Portraits of Flowers

我ながら着けた首輪が映えている　向こうで斜めになってる肖像

雨水に幽せられてビニールごと吸い込まれる、叫ぶ、五月闇

寝不足のつまさき空を切り転倒　ニュルンベルクの雛鳥鳴いた

真っ白な地図　あるいはシャツ　予備校で最も巧みに袖をまくる子

幽霊の姫君みたいによく着飾る　アダージェットを都心は黙殺

キッチンの魔女はかつては魔法使いだったが自分に呪いをかけて

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向日葵がきみの足跡に咲きすさぶ　ぼくの頭にはリスが殺到

熱　きみが大きく両手を広げれば収束していく星の林

「ここにいていいよ」と笑うきみは夏　ぼくは忘れ雪　解けては泣かれて

来世また咲けますように、とブリザードフラワーに泣くような子だった

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ここにいます　折り目正しいステップで蹂躙された花の肖像