ミルク
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ね、ナナシさん」
「はい?」
「紅茶、美味しいですか?」
「えぇ、とっても!」
「お砂糖は1杯、ミルクは無し…ミルクお嫌いで?」
「そうじゃないんですけど…紅茶の色、好きなんです。色が変わっちゃうのがなんとなく嫌で」
「ああ」
他愛も無い会話。
いつもの様に出される薫り高い紅茶に舌鼓を打ちつつ、二人だけの時間を過ごす空間。部屋を跨げば死者のみが行き来するが、この部屋の中だけは生と死が共に安らぐ異空間となっていた。
ナナシはそんな時間が好きで、来る度にギャルソンの出してくれる紅茶が何よりの楽しみだった。
「ねぇ、ナナシさん」
「はい?」
紅茶を飲んでいると不意に名前を呼ばれ顔を上げると、いつ近づいたのかは分からないがギャルソンが身を乗り出して目の前にいるのでナナシは少し驚き、両手でティーカップを握り締め目を丸くさせた。
「うちのミルクは甘くてまろやかだと評判なんですよ」
「は…はい…?」
「一口如何ですか?」
ずずい、と更に近づくギャルソンの顔。近づくごとにナナシも後ろへと下がるが、椅子の背もたれがあり距離は段々と近づいていった。そしてギャルソンは近づきつつも、ナナシのカップをひょいと奪いテーブルへと置いたのだった。
「一口だけでいいのです。如何ですか?」
「ギャルソンさん…っ!ちょ、ちょっと近」
「如何です?」
「いただきます…!いただきますからっ…」
.
1/2ページ
