白雪姫
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無防備で無邪気
時に武器で弱点
私の愛をどう選ぶ
白い肌に艶やかな髪、バラ色の唇は魅惑で悩ましい。無邪気に笑い、1%も悪意のない彼女の笑顔に苛立ちさえ感じてしまう。
「ナナシさんは」
隠し持っていたとても小さく赤い果実。
「私をどちらだと思いますか」
手のひらサイズの小さな林檎。
「信じられるならお食べなさい」
血のように深い紅い林檎は磨かれていて光沢を放つ。
「疑心を抱くなら捨てなさい」
それを差し出された彼女は言葉の意味が理解できず、林檎と真剣な顔をした私を交互に見ては困惑してばかり。
「生か死か」
毒林檎か甘い林檎か、選んでほしい。
「私の愛はどちらを望んでいるのか」
彼女は少し戸惑ったが、少し大人びた笑みを浮かべると、私から林檎を奪った。
「ナナシ、よく考え」
言い終わる前に躊躇いもなく口にし、飲み込んだ。
「あっ」
そしてもう一口口にすると、私に口付けし、もうひとかけらを舌を絡ませながらねじ込んだ。
「っ…」
「わたし、ギャルソンさんに望まれるなら永遠に寝ちゃってもいい」
大きな瞳に私が映る。全くぶれなく真っ直ぐに私だけを見つめて。
「馬鹿な子だ」
ああ。これだから私は王子様になれないのだ。
「私に林檎のキスしたら、物語が破綻するでしょう」
「ふふ!そんなものぶっ壊して、わたしたちだけの話にしようよ」
そして、彼女もお姫様には収まってくれない。
それが嬉しくて、目を瞑って、キスを待つのだ。
Fin.
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