「なー、明日の『クエスト基礎』って授業、具体的に何やるんだ？あと持ち物とか…」

アルコール「明日は座学のはずだから、筆記用具とノート、クエスト基礎の教科書、だね！」
エステル「クエスト基礎の座学では、道徳的なことだったり、実践に使える知識ーー技の性質だったりを教わるんだ」
うーん、体育の代わりって聞いたからまさか座学とは思わなかった…難しいのかな。つい身構えてしまう。

カルボン「まぁ、難しく考えなくていいと思うよ。先生も弁前が初めてだって分かってるし、明日は複雑なことはしないと思う」
そっか、なら大丈夫かな。ありがとうカルボン！

アル「じゃ、またね、みんな！」
エス「じゃあな！」
カル「また明日」
「バイバイ！」



❖

「起立！礼！」
「「よろしくお願いします」」
先生「はい、ではこれからクエスト基礎の授業をはじめます、と。そういえば弁前くんはクエスト基礎は初めてですよね、先生の名前は『脱水　縮合（だつみず　しゅくご）』、3年A組の担任をしています。これからよろしくお願いしますね」
「では初めての子もいるということでね、まずは簡単なテストをします」
「えーテストー？」
「抜き打ちなんて先生酷いー！」
「いやいやー、今まで先生の授業受けてきた君たちなら満点以外有り得ないだろう！では、配りまーす」
ガヤガヤと煩く愚痴る（でもどこか楽しんでいるみたいだ、）生徒たちをよそに、脱水先生はプリントを配っていく。ううっ、テスト…どんな内容なんだろ。
「じゃ、配られた人から解いてってくださーい。周りの人と喋ったらカンニングだぞ。55分までね」
渡されたプリントに名前を書いて、さてどんな問題かな…

「1.あなたが今まで出会った中で最大の困難はなんですか。それはどのように達成しましたか。達成できなかった場合は考えられる原因を答えなさい。」
「2.たたかいはどのような時にしますか。あなたの場合について答えなさい。」
「3.そのたたかいに対してあなたはどのように挑みますか、関わりますか」

「ここからは複数人で行われるたたかいの場合に限って答えなさい。」
「4.たたかう相手はどのような相手だと思いますか」
「5.どんな味方とたたかいたいですか。」
「6.これだけは避けたい、こんなふうにたたかいたい、というこだわりはありますか。具体的に答えなさい。」
「7.武器とはなんですか」
「8.先生へひとこと」

…あれ、どれもテストらしくない問題だ。でも難しいな…たたかいについてなんて考えたこと無かったや。というか、なんで『たたかい』が平仮名なんだ…？わからないけど、とにかく答えていこう。えーっと…


……


「はい、55分になりました。ではこれから近くの人と軽く、自由に意見交換しましょう。机も動かしていいですよーでは5分までどうぞ、始めてください」
近くの人ってことは…
アルコール「弁前ーなんて書いたー？」
エステル「あっアルコール、消しゴム落としてるよ！」
カルボン酸「（エステルが落としたエステルのシャーペンをそっと拾って置く）」
…この三人と一緒かぁ。三人は何を書いたんだろう？特に気になるのは…

アルコール→❖
エステル→❖
カルボン→❖