐えつつ、床に這いつくばる姿勢からよいしょと身を起こす。
なんだ、案外綺麗な教室なんだな。扉の小窓から見えていた様子とはだいぶ雰囲気が違う。なんだか綺麗だ。隣の美術室の年季の入りようとはケタ違いだ。あまり使われないのかな?床もフローリングじゃないし。……
…いや待てよ。机がない。
もちろん椅子もない。おかしいな、外から覗いたときは見えたんだけど。
……待て待て、もしかしてこれは幻覚かもしれない。アゴの打ちどころが悪かったとかなんとかの…
とりあえずここから出よう。
で、ちゃんとドアを閉めよう。
スー、ハー。(深呼吸)
…よし、オーケー。ちゃんと廊下だ。隣の教室は…うん、ちゃんと美術室だ。扉に付いてる絵の具の配置も変わらない。(たぶん)
いったい何だったんだ…もしかして入ってはいけない教室とかだったらどうしよ…それか呪いの教室とか…いや、もしかしたらさっきカルボンが言ってた『クエスト』みたくファンタジーなかんじかも…
気になる、とても気になる。振りかえってまた中を覗いても机も椅子もある普通の教室にしか見えない。
もう一度入ろうか…でもそろそろカルボンが来るかな?そうだ、カルボンにあの教室のこと聞いてからもう一度来よう。
今度はちゃんとじっとして美術室の前で待っていると、こちらに向かってくる人影が見えた。カルボンとアルデヒドだ。いつの間に合流したんだろ。
「おまたせ、弁前。」
「お待たせー、みんなまだ来てないけど先に部活始めちゃおう」
うん、よろしくお願いします!
こうして俺はのんびり美術部を見学しつつ放課後を過ごした。そういえば、なんか聞きたいことがあったような…うーん、なんだっけ?忘れたけどまぁいっか。そのうち思い出すよね!
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「お、文化部とな!?流石に文化部は、うちのフェノールも詳しくないからなぁ。えーと、文化部って何あったっけ…」
「…美術、文学、写真、管弦楽とか?」
声に振り返ると、カルボンがいた。
「うわ、カルボン!あ、美術部と文芸部と写真部と…あれ?管弦楽部じゃなくて、なんだっけ…」
うーん、と悩みこむエステルくん。
「おい、カルボンのせいでエステルがわかんなくなっちゃったじゃんかぁ〜!」
「…ごめん」
そういや管弦楽ってなんだっけ。
「…管楽器、弦楽器と打楽器だったはず」
「あ、そういや最近バイオリン弾ける子が入ってきたんだっけ。木琴も使ってるし…あれもしかして吹奏楽部って管弦楽部…!?」
アルコール君がハッとしたように目を見開く。と同時に
「あぁっ!そうだ、吹奏楽部だッ!弁前、文化部には美術部、文芸部、写真部と吹奏楽部があるよ!」
スッキリした顔でエステルが言う。
ほうほう、美術部、文芸部、写真部、吹奏楽部、と。どれにしようかな〜!
「…あ、僕の友達が美術部だから紹介しようか。」
「カルボンの友達で美術部…あっ、もしかしてあの魔法使いみたいなひと?うん、変わってるけど良い人そうだしそうしよう!」
変わってる、かぁ。どんな人なんだろう?アルコール君が言ってるならまだしも、エステル君が言ってるからそこまでやばいヤツではなさそうだなぁ、
「…隣のクラスだからすぐだよ。」
よーし、レッツゴー!
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隣の教室を覗く。こちらも終礼は終わってるみたいだ。
「……んー…あ、いた」
カルボンが窓越しに手を小さく振ると、くるくる天パ赤髪君が来た。エステルの言ってた通り、見た目からして変わってそうだ。
「あれ、カルボン。なんか用事?」
「うん、転校生に部活紹介しようと思って…」
「転校生?…あ、君のこと。初めまして、俺はベードリー・アルデヒド。」
あれ、変わってるどころか案外真面目なんじゃ…?見た目はともかく。
「俺、A組の弁前漢。よろしく」
「…えーと。弁前が文化部に興味あるみたいだからアルデヒドに頼もうと思って」
「うん、わかった。ちょうど今日活動日だし。カルボンも来る?」
「…うん」
「了解、ちょっと荷物取ってくる。先に部室行ってて」
「わかった。行こう、弁前」
「あ、うん!」
カルボンについて部室のある2号館へと向かう。
「そういえば、さっきのアルデヒドくんとカルボンは小学校が一緒とか何かなのか?」
クラスも部活も違うのにいつ知り合ったんだろう、気になって聞くと
「いや、中学に入ってから知り合ったよ。進級時のクラス替えまで同じグループだったんだ」
そっか、この学校だと1年から2年に進級するときクラス替えあるんだ。…って、
「グループ?」
「あ…クエストっていう科目では数人のグループを組むんだ。今はエステルとアルコールと組んでる」
「ふーん。クエストってどんな授業なんだ?」
「いくつかの学校で試験的に導入された体育に代わる科目で、体育同様、身体を鍛えるのが主かな。体育と大きく違うのは個人によって異なる武器を用いることとか。それと、体育館や運動場のようにこの世界に存在する空間でない場所で行うとか。」
んん…武器?異世界??あれっもしかしてファンタジー!?すごい!!
