……よし、ここは弟くんも見てみたいし
「運動部にしようかな！」
「おっけー、じゃフェノールんとこいくか！あっ、フェノールって弟の名前ね」
「…フェノールって何組なんだっけ？」
「1年B組だよカルボン！」
「あれっ、カルボンいつの間に」
ほんとだ、エステルの発言に振り返るとカルボンがいた。
あれ、カルボンは…
「…僕も同じく、帰宅部だよ」

…帰宅部栄えてるなぁ…


❖


廊下を移動して階段を降り、1年B組の教室へ。
「おっ、ちょうど終礼終わったっぽいな！1Bの担任終礼長いってホントだったんだ」
見ると確かに終礼が終わったばかりらしい、今日の掃除当番らしき何人かが掃除用具を取り出している。
「…1Bの担任、中和　熱（なかかず　あつし）先生はうちのクラスの数学の授業を受け持ってる先生だよ。」
「数学好き過ぎて終礼で時々暴走するんだってさ」
へぇ。そういえば、時間割に中和って書いてあったかも。なかかずって読むのか…
「おーい、気付けー……あっ、気付いた！」
カルボンとエステルと話している傍ら、アルコール君が窓の外で手をブンブン振ったお陰か、赤紫色の髪の子が不機嫌な顔でこちらに向かってきていた。一年生といえども、アルコール君より幾段ガッシリした体格だし、眉もキリリとしているのでちょっとビビる。……この子がフェノール君ってことはない…よn
「紹介するよ、コイツが弟のフェノール！」
エエーッ、なんてこったぃ！！
「兄さん…とエステル先輩、カルボン酸先輩まで…そちらは？」
あっ、俺か、えっと
「あ、コイツは転校生の弁前！」
あぁっアルコール君、俺のセリフ取らないでってば！
「あはは、ごめーん。でさフェノール、弁前が運動部入りたいらしいから案内してくれない？」
「はぁ、それなら良いけど…兄さんもついてくるのか？」
「んー、今日はヤボ用あるからパス！」
「わかった。…弁前先輩、少しお待ちいただけますか？」
「あ、うん、全然良いよ！」

「じゃ、弁前、また明日ねー！」
「フェノール君しっかりしてるから大丈夫だよ、またね！」
「…また明日」
おー、みんなまたあした〜！


❖←前　次→✼