ぬい事変
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その数日後。
「ふふ、どうです?私の推し活は」
挨拶もそこそこな状況に既視感を覚えつつ、ナナシはギャルソンが後ろから取り出したそれに声を挙げた。
「…あ、私?え…上手すぎないですか!?」
「意外に上手く出来て満足です」
そこにはナナシそっくりな可愛らしいぬいぐるみがあった。ずいぶん可愛くなっている自分の姿は新鮮で、手縫いとは思えぬ刺繍と出来栄えに驚きを隠せないが、ギャルソン本人も満足げだ。
抱き上げてすごいすごいと興奮していると、いつのまにかギャルソンは小さなぬいぐるみ用のソファーを取り出していた。
「そこに私達のぬいぐるみ、置いてください」
そのソファーにギャルソンのぬいぐるみを置くと、その横にナナシのぬいぐるみが置かれた。
仲よく首を傾け合い、愛らしい姿に胸をきゅんとさせられる。
「あとはこの服も作りましたので」
こちらもお手製であろうぬいぐるみの服を取り出したギャルソン。ふんわりとしたレースで作られたそれは純白で、ティアラまで用意されている。
「…ってこれ、タキシードとウェディングドレスじゃないですか!こんなに器用とは…」
この大きさはきっとぬいぐるみに誂えて作ったのであろう。意外な才能を目覚めさせてしまったのかもしれない。
二着は二つのぬいぐるみに着させられ、まるで結婚式の入り口に置かれるウェルカムドールのようだ。
「式まで飾っておきましょうね」
「…式?」
「ナナシさん本人の分はちゃんと採寸してから着せて差し上げますから。私手作りで」
「…んん!?」
心なしか嬉しそうにもたれ掛かるギャルソンぬいぐるみと、いつのまにか横転したナナシぬいぐるみの姿があった。
Fin.
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