唐突な内容に脳内処理が追いついてない俺の様子を一瞥してか、カルボンが申し訳なさ気に
「…分かりづらいか。えっと…まずは遠い空間に移動して、そこで予め用意された対象ーー敵を、それぞれ武器を駆使して攻略ーー倒す。というのがクエストの流れ。…わかった?」
「うん」
うん、たぶん、なんとなーく分かったぞ!
「つまり俺が最強なんだな??」
「…??強いの?」
「…いや、ごめん。忘れてくれ…」
「…?うん?」
転校生のイケメン主人公(自称)は最強だと相場が決まってると思ったんだけど…まあいい。これくらいで凹む俺じゃない…!
気を取り直して(ついでに鞄も背負い直して)前を見据えて進むと、
「着いたよ」
なかなか絵の具だらけn…年季の入ったドアだ。中には誰もいないようで、薄暗い。ならばと取手に手を掛けて
「おじゃましまー…ん?」
ドアを開けようとしたが、開かない。もしかして押して開けるのかな?そんなわけないか。
「鍵が掛かってるね」
うーん、そうみたいだ。
「職員室に借りに…あ、でもアルデヒドと入れ違いになるのは嫌だね」
たしかに…あ、なら
「俺がここで待ってるから、カルボン鍵借りてきてよ」
それなら問題ないし。
「わかった。」
「よろしく〜」
カルボンの背中を見送る。
うーん、待ってる間どうしよう。近くならウロウロしてても大丈夫かな。美術室の隣の教室を覗く。こちらもまた人気がなく薄暗い。流石に開いたりはしないよな、と思いながらもドアを開けようと手を掛け、ガッと力を入れると
「うわっ」
カギ、かかってなかった……!
開かないだろうとタカを括っていたせいで思いっきりドアが開き、前のめりに身体が倒れる。視界がぐらりと傾いてーーー
いてて…アゴが…
痛みに耐えつつ、床に這いつくばる姿勢からよいしょと身を起こす。
なんだ、案外綺麗な教室なんだな。扉の小窓から見えていた様子とはだいぶ雰囲気が違う。なんだか綺麗だ。隣の美術室の年季の入りようとはケタ違いだ。あまり使われないのかな?床もフローリングじゃないし。……
…いや待てよ。机がない。
もちろん椅子もない。おかしいな、外から覗いたときは見えたんだけど。
……待て待て、もしかしてこれは幻覚かもしれない。アゴの打ちどころが悪かったとかなんとかの…
とりあえずここから出よう。
で、ちゃんとドアを閉めよう。
スー、ハー。(深呼吸)
…よし、オーケー。ちゃんと廊下だ。隣の教室は…うん、ちゃんと美術室だ。扉に付いてる絵の具の配置も変わらない。(たぶん)
いったい何だったんだ…もしかして入ってはいけない教室とかだったらどうしよ…それか呪いの教室とか…いや、もしかしたらさっきカルボンが言ってた『クエスト』みたくファンタジーなかんじかも…
気になる、とても気になる。振りかえってまた中を覗いても机も椅子もある普通の教室にしか見えない。
もう一度入ろうか…でもそろそろカルボンが来るかな?そうだ、カルボンにあの教室のこと聞いてからもう一度来よう。
今度はちゃんとじっとして美術室の前で待っていると、こちらに向かってくる人影が見えた。カルボンとアルデヒドだ。いつの間に合流したんだろ。
「おまたせ、弁前。」
「お待たせー、みんなまだ来てないけど先に部活始めちゃおう」
うん、よろしくお願いします!
こうして俺はのんびり美術部を見学しつつ放課後を過ごした。そういえば、なんか聞きたいことがあったような…うーん、なんだっけ?忘れたけどまぁいっか。そのうち思い出すよね!
